偽造医薬品流通防止に関わる省令の改正に対応した業務手順書の改訂

toshiyuki
4 min readFeb 11, 2018

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昨年発生した「ハーボニー」の偽造流通事案を受け、医薬品の偽造流通防止のために遵守すべき事項がルール化されました。

昨年10/5付で公布され、今年の1月31日からの施行です。
すでにガイドラインがでていますが、今回は省令として記録・保存事項が明確化されました。
業務手順書の見直しとスタッフの理解浸透が必要になります。

細かいところはさておき、要約すると以下のようなことでしょう。

1.小分け・分割販売ルールの明確化

ほとんどの内容は納品伝票に記載されていますがお互いの身元の確認と記録の保存・管理が必要になります。常時取引の有無で記録内容が違います。
既にガイドラインを遵守している薬局は、ほぼ問題ないでしょう。

2.医薬品貯蔵設備への立ち入りルールの明確化

医薬品貯蔵設備を設ける区域と他の区域が明確に分けられます。
薬局で医薬品貯蔵設備といえば調剤室になるのでしょう。とはいっても壁やドアで完全に仕切る必要はないようです。

3.手順書の作成

業務手順書に追加するべき項目が記載されています。

1 業務手順書に盛り込むべき事項

(1) 薬局開設者の業務手順書に盛り込むべき事項

①医薬品の譲受時は、納品された製品が正しいこと、目視できるような損傷を受けていないことなどを確認すること。

② 偽造医薬品の混入や開封済みの医薬品の返品を防ぐための、返品の際の取扱い。

③ 貯蔵設備に立ち入ることができる者の範囲と立ち入る際の方法。(第4の1参照)

④ 医薬品の譲渡時は、全ての供給品において、第2の1(1)1から6までに掲げる事項等(一般用医薬品等については、同2及び3において掲げる事項を 除く。)を記載した文書(例えば、納品書)を同封すること。

⑤製造販売業者により医薬品に施された封を開封して販売・授与する場合(調 剤の場合を除く。)には、医薬品の容器等に、当該分割販売を行う者の氏名又 は名称並びに分割販売を行う薬局の名称及び所在地を記載すること。

⑥ 患者等に対して販売包装単位で調剤を行う場合には、調剤された薬剤が再度流通することがないよう、外観から調剤済みと分かるような措置を講じること。

⑦ 偽造医薬品や品質に疑念のある医薬品を発見した際の具体的な手順(仕入れの経緯の確認、販売・輸送の中断、隔離、行政機関への報告等)。

⑧ その他、偽造医薬品の流通防止に向け、医薬品の取引状況の継続的な確認や自己点検の実施等。

⑨ 購入者等の適切性の確認や返品された医薬品の取扱いに係る最終的な判断等、管理者の責任において行う業務の範囲。

気になるのが⑥の『外観から調剤済みと分かるような措置を講じること』という文言です。
例えばヒルドイドソフト軟膏100gボトルは個包装されてます。そのまま交付すると再流通が可能なのでスタンプを押すか、包装を破るかなどの措置を講じなければなりません。
Q&Aもでています。

完成:医薬品の安全使用のための業務手順書

Q&Aや卸さんからのアドバイスを基にようやく手順書が完成しました。
これから行政の指導がはいると疑問点もハッキリしてくるでしょう。
とりあえず完成してホッとしています。

以下、ファイルを共有しておきます。

Googleドキュメント→医薬品の安全使用のための業務手順書

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toshiyuki

徳島県在住の薬剤師です。徳島県の薬剤師向け研修会や医療情報、勉強会などで学んだことを記録しています。