あなたは大丈夫?脳がさえる習慣の作り方

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Published in
6 min readFeb 4, 2016

歯を磨く時、歯磨き粉をどのくらいの分量押し出すのか覚えていて、毎回きちんと量りますか?歯磨きチューブのキャップを締める時、どのくらいの速さで締めるか考えていますか? また、歯ブラシも戻し方を考えながら棚に戻していますか?

実際には、歯を磨きながら窓の外に飛んでいる鳥を眺めていたり、その日交わした口論を頭の中で再生していたり、ニルヴァーナのシャツを着るか、それともビートルズのセーターにするか迷っているのではないでしょうか。それでも、最終的に歯はきれいに磨かれているのです。

なぜでしょうか? 習慣づいているからです。

習慣とは、繰り返し行うことで自動的に身についた行動です。考えることなく行動できれば、それは自動性が身についているということです。その行動を起こす「引き金」を関連付けることによって習慣となり、繰り返すことによって強化されます。歯磨きの例を見ると、状況 (洗面台の場所、一日のうちの決まった時間) やその他数多くの小さな行動が、歯磨きをしなさいというサインを送っています。

「Making Habits, Breaking Habits」の著者ジェレミー・ディーンは、人は一日のうち起きている時間の3分の1~2分の1を、無意識の習慣的行動に費やしているというテキサスA&M大学による研究報告を挙げています。

研究では、学生は1日1時間ごとに何をし、何を考えていたかを記録するよう求められました。研究者は、その行動が習慣的なものであるか、また他のことを考えながらやっていたかどうかなど、コードを付けて分類しました (例えば、歯磨きやテレビ鑑賞といった習慣的行動に関して、学生は自分が何をしているか意識しながらやっていた確率は40%に過ぎませんでした)。

もし私たちが起きている時間のうち半分も習慣的行動に費やしているとしたら、これらの習慣は良いものであるに越したことはありません。うれしいことに、良い習慣を身に着けて、悪い習慣を切り捨てる方法はあります。

習慣が身につくまでにかかる期間

意識することなく自動的に行う習慣が身につくのにどれくらいの期間がかかるかについて、確かなルールはありません。よく21日かかると言われていますが、根拠はありません。それよりも長くかかる場合もあります (これは人それぞれですし、その行動にもよります)。

ロンドン大学(UCL)が行った研究では、学生に、自分にとって良いことだが普段行っていない行動を一つ選び、毎日の習慣にするよう課題を与えました。

学生は毎日それをやったかどうかを報告し、以下の質問文への答えを記録しました: 「意識して覚えることなくこれをやりましたか」

次に研究者は、行動が (自己報告による) 自動性にたどり着くまでどれくらいかかったかを検証しました。結果は、その習慣の内容や、報告した人によって大きく違いが出ました。

その結果の一部を紹介します:

朝食後に水を一杯飲む: 20日

昼食時に果物を食べる: 40日

毎朝腹筋を50回やる: 84日

ほとんどの学生は遅かれ早かれ自動性に達することができましたが、その期間は平均2カ月以上 (一般に信じられている21日間という期間よりもずっと長い) かかりました。自動性に達することができなかった学生に関しては、研究期間を延長すれば、習慣が身につくまでに6カ月以上はかかっただろうと研究者は推論しています。

この研究では、どれくらいの期間がかかるかということに関して明確なガイドを示してはくれませんが、何かがすぐに身に着かなかったとしても、努力と時間を重ねれば、習慣にすることは可能であると分かり、励みになることでしょう。

悪い習慣をやめることは可能?

長い間習慣づいていることをやめるのは大変ですが、新しい習慣によってそれを覆い隠すことは可能です。マサチューセッツ工科大学のラットを使った研究では、脳の中に習慣を管理する領域があることが分かりました。習慣とは自動的なものではありますが、脳にそれを「チェックアウト」させて認識力を開放しても、全ての習慣がオフラインになるわけではありません。

この脳の領域は、前頭前皮質 (脳の指令センター) の一部で、下辺縁皮質と呼ばれ、どの習慣のスイッチをオンにして、どれをオフにするかを管理しています。古い悪習慣を自動運転にするかどうか、それとも新しい良い習慣を自動運転にするかを決めます。食料棚を開けた時、以前から好物のチョコレートに手を伸ばすか、それとも新しく健康的な食生活の一環としてキヌアを取るかを決める手助けをします。

この研究によると、下辺縁皮質は新しく学んだ習慣を優先させましたが、研究者が介入すると、すぐに、下に隠れていた元々の古い習慣に戻ってしまいました。このことから、新しい習慣が古い習慣を消去したのではなく、単にそれを覆い隠しただけだったということが分かります。

ですから、もしひどく悪い習慣を持っているとしたら、それをやめることは必ずできます。古い習慣を覆い隠せるような、より強くて新しい習慣を身に着けること、そして悪い習慣を呼び覚ましてしまう状況的きっかけを避けることです。

行動に移す

PEAKで脳トレをする時、どんな習慣が関わっているでしょうか。以上で述べたような力が働いているのに気付くかもしれません。

毎日脳トレをしていますか? また、トレーニングの直前には何をしていますか? 何をしているか意識していますか? 携帯電話を開いた時、自動的にFacebookのアプリを開いてしまうなど、強い習慣に気が散ってしまうことはありませんか?

今週の課題です:毎日3分の脳トレを習慣にしてみてください。そして、その習慣が身につくまでどれくらいかかるのか試してみてください。

お役立ちヒント: 「毎朝9時」「歯磨きの後」など、状況的引き金を決めます。また、ちょっとした助けとして、アプリに毎日通知を送るよう設定することもできます。幸運を祈ります。うまく行ったかどうかぜひ教えてください!

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