ブロックチェーン 時代の”企業組織”と”働き方”

自律分散化していく “企業”と“働き方”を考える。

Takashi Oka
PHI-GUILD
25 min readApr 2, 2020

--

3ヶ月分ぐらいの個人的な思考がまとめてあるのでちょっと長くなってしまってますが、伝えたいことはPart2の「上記を踏まえた上で、これからの企業組織を再考する -自律分散的協働」にまとまってますのでここだけでも読んで帰ってください!

目次

Intro

・はじめに

Part1

・今まで企業の組織化はなぜ必要だったのか?-取引コストについて

・ITが企業の組織化に与えている影響 -取引コストの低下

・これからのオフライン企業組織の役割とは-心理的安全性とコミュニティ

Part2

・これからの働き方-自律分散的働き方

・上記を踏まえた上で、これからの企業組織を再考する -自律分散的協働

Part3

・まとめ

・最後に

・おまけ-自律分散的組織の経営手法と文化

はじめに

『これからは、会社がコミュニティー化していく。』

『これからは、経営、マネジメントが変わる。』

『これからは、仕事がプロジェクトベースになる。』

『これからは、地球のどこにいても働ける。』

と最近、色んな方が言っているのを聞きます。

上記のどれも事実だと思いますし、これから更にこの流れが加速していくと言うのは感覚的に分かりますが、何故そうなるのか?上記のようなパーツはどう繋がるのか?と言う疑問を日々持っていました。

そんな中、今まさにコロナウイルスが世界中を震撼させており、企業や働き方を含むあらゆる文化や慣習が抜本的に見直され変化を強いられていると思います。

そんな今だからこそ、インターネット技術が出現して以降、多様化してきている働き方や企業という組織の本質を見つめ直し、これからの時代のスタンダードになるであろう働き方や企業という組織の役割を自律、分散的な観点から考えていきます。

3ヶ月分ぐらいの個人的な思考がまとめてあるのでちょっと長くなってしまってますが、伝えたいことはPart2の「上記を踏まえた上で、これからの企業組織を再考する -自律分散的協働」にまとまってますのでここだけでも読んで帰ってください!

拙い文章でガバガバな点たくさんあると思いますが、是非読んでみてください。あくまで筆者の個人的な思考を綴った記事ですので参考程度にお願いします。意見等はどしどし受付けています!

第一章

今まで企業の組織化はなぜ必要だったのか?

『組織化することで、一人では出来なかった規模の大きなことができるようになる。』

こう答える人が多いと思います。

確かにその通りだと思いますし、他にも理由はあると思いますが、

企業が組織化する背景には、”取引コスト”という考え方が本質的にあるとノーベル経済学者のRonald H. Coaseさんは言いました。

”取引”は最も基本的な経済活動であり、太古より物々交換から現代の信用取引まで形を変えて今の世の中でも日々行われています。その取引をする際に生じるコストのことを”取引コスト”と呼んでいます。

イメージしやすいように、取引コストというのは以下のような活動の際に生じます!

図1 取引コスト一覧
図1 取引コスト一覧 by弊社資料

たくさんありますね!

これを踏まえた上で、例えば車を継続的に作る企業があったとして、その過程で人や部品、機械など様々なリソースが必要になったとします。

そこでのリソースの調達の方法は基本的に二つしかありません。

一つが、常に価格が変動する市場から毎回直接調達する。

一つが、決められた値段で継続的に調達するための契約を結び調達する。

社員という考え方がイメージしやすいと思います。

単価の異なるフリーランスを必要になったタイミングでその都度活用するか、一定の報酬と引き換えに固定的に社員を雇い好きなタイミングで活用するかという感じです。

ここで従来の企業は、モノづくりの過程で毎回市場から全て調達しようとすると莫大な間接コストがかかってしまうことがあり、それを内部取引に切り替えることで全体のコストを下げてきました

つまり、

組織化費用<取引費用

と言う状況下では、各取引を毎回市場とするよりも、リソースを囲い企業を組織化した方がコスパが良いわけです。

逆に、

組織化費用>取引費用

というように、企業を組織化するよりも市場との直接取引を選んだ方がコスパが良い状況になっている場合だと、必要なタイミングでその都度でリソースをアウトソーシングした方がコストは抑えられます。

