お名前.comからGoogleDomainsにドメイン名を移管してみた

kameneko
penguin-lab
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14 min readJun 11, 2019

こんにちは、かめねこです。
タイトル通り、ドメイン名の移管をしてみたって話です。

気づいたら、管理しているドメイン名が5つになっていて、結構フランクにドメイン名を契約していたなぁと。そんな中、実はこれらのドメインのレジストラはお名前.comとGoogleDomainsのそれぞれで別々に管理していました。

実際のネームサーバーはGCPのCloud DNSを中心に、例えばさくらのクラウドで利用しているものであればさくらのクラウドのDNS、AWSならRoute53というように環境ごとに分けてて管理しています。なので、日常的な運用面では特に問題があるというわけではなかったりします。

移管のきっかけ

複数のレジストラで管理すること

あまり大きな問題はないのですが、やはり請求先や管理先がバラバラというのが地味に面倒だったりします。特定のドメインの設定を確認・変更しようと思ってコンパネにログインしてみたら、実はもう片方のレジストラだったとか。また、請求先が異なるため、せっかくならそれもまとめたいというのもあります。

お名前.comの辛いところ

多分このへんは色々なところで言及されていると思うので、あえて今更上げる必要もないかなと思いますが、個人的に感じてる点を挙げてみます。

  • メールがいっぱい来る
  • ログインするときに毎回契約更新の画面が出てくる
  • (今回移管するにあたって知りましたが)ドメインプロテクションが有料

ぶっちゃけ、ドメインプロテクション以外はなんとかなるものだったりもするので、決してこれらが致命的に問題であるから移行するというわけではなかったりします。単に「これら辛いなぁ~あ、GoogleDomainsがなんか使い勝手良さそうやん。せっかくならこっちにまとめてみよう~」的なノリだったりします。

とはいえ、改めてGmailでアーカイブ行きされてるメールを見ると、中々の頻度でメールが送られていて、本当に必要なメールが埋もれてしまっているのはどうなんだろうと…。

GoogleDomainsの素敵なところ

実はまだ使い始めてそんなに経っていないので、本当に便利なところを確認できているわけではないかもしれませんが…。

  • Googleアカウントに紐づく
  • 別のGoogleアカウントに管理権限を持たせられる
  • 請求がGoogleアカウントのBilling情報を見てくれる

やはり、Googleアカウントに紐付いてくれるのが一番です。別途アカウントを発行する必要がないです。更に、別のアカウントにも管理権限を渡せるのが中々便利なんです。GoogleDomainsのコンパネから、ドメイン名 → Registration settings → Domain permissionで任意のGoogleアカウントのアドレスを入力すると、そのアカウントでドメインを管理することができます。

契約したアカウントとは別のGoogleアカウントに権限を付与した

この場合、請求は契約したアカウントになり、請求の一本化も可能です。私はユースケースによってGoogleアカウントを分けており、例えばメイン用、仕事用、ネット用(かめねこの方)などのように複数所有しています。そして、例えば会社用アカウントでドメイン名を管理したいとなった場合、会社用アカウントを紐付けることでアカウントのスイッチをしなくても管理ができるので、そういった使い方をしています。

もしも会社で利用される場合は、GSuiteの請求用アカウントで契約し、各担当者や部署のアカウントに権限を与えるというような使い方も想定できますね。

さらに、GoogleアカウントのBilling情報(https://pay.google.com/)を見てくれているようで、クレジットカード情報の更新の際にも自動で変更がかかってくれる(はず)です。

GoogleDomainsだと辛いところ

  • .tokyoなどの一部地域ドメイン名が契約できない

.tokyoなどの一部の地域ドメイン(こういうの何ていうんでしたっけ)が契約できません。ただ、以前は.jpドメインが契約できなかったようですが、今検索してみたら普通に契約できるようです。

nekooooooooo.tokyo はダメっぽい
nekooooooooo.jp は契約できそう

なので、これらのドメインを利用する場合は残念ながら…となってしまうかなと。ただ、検証していないですが、お名前.comなどでドメインを契約し、それをGoogleDomainsに移管すれば管理できるかもしれません。

ということで移管してみる

何はともあれ、せっかくなので移管してみます。今回はお名前.comで管理しているドメイン3つの内、1つを移管してみます。対象のドメインでは、GCPのCloud DNS事前に適当なAレコードが引ける状態にしておいて、適宜直接NSサーバへ問い合わせします。

今回は以下を参考にやってみます。

全体の作業としては次の通り

  1. お名前.comでドメイン名の移管ロックを解除する
  2. お名前.comでAuthコードを取得する
  3. GoogleDomainsで移管手続きを行う
  4. お名前.comで移管承認を行う

事前確認

移行前は以下のような感じ。ちゃんとCluod DNSにNSが向いています。

>  dig lab-dev.net NS; <<>> DiG 9.11.3-1ubuntu1.7-Ubuntu <<>> lab-dev.net NS
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 5337
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 4, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1
;; OPT PSEUDOSECTION:
; EDNS: version: 0, flags:; udp: 1452
;; QUESTION SECTION:
;lab-dev.net. IN NS
;; ANSWER SECTION:
lab-dev.net. 21600 IN NS ns-cloud-e4.googledomains.com.
lab-dev.net. 21600 IN NS ns-cloud-e1.googledomains.com.
lab-dev.net. 21600 IN NS ns-cloud-e2.googledomains.com.
lab-dev.net. 21600 IN NS ns-cloud-e3.googledomains.com.
;; Query time: 136 msec
;; SERVER: 1.1.1.1#53(1.1.1.1)
;; WHEN: Tue Jun 11 22:36:31 JST 2019
;; MSG SIZE rcvd: 161

