フランス語学習は試行錯誤の連続、そして今も迷い中

amayadori
語学学習帳
Published in
Jun 25, 2021

「言葉」というもの自体にはとても興味があって、自分にとってわからないものに対する探究心も少なくはない。
ものを読んだり、話したり、書いたりすることも好きだ。
片言で友達と話すことも恥ずかしいとは思わないし、失敗をそんなに恐れるタイプでもない。
だからまさか、こんなにいつまでもフランス語ができないままだとは想像していなかった。
中学時代から英語はいつも赤点だったので(勉強方法がわからなくて勉強したことがなかった)語学のセンスはあまりないとは感じていたけれどいくらなんでもひどすぎる。謙遜でもなんでもない、ほんとうにひどすぎるのです。

「ことば」が好きだけれどどちらかというとその発音の色合いや、どういう感触からその言葉が発生したかということに強く惹かれて、ともすると実践的な勉強をまったく脇に置いてただただ辞書を深堀りしてゆく…ようなことになる。
そういう勉強方法もいいじゃない、と最初は思っていたが、深堀りしたもののそれを日常で繰り返して使うこともないから片っ端から忘れてゆく。結果なにも積み上がらない…、ようなことの連続だった。

それから私には自分が本当に好きなことしか長続きしないようなところがある。
フランスにはマニアックな文献もたくさんあってそれに触れる機会も多いから、ただ語学の勉強をするのみならず、そういうものに関わりつつ自分が強く興味を持つ分野のことでなんとか勉強をしようと一石二鳥を狙って、自分のレベルからかけ離れた難しい文章や動画ばかりを見ようとしていた。
見た展示の作家インタビュー、評論、ダンスの制作コンセプト。
abcがやっと分かるくらいのレベル、しかも英語の基礎もないので文法もむにゃむにゃなままではありながらも、辞書を片手にそういう文章をなんとなく想像で補って読み進める作業は、最初は楽しかった。
好きな俳優や監督の映画を字幕無しで、ひたすらヘッドフォンに耳を押し付けながら聞き取ろうとする作業も始めは面白かった。
しかしその結果、最初の1行、最初の1分を理解するのに何時間も費やし、全体をやり通せないまま体力切れで終えてしまうことを繰り返していた。
そういうことを重ねてゆくうち次第に、内容もわからないし、やり遂げる達成感もないことがだんだん苦痛になった。机に何時間向かっても皆目わからないし、今日なんとなく解読できたところで話せるようになることとどう繋がってゆくのかもわからない、と呆然とする時間のほうが長くなった。
まじめに勉強しているはずなのに全然進歩しない自分が、語学には向いていないんじゃないかと落ち込むことが重なった。

私はどういうわけか、カフェや外など騒音のあるところでは人の声が言葉としてあまり判別できない。自分がその人の唇を見たり、声が直接耳の方に向いている時でなければ言葉が理解しづらい。電話も右耳だと音はわかるけど言葉として認識することに非常に集中力が要る。お皿同士が触れる音や、空調、隣やその隣の人の声、足音、外の車の音、そういうものが一緒くたに耳に入ってくるので針に糸を通すような集中力で耳を向けないと、聞き取れない。
だから集まりに出かけても、頭が痛くなって途中で耳を塞ぎたくなる。
なんで騒音にしか聞こえないのかと泣きたくなるのを我慢するので精一杯。
かといって個人的に静かなところで話したくとも会話を続ける自信もなく、何を言われても分からないから友達と会うことからも遠ざかって、「とにかくもう少しフランス語をひとりで勉強して、聞こえるようになってから友達と会おう」と家でひとり勉強をしようとした。
しかしもとのもくあみで、やっぱりどうやって勉強したらいいか皆目わからなかった。

しかしようやく、自分が教材にしているものは私にとっては難しすぎるのだということが分かってきた。「こんにちは」「私は昨日スーパーに行きました」くらいしか話せない人間が、美術評論など読めるわけはない。
いや、それは最初から分かっていたのだけれど、興味があるものしか読みたくない、見たくないというわがままというか傲慢が勝ってきただけなのだ。
長い時間かかってやっと、勉強は最初はそんなに楽しくなくても仕方がないんだということを自分に納得させることができるようになり、とにかく面白いと思えるものに手が届くまでは辛抱して積み重ねるしかないんだという基礎的なことが理解できた。

でも、やっぱりそれでも全然興味も惹かれないものを読み続けるのは苦痛だ。どんなに頭では「これは勉強だからお願いね」と言い聞かせようとしても「つまらん」と教科書を放り投げる選り好みの激しい私がいる。なんなの、この傲慢なひとは。
ある程度興味を持てる内容でしかも、70%くらいは理解できるような教材。
それを探すのはとても難しいのだけれど、前よりは自分と乖離のないものが選べるようになってきたかもしれない。

きっと誰しもに当てはまる正解の勉強法は語学にはないと思うけれど、私は随分遠回りをしたなあと思う。
こんなに語学学習が下手な人間はほかにいないんじゃないかと思う。
フランスに7年もいるのにそんな語学力ですか…嘘でしょ?って驚かれる恥をしのんでこの場所を開放してみたのは、みなさんがどんな風にどんなもので勉強しているのか知りたかったからです。
あとはどんなレベルであれ、やはり語学というのは長くて終わりのない道のりなので、お隣さんが頑張っていたり楽しんでいたりする姿を見ながら励まされたい、お尻を叩かれたい、という一心からなのです。

Mediumはきっと匿名でもできるはずなので、そんな感じでご自由にどうぞ。
フランス語に限らず、いろんな言語の方がいても楽しいなあと思います。
レベルも問いません。
あ、もちろん日本語を勉強している方もぜひ。(日本語だったら私もちょっとお手伝いできる!)
お互い干渉しなくてもいいし、リプライしたりもできる仕組み(そのリプライも自分の記事として保管されます)なので、そんな相互間のやり取りも自由です。
よほどのことが無い限り私はタッチしない感じでいこうかなと思います(よほどのことがあれば私の個人的判断でその記事は外してくださいとお願いするようなこともあるかもしれません。その場合でも、その記事はその方の記事として保持されます。この場はあくまでも個々の記事の持ち寄り場なので)

参加はしない皆さんも、私が三日坊主にならないように見守っていてください…。

Je ne saisissais pas une propre méthode d’apprentissage du français pendant long temps parce que le français est ma première langue étranger.
Je perds toujours maintenant, mais après 7 ans, je me suis aperçu que j’ai fait un détour.

フランス語は私にとって初めて勉強する外国語なので、自分なりの勉強方法が長らく掴めずにいた。
今だって試行錯誤しながらだけれど、やっと7年も経って、自分がえらく遠回りしてきたことに気づくことができた。

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