(ちなみに今回は触れませんが参考までに、世間一般で言うところの、企業家の役割は、競争システムの中で資源配分の方向性を市場の価格メカニズムに変わって行うことだったりします。今の時代、企業は常に取引をアウトソーシングするか自社リソースで完結させるかの選択を迫られている訳ですね。ガバナンスやマネジメント、意思決定を行う人間として企業家が存在する。これが今まで当たり前とされてきた考え方であり、経営学もそこに特化してきました。)

まとめると、企業は何かを生産する時に発生する市場との取引コストを削減する為に一時的なアウトソーシングではなく、リソースを自社の組織として囲い込み協働させてきたわけです。これが企業が組織化する理由であり今まで当たり前とされてきたことの本質的な部分になっています。

現代の日本人は盲信的に、就職と言えば大企業になっている人達が多いと思いますが、我々が凄いと認知している企業組織は本質的にたったそれだけの目的で今までは存在してきてるってことをここでは伝えたいです。

ここまで、前提となる知識について簡単に触れてきましたが、次にITが応用されるようになった結果この前提がどのように変化しているのを見ていきます。

ITが企業の組織化に与えている影響

情報技術の普及は、言うまでもなく企業の取引を含む経済活動や国家戦略に及ぶまであらゆる事象に影響をもたらしてきました。

それにより、今までオフラインで行われてきた取引(前章で図1)は徐々にオンライン上に遷移しており、取引コストは急激に低下してしてきています。

例えば、”検索”の観点で見ると、

今までは、オフラインで企業説明会を開催したりリアルの場での採用活動が行われてきましたが、今ではTwitterなどのSNSでチームメンバーをリクルートすることも当たり前になってきました。

そのほかにも、slackを使って取引先とやりとりしたり、会社メンバーの割合が正社員よりも一時的な外注の方が多い会社は今ではザラになってます。

(ただ、この新しい情報技術を取り入れることが、かえって処理情報量を増やしてしまい、導入前よりも高い取引コストを生み出すということがあるのも忘れてはいけない側面です。)

これらのことから考えるに、IT化によって企業が行き着く先は、図1であげた、リソースの検索から、情報開示まで『従来オフラインで行われていた取引を全てオンライン上で行う状態』です。そもそも、今の時代オフラインでオフィスを借りて、住所という考えに縛られ、日本中から人材を集め、企業活動をしていくことに意味はあるのでしょうか?

リソースがオンライン上で組織化し、協働し、社会に貢献し、報酬が得られる。このような世界観では、アドレスに縛られた企業体は従来の強みであった、取引コストの削減には適していないでしょう。

まとめると、ITの拡大により、企業の組織化をフィジカルなアドレスに基いて行うのは時代遅れになりつつあり、これからはオンライン上で完結する為に現企業は取引のデジタル化を選択し、政府はそれを支援する為に、現行法の改正や行政手続きのデジタル化を本気で進めないとあらゆる面において破綻する時期がきているという感じです。

ここまで、企業がオフラインで組織化する理由とこれからの時代では企業がオンラインで組織化するだろうということ見てきました。

次は、オンライン化が進む世の中でオフラインの企業に必要性はあるのかと言うことを考えていきます。

これからのオフライン企業組織の役割とは

これからの時代、オフラインでフィジカルなアドレスにリソースを囲う企業という箱はどういう役割を担うのでしょうか?

面白い事に海外では、組織をオンライン上で完全に運営しようとフルリモートワークに切り替えた結果、生産効率が格段に落ち、オフィスへの出勤が義務付けられるというなんとも逆説的なことも起きています。

今、まさに日本国内でもあらゆる企業が半強制的にリモートワークに切り替えていますが、この記事を読んでいただいている方の中には、上の状況に陥ってる組織とそうではない組織の二つにハッキリと別れてきていることだと思います。

しかし、今の世の中にフルリモートで爆発的な生産性とエンゲージメントを誇る企業は数多と存在します。ここは向き不向きではなく、慣れとやり方の問題だと思います。弊社もフルリモートで運営されており、世界中にリソースが点在していますが、何とか上手いこと機能しています。(リモートワークの課題や解決策については数日中に別の記事にしたいと思います。)

今まで通り、組織化費用<取引費用になる業種もあると思いますが、それでも企業がオフラインでリソースを囲う理由を突き詰めていくと大義のもと集った人々を繋ぎ止める手段の一つでしかない気がします。

腐っても人間である私達の持つ熱意はすぐ冷めてしまいます。つまりは、その熱意、モチベーションを継続的に保つ為、お互いに背中を押し合う緩いが熱いコミュニティーのような箱としての機能、それに尽きるのではないでしょうか?