そしてAレコード

> dig www.lab-dev.net A; <<>> DiG 9.11.3-1ubuntu1.7-Ubuntu <<>> www.lab-dev.net A
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 38932
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 2, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1
;; OPT PSEUDOSECTION:
; EDNS: version: 0, flags:; udp: 1452
;; QUESTION SECTION:
;www.lab-dev.net. IN A
;; ANSWER SECTION:
www.lab-dev.net. 283 IN A 151.101.65.195
www.lab-dev.net. 283 IN A 151.101.1.195
;; Query time: 17 msec
;; SERVER: 1.1.1.1#53(1.1.1.1)
;; WHEN: Tue Jun 11 22:37:41 JST 2019
;; MSG SIZE rcvd: 76

お名前.comでドメイン名の移管ロックを解除する

ドメイン名に移管ロックが行われているかどうか確認します。お名前.comのコントロールから、「ドメイン移管ロック」をクリック

どうやら未設定とのことで、ロックは掛かっていないようです。もしロックが掛かっている場合はロックの解除を行いましょう。

お名前.comでAuthコードを取得する

Authコードを表示させます。「ドメイン一覧」から対象のドメインのリンクをクリックします。(これ見つけるまでひたすらドメイン設定の画面をウロウロしてた

ドメインの詳細の「AuthCode」の表示させるをクリックすると、AuthCodeが表示されるので控えておきます。

GoogleDomainsで移管手続きを行う

ここからはGoogleDomainsに移ります(https://domains.google.com/m/registrar/)。メニューから「移管」をクリック。

移管したいドメイン名を入力してEnter。

移管の手続きフォームへ遷移するので、ステップ2のテキストボックスにAuthCodeを入力して続行。

自動でDNSの情報を取得して、GoogleDomainsに移行してくれるようです。

しかし、今回はネームサーバーを維持したまま、移管の手続きだけを行いたいので、「現在のネームサーバーを維持し、他の設定をインポートしない」にチェックして続行。

決済の確認が出ます。改めて、今回の移管で変更になるのは次の通り。

  • ドメイン名のレジストラを変更(お名前.com → GoogleDomains)
  • ドメイン名の更新期間が +1年される

ドメイン名の更新手続きが行われるので、その費用として1,400円が発生します。また、「プライバシー保護」を有効にすることで、Whois上にGoogleDomainsに登録している名前や連絡先などの情報を書き換えてくれます。「自動更新」は必要に応じてチェックを入れておきましょう。問題なければ「購入手続きに進む」をクリック。

ここはさすがにお見せすることはできませんが、連絡先の確認とクレジットカードの確認画面に遷移します。なお、クレジットカードはGooglePayに登録している、Primaryのカードが選択されています。確認の上、「購入」をクリック。

※ちなみにこの手順では失敗しているので、もし読み勧めながら作業をしている場合はとりあえず最後まで読んでください。

マイドメインの一覧へ遷移します。ドメインの一覧には、次のように移管手続き中の表示が。どうやらこのあとメール等が来るようで、それに対して承認の対応をしなければならないようです。ちなみに、当たり前ですがこの時点でレコードを引き直しても変化はありません。

1時間ほどして、メールが来ましたが…

お名前.comより、不承認のメールが来ました。どうやら、「Whois情報公開代行サービス」の設定が悪かったようです。

Whois情報公開代行サービスを解除する

お名前.comでドメインを取る場合、ほとんどのケースではWhois情報公開代行サービスを利用すると思います。どうやらそのままでは移管ができないようで、一時的に解除します。ドメイン設定から「Whois情報公開代行」をクリック。

該当のドメイン名をクリックして、「Whois情報公開代行を解除」を選択します。このとき、下にお支払い方法と表示されていますが、あとからWhois情報公開代行を行う際に費用が掛かってしまうからのようです。今回の解除の場合は当然0円です。

内容を確認して、申し込みます。

なお、一時的に個人情報が公開されてしまいますので注意を。

設定後、未設定になっていることを確認します。これで、Whois情報公開代行が解除されました。

改めて、GoogleDomainsへ戻り、移管の手続きを行います。特に難しい作業はありませんが、一時的にもう一度延長費用が引かれてしまう点だけ注意です。1回目の移管費用は払い戻しされる(はず)です。

先ほどと同様に、1時間ほどしたらメールが来ました。

今度は無事、移管の手続きが進んだようです。リンクから移管の承認用ページへ移動し、承認を行います。

移管申請の承認が完了しました。

承認後、数分後にはGoogleDomainsにて処理が完了し、ドメイン名の管理ができるようになっています。

同様に、お名前.com上のステータスも、移管完了となっています。

以上で、お名前.comからGoogleDomainsへの移管の手続きが完了しました。

まとめ

ということで、GoogleDomainsへ移管が無事完了しました。ネームサーバーを変更していたこともあり、この間は特にレコードが引けなくなるということはありませんでした。ですので、レジストラの側のDNSを使用せず、別のDNSを利用している場合は、移管による影響はほぼ無いようですね。

なお、今回のように不備があった場合は再度やり直しになってしまい、特に承認待ちの間などに時間がかかってしまう点には注意が必要です。

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kameneko
penguin-lab

PrometheusとかKubernetesとか物理、配信とかが好きなしがないエンジニアです。さくらインターネットという会社であれこれしています。ペンギンがとても、とても好き。