メンバー、来る者拒まずはNG

起業メンバーの話

スタートアップにおいて、一番大事な資源のひとつは”人”です。

通常は何もないところからスタートしていくのですから、まだ事業も組織もお金も会社も何もない。まさにゼロ、無の状態から新しい事業を生んでいくのは人しかいませんから、一にも二にも”人”は重要になってきます。

一つ僕の失敗談をお話します。
まだ起業経験も何もない頃、私はビジネススクールで出会った友人と一緒に起業することに決めました。思い立ってから、すぐに連絡をして遠くまでお会いしに行き、話を持ち掛けました。するとすぐ話はまとまり、一緒にやろうということに。

この後、実際に動き始め、サービスもせっせと作り始めたわけですが、結論から言うと、サービスリリースを待たずしてこの事業はポシャりました。

原因は、「人」です。

当初、代表の彼と僕の二人が中心メンバーで、その後4人までトントン拍子でメンバーが増えていきました。非常に優秀な方々で、ものすごく頼もしい方々。
幸いなことに、別に喧嘩をしたわけではありませんでした。すごく良い人達ばかりで、気持ちの良い方々。彼らのことは、いまでも好きです。

ただ、いかんせん「タイプ」が違いすぎた。
ざっくりと言うと、僕がイケイケガンガン型で、とにかくやっちゃおうぜというタイプだったのに対して、もう片方の方は、慎重型で、リスクを考慮して徹底的に減らしながら進めていくタイプ。もちろん、事業にはどっちも必要なんだけど、両者のベクトルがあまりにかけ離れていた。
それに加え、皆さん(僕以外は全員社会人)働きながらでの挑戦だったという状況もあまり良くなかった。
力不足で、どうしてもうまく統率していく手段が見つからず結局終わってしまった。

ここから何が言えるかというと、
特にスタートアップ当初は「人がすべて」ということ。
ここで、コケると事業は死ぬ。
あたりまえだけど、大事な話。

こんなのは、起業経験者の方にとっては何度もよく聞くあるある話だ。
僕も話には聞いていたが全然理解していなかったというわけ。

ちなみに、企業が大きくなった後もこれは変わらない。最近有名な所で言うと、クックパッドさん。創業者と現社長との間で、考え方が真っ向対立して、だいぶ株価が落ちた。まあ、それで潰れるということはないんだけども。

具体的に重要な要素も幾つか挙げておこうと思う。

◆VISION(向かう方向)が共有できるかどうか

起業において、Visionが重要ですよという話は他の記事で書いた。この

「Visionを本当に共有できるのかどうか」

これが、一番最初にふるいにかけるべき網だと思う。
お金をガンガン稼ぎたいのか、とにかくおもしろいことをしたいのか、上場企業をつくりたいのか、どうしても実現したい想いがあるのか・・・

目指す方向は様々あるが、経営メンバーが、この価値観を共有できていなかったら、きっと何をしても無駄だと思う。
行き先が全然違う方向を見ている人を船に乗せると大変なことになる。
お互いにとって良くないし、あらゆる判断においてズレが生じてくるわけだ。まず最初に、相手の価値観を感じ取りVisionを共有できるのかどうかを見極める必要がある。

◆メンバーの多様性はぶっちゃけそんなにいらない

これは、まさに私の失敗談から言えること。
いろんな考え方や、能力の方がいるほうがなんとなく良いスタートアップなんじゃね?というように思われるかもしれないが、ハッキリ言って多様性は邪魔になることが多い。

別に自分がやりたいように出来ないから、という理由ではない。なんの邪魔をするのかといえば、時間、つまり、”スピード”だ。
どんなに良いと思える(もしくは、周りから言われる)事業であったとしても、結果は、実際にサービスを世の中に出してみないと何もわからない。結局は、お客さんに聞くしかないわけだ。
そうなると、早く作って、早く出して、早く失敗した方がどう考えても強い。潤沢な資金がなく、力技も使えないのだから、”スピード”を絶対に犠牲にすべきではない。だから、スピードを落としてしまう多様性なんか、切り捨てても構わないということ。

◆柔軟性をもっているかどうか

これも、ひとつ上の項目にも大いにつながる話だが、言わずもがな柔軟性のない人はスピードを落とすので、スタートアップに於いてはマイナスだと考えている。
では、自分の意見をガンとして貫き通す天才(例えばスティーブジョブみたいな)はどうなんだ、という声も聞こえてきそうだが、そんな人はまずいない。というか、万が一いたとしても、既に自分で何かしらやっている。イケてないベンチャーに、そんなスーパー人材がノコノコやってくる確率はまずない。

◆スキルは、そんなに関係ないのでは?

これは、自分を擁護する内容にもなってしまいそうで恐縮だがw、僕はそう考えている。というのも、僕は今の所これと言って専門的なスキルと呼べるものを持っていないぺーぺーだ。しかし、とんでもない成長意欲だけは持ち合わせている。つまり、なんでも学んでいけるわけだ。
人よりも、何倍、何十倍ものスピードで勉強していけば良いだけの話。なんせスタートアップなんて、刻々と変わっていく環境下でサバイバルするわけなので、必要なスキルなんて次々に変わる。あらゆる分野を効率的に学ぶスキルが最強なのでは?と考えている。

一方で触れておきたいのは、もちろん、スペシャリストと呼ばれるような専門スキルを持った人が来てくれると、一気に事業の可能性は広がるし、外からの見栄えもよくなる。ただし、上述したように良い人がノコノコとやってくることはありえない。
こういった人を惹きつけるには、(おそらく払うほどのお金はないはずなので)別の何か、魅力で惹きつけるしかない。それらは、経営者の想いであったり、突き抜けたVisionであったり、画期的な構想や、テクノロジー