特にリモートワークで複数のプロジェクトに参加していると、仕事の話が増え、仕事以外の人間関係が少なからずドライになってしまうでしょう。

そう言う場合に、コミュニティーという概念が役立ってきます。

オンラインでスキルアセットとモチベーションの合う仕事をしながら地元のローカルなコミュニティーで趣味趣向の合う仲良い友達と作業をする。

そういった世界観。

いわば、心理的安全性を最大限担保する場としてコミュニティーの役割が最大限発揮されるのだと思います。

ちなみに最近こんなツイートを見かけました。

このお言葉をお借りするとまさに、これからのオフライン企業は心理的安全性を担保する為の限りなくコミュニティーに近い存在に属するサブスクにあたるのだと思います。

次にこれらを踏まえて、情報技術の普及という観点から、今出現している働き方とこれからのスタンダードについて考えていきたいと思います。

第二章

これからの働き方

情報技術の普及は、世界中に点在している個々人がオンライン上で繋がることを可能にしました。これにより、地理に縛られる働き方からの解放と会社組織からの解放が進んでいます。

その最たる例として、フリーランスがいると思います。

フリーランスは、エンジニアや、デザイナー、ライターを中心に、Youtuberなどの配信系や、営業に渡るまで幅広い職種が存在しますが、基本的に情報技術に依存した職種が多いです。

2020年現在では、日本の労働人口は6600万人、そのうちフリーランスで働いている人は1119万人にも及び、およそ日本の労働者の6人に1人がフリーランサーという計算になっています。皆さんの肌感よりもかなり多いのではないでしょうか?

フリーランスやノマド、テレワーク等の働き方が浸透して来ており、テクノロジーの普及に従って、これからもこの流れが加速するのは言うまでもないでしょう。(コロナウイルスは世界的に企業のDXを進めています。)

そんな中、今や、国を超えた人との取引や協働も当たり前になってきています。あまり知られてないかもしれませんが、僕的に最も最先端な働き方をしている人がコミットしている組織の例を簡単に2つだけ紹介させてください。(各組織がどのようにITを活用しているかの具体的な話や文化の話は別記事にします。)

1.フラッシュ型組織

人々がプロジェクトの遂行のために一時的に集結し、目的達成後には解散するという組織形態で、現にアメリカなどの国では、一部のフリーランス間で実際に現れ始めています。

2.ブロックチェーンプロジェクト

プロジェクトベースで集い世界中の人々とリソースを共有しながらオンラインでの協働を実現しています。上のフラッシュ型組織との大きな違いは、オンライン上で金銭的価値の移動を含むやり取りを可能にしている点です。よくある例は、ステーブルコインという法定通貨に担保されたデジタル通貨を使い、給料の支払い等を含む、取引を行なっています。

おまけで、僕が所属している株式会社PHI

メンバー全員が組織の経営者であり代表である、国籍を跨いだメンバーも参加しておりフルリモートでチーム運営されている。マネージャーは一切おらず、各自が進捗をオンライン上に記載していき、問題が生じた際に会議が開かれる。コミュニティーと会社の境界線が限りなく薄く、コミュニティーメンバーは社員としてではないが、PHIの社員と共に同じオンライン環境でプロジェクトにコミットしています。

こういった組織へのコミットをする働き方では、フリーランスと同様、世界中の何処にいても、安定した通信回線さえあれば働けます。あらゆる業務はオンライン上で行われ、会話はボイスチャット、会議はテレビ会議、連絡はチャットツール、飲み会は、ビデオチャットツール、進捗確認はスプレッドシート等の様々なツールを駆使し働きます。

まとめると、これからの働き方は、誰か他人を管理し、他人から管理されるのではなく、自分を徹底的に管理し他人と融和を計り、世界の何処にいてもオンラインで他人と協働する働き方がスタンダードになっていくでしょう。つまりは、”セルフマネジメント”という点に置いて”自律”し、”固定的な住所からの解放”という点に置いて”分散”していく働き方がスタンダードになるでしょう。

