お酒が脳に与える影響

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3 min readMar 7, 2016

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金曜日の夜です。ちょうどあなたは、友だち何人かと飲み会に出かけるところかもしれません。もしくは、愛する人と1杯のワインを楽しもうとしているところかもしれません。もしそうならば、あなたはひとりではありません。アメリカ国立衛生研究所の直近の調査によれば、米国の成人(18歳以上)の半数強が先月飲酒したと回答しています。アルコールの消費は一般的なことではありますが、しかしながら、飲酒の脳への影響についてはほとんど知られていません。

アルコールは抑制剤に分類されますが、この名称は、脳と脊髄からなる中枢神経系を抑制、あるいは緩慢にさせる働きによるものです。これは直感に反しているように思えますが — 何しろ、酔った人はむしろ踊りだしたり、カラオケで歌ったりするのがよほど普通に見えるのですから — 脳のどの部分にアルコールが作用するかに関係があり、そしてそうした部分は、実は数多いのです。

私たちの脳細胞は、互いにコミュニケーションするために神経伝達物質と呼ばれる化学物質を用います。興奮性神経伝達物質は脳細胞(ニューロン)による信号の受信を助けるため、脳の機能を大いにコントロールしているのです — そして、ある重要な興奮性神経伝達物質がグルタミン酸と呼ばれるものです。アルコールは脳内のグルタミン酸の活動を阻害し、運動と認識を司る領域をスローダウンさせます。大量の飲酒後につまづいたり、ろれつが回らなくなったり、時に記憶を失うことがあるのはそれが原因です。また、意思決定と自己制御を司る脳の一部、前頭前皮質の活動にも影響を与えるため、酔った時には判断を誤ったり、喧嘩をしたりする可能性が高くなります。

では、酒を飲んだ時に多くの人々が経験する、ほろ酔いで幸せな感情はどこからくるのでしょう?

ここでもまた、神経伝達物質の登場です!ここでの犯人はドーパミンです。これまでに、ドーパミンのことは耳にしたことがあるかもしれません — 音楽、セックス、食べ物といったあらゆる酒類の報酬系行動と関連付けられてきたものです。アルコールを摂取すると、「報酬系」として知られる脳の領域にドーパミンが放出されます — そのせいで気分がよくなり、もっと飲みたくもなるのです。研究によれば、ドーパミンへの飲酒の影響は女性よりも男性においてより顕著で、科学者らはこれが理由で平均的に男性が女性よりも飲む量が多く(そして、男性のアルコール摂取障害となるリスクは女性の2倍近い)のではないかと考えています。

たまのワインやビール1杯 — 医師の定義によれば、女性の場合1日1杯、男性なら1日1杯までの控えめな飲酒 — は大いに結構で、健康面での利点すら期待できますが、アルコールの過剰摂取は深刻な結果を招く可能性があります。これまでに、多量の飲酒(一度に5杯以上)は攻撃性、うつ、ひいては脳の損傷にまで関連付けられてきました。

ですから、かしこく、節度をもって飲むように気をつけましょう。

乾杯!

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