以上を踏まえた上でこれからの企業を再考する。

フリーランス、ノマド、リモートワーク、テレワーク、グローバルチーム、プロジェクトベース、パラレルワーク、ティール組織、ホラクラシー組織、RPA、DX、オープンソース、分散型自律組織、DAC、DAO

今後の世の中で当たり前とされる企業組織のピースは徐々にですが、確実に揃ってきていると思います。働き方が自律分散化されていく世の中では、それに従って企業組織も自律分散化していくでしょう。

そんな中でも、これからの企業は10~20年スパンで、段階を経て分散型自律組織(DAO=Decentralized Autonomus Organization)へ遷移していくと考えています。

まずはこの図をご覧ください。

図2 DAOイメージ図1 by 弊社資料

参考:https://blog.ethereum.org/2014/05/06/daos-dacs-das-and-more-an-incomplete-terminology-guide/

上の図を見てもさっぱりな方が多いと思います。

このDAOという組織は少し取っ付きにくい考え方になっていますので、まずは皆さんがイメージしやすいようにフェーズに分けて見ていきます。筆者の個人的な年数の予想も載せておきます!

Phase1(2020年〜2025年)

このフェーズでは、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)と組織の経営が見直されるフェーズになり、キーワードは”ガバナンス”と”DX”、の二つになると考えています。全ての組織がそうなると限りませんが、少なくとも業務をオンライン上で行えるような組織には必要なステップでしょう。

理由は単純で、以下の二つです。

従来企業が取り入れてきた中央集権的なガバナンスは、VUCAと言われ るような急速な変化をする今の時代において機能不全に陥りやすく、急な環境変化に対応できる新たなガバナンスが必要になっている。

VUCA=Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)

取引コストの観点から、更なる取引コストの削減を目指し、現企業はあらゆる取引のデジタル化を選択していく事が予想される。(第一章:ITが企業の組織化に与えている影響にて言及済み)

まさに、コロナウイルスはこの両方を日本企業に課題としてぶつけてきているのではないでしょうか?

オフラインのみで組織運営をしていたところは、世界的な外出規制による弊害を嫌になるぐらい受けていると思います。せめて企業の情報の管理がオンラインで出来ていれば、柔軟にテレワークに移行でき、少しは状況が変わったかもしれません。

中央集権的なガバナンスをしていたことにより、テレワークに移行した結果、リアルの場のオフィスのように管理が行き届かず、進捗や部下の行動が気になってしょうがない。何かツールを使おうにも、部下を完全には信頼できず早く現場で管理してホッとしたい。現場管理ができない上に、部下へのフィードバックは思うように出来ない。

簡単に中央集権型の組織がVUCAに対応しずらい理由を列挙しておくと、

  1. 組織内部の人材の流動性が低い→固定的な業務しかできない。
  2. 管理による組織と個人の熱量や情報の解離→指示待ち心離れ従業員量産
  3. 固定的な業務による、対応能力の低下。→アドリブに弱い

以上のようなことが原因で環境変化に柔軟に変化、対応ができていないと感じています。因みに、筆者は中央集権型の組織が決して悪いとは思っていません。安定した変化の少ない時代では、中央集権の方が簡単に統制が取れるからです。今の時代を考えて、上記のような言い方をしているのでご理解ください。

これらの問題は、対処療法的にツールを導入するだけでは決して解決出来ない深い問題です。例えるなら、大正時代の人達にiPhoneを使わせてみたら、翌日から文鎮になっていたぐらいの感覚だと思います。

要は、組織のOSのバージョンが古すぎて、導入してるツールのバージョンと整合性が取れず、フルで活用出来ていない状態です。

激動の時代には、環境の変化に柔軟に対応できる組織のガバナンスモデルが必要です。そこで、よく引き合いに出されるのが、『ティール組織』『ホラクラシー組織』と言った組織です。興味のある方はリンクで飛べるようにしてますので、是非ご覧ください!

このフェーズで目立って増加する企業は、

『自主経営型企業』と『フルリモート企業』になると思います。

自主経営は、環境の変化に柔軟に対応する為、組織内の権限を現場で動く個人に託し、個人個人の裁量で組織が運営されていきます。役職を撤廃し、役割単位で個人が動くのも特徴的です。

例えばCEOというような役職は自主経営組織では、細かな役割に分けられて考えられます。

弊社CEOの僕の場合は、以下の図のようになります。

このように役割に振り分けた上で、裁量を与え、個人が自分の意志で行動できるように、中央主権的な管理を手放しています。

ただし、ただ単に管理を手放すと組織が無秩序化しかねません。

そこで、決められた役割を基に、互いがスムーズに連携できるよう、あらゆる事項(業務、意思決定、)が標準化され文書化されています。今まで組織の暗黙の了解と言われてきたようなルール等も文書化されることで、明確に組織を理解し作業できるようになります。言わば、組織の中心にマネージャーではなくガイドラインがあり、メンバー全員が組織全体に対しての経営者であるという感じです。そこから自主経営という名前になっているのではないかと個人的に思ってます!(違ったらごめんなさい!笑)

(標準化とは.『自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化してしまうような「もの」や「事柄」を少数化、単純化、秩序化すること。』を指します。)

因みに弊社は、個人の役割と職責を明確にすること、標準化、ガイドラインができたことで組織運営がかなりスムーズに行くようになりました。

この辺はノウハウ等を綴ってシェアしようと思ってますのでよければ、mediumの方を是非フォローお願いします!

次にフルリモート企業です。

これは、第二章:これからの働き方の中で言及済みですので割愛させてください。

上記であげた二つの企業形態が緩やかに結びついていき、自主経営型のフルリモート企業がスタンダードになって行くのがこのフェーズの最終到達点だと考えています。

Phase2 (2026年~)

次にこのフェーズ2では、企業において国境という考え方が今よりも遥かに薄れていくフェーズになると考えています。現状でも世界的な企業は国を横断的に事業を展開しリソースの確保もできていますが、これからは企業の大小問わずに世界中の個人が結び付き協働がなされていくでしょう。

このように、地理的にリソースが分散していく組織をDO(decentralized organization=分散型組織)と言います。

その中でも、世界中の個人が有機的に繋がり、プロジェクト単位で形成されるDOがスタンダードになっていくでしょう。

言わば、世界規模のフラッシュ型組織です。(現に筆者を含め、この組織にコミットする働き方をしている人達も現れ始めています。特にブロックチェーン業界に見られる。)

この組織と、働き方が普及していく先に待っているのがDAOです。

まずは、DAOという言葉を聞いた事がない方の為に、以下の図を見ながら説明していきます。

図3 DAOイメージ図2 by 弊社資料

DAOを一言で説明すると、

資金繰りを含む、組織運営を自律的に回す為の明確なルールや仕組みがあり、それを機能させるために、世界中から分散的に人が参加しているオンライン上の組織』を指します。

従来の組織では、ガバナンスやマネジメント、意思決定を行う人間として管理者が代表し組織内のリソース管理、調整をしてきました。

しかしDAOにおいては、特定の管理者や主体を持たない分散型の組織(DO)で、組織内の階層構造もなく、構成員一人一人によって自律的に運営されているのが特徴です。

DAOには管理者がいないため、組織としてのあらゆる意思決定や実行、ガバナンスは構成員の合意によりあらかじめ定められたルールに従って執行されます。このルールには、組織のコンセプトやガバナンスルールを概念と文章だけでなく、運営を自動化するためにブロックチェーンなどの様々なテクノロジーを用いてインセンティブ制度や個人が不正できない仕組みが盛り込まれています。

今回はBitcoinを例に簡単に説明していきます。

ビットコインには発行主体も管理者も存在しませんが、ブロックチェーン という技術が根幹にあり、この技術が、管理者がいなくとも、参加者が匿名の状態でも、不正が起きないような仕組みを担保しています。この技術を発案したSatoshi Nakamotoの論文が組織のガイドラインとして機能したため、10年もの間一度も止まることなくオンライン上で非中央集権的に、開発者、マイナー、ユーザー、コミュニティー、が自律的に協働し合い、組織の方向性なども選択し、そのエコシステムを今日まで稼働させてきました。

DAOはあらゆる取引や契約をあらかじめ決められた契約プロトコル(Satoshi Nakamotoの論文がいい例)に従って機械的に処理します。

IoTやAI等の技術との親和性も非常に高くあらゆる組織を管理者不在の状態で自律化できる考え方として期待されています。

以下例です。

IBMでは、ブロックチェーンを利用したスマートコントラクトをIoTプラットフォームに適用することで、DAOの実現を検証するADEPT(Autonomous Decentralized Peer-toPeer Telemetry)という概念を提唱しています。IBMとSamgungはこの概念の実証のために、スマートコントラクトをIoTデバイスである洗濯機に適用する研究を行い、洗濯機が自律分散型になった際に可能となる事実を実証しました。その結果、ADEPTでは①故障時の修理対応②洗濯洗剤の自動発注、などを洗濯機のオーナーなしで実施することが可能だとされています

引用元:https://hedge.guide/cryptocurrency/ethereum/mechanism/dao

参照元Empowering the edge

DAOに関してはここまでにします。

質問ある方は、最後にTwitterのID貼っておくのでDMください!

Phase3(2xxx年~)

これから先の組織はSFの領域に入っていきますので簡単に妄想だけを話します。DAOの次に待っているのが、AIによる自律型組織です。

DAOの周りを支えていた人間が、機械や人工知能に取って代わります。

これは、今まで普通とされてきた面倒なことを人間が一切しなくても良く(例えば、アナログに行われてきた納税や、給与支払い、主に士業を必要する作業。)、そのため現段階ではプログラムや機械が取って代われない創造的な仕事に集中できる。例えば、雑務と言われるもの全般を除いたクリエイティブな仕事です。

このフェーズでは、これから訪れるであろう人間が企業活動をしなくてもいい世界の組織(AIによる自律運転組織)へと遷移してくでしょう。

正直このレベルの社会システムは想像もつきません。

好きな世界観のアニメはあったりしますが。。。(PSYCHO-PASS)

この考え方を追求していくと、地球のエコシステムのメカニズムの解析、更には、太陽系の解析など我々が所属している世の中のプロトコルと何故我々が存在しているかまでを突き詰めれるかもしれません。(地球をコーディング出来れば、人間をコーディングできれば、それは人類史上最大の革命だと思います。)

これからの組織が人類の為にあるように世界を創っていきたいですね。

最後に

これから生まれてくる子供たちはラッキーだと思う。

仕事という観点で言えば。

これから会社を建てる人がいるならなおさらその人はすごくラッキーだ。

なぜなら、今存在している世の中の企業のようにRPAやDXと言うようにあらゆる取引に関するワークフローをアナログからデジタル化しなくていいからだ。

なぜなら、組織の生産性やエンゲージメントを下げる理由がコミュニケーションだけになり、理不尽や非効率、不合理からの解放がされるからだ。

デフォルトでDXが完了している状態でプロジェクトを進めることができ、あなたの都合に応じてそのプロジェクトを法人化できてしまったりできるのだから。

そう、我々のプロジェクトによって。

我々のプロジェクトは、先述してきたフェーズを経てDAOの世界観を目指していきます。

その第一弾として、

GUILD : Digital Governance Layer for Organization

を掲げ日本国内においては、

企業のDXを円滑に進める為に企業のガバナンスレイヤーのDXを簡単にできるプロダクトを開発しています。現在プロトタイプを42プロジェクトと共に実証実験中。(β版事前登録、近日公開予定)

更にそれと並行して、

IOSTというブロックチェーンプラットフォーム上の世界中に点在するコミュ二ティーの更なる自律分散化と、オンライン上でチーム組成から、資金調達、給料の支払いまで、働くことに関するワークフローをブロックチェーンを使い、運用する社会実験を行なっています。(興味ある方は、こちらをどうぞ)

21世期に求められる、働くのインフラを創る。

我々は21世紀の働き方をこう定義しています。

地球上のあらゆるリソースが、ミスマッチなくスムーズに繋がりオンライン上で協働でき、その人本来の価値や功績が生きた証としてブロックチェーンに刻まれ、後世にあなたの意思を受け継げる働き方

皆さんと手を取り合いながら、世界の働くを少しずつ、だけど着実に働きやすいものにしていければと思います。

我々と共に、このムーブメントを進めてくれる方は、是非SNSで#GUILD #21世期の働き方を とタグをつけてこの記事をシェアをして戴けると嬉しいです。 絶対に反応します。

プロジェクト・筆者プロフィールはこちら

弊社主催の組織や働き方を再考するコミュニティー・イベントはこちら

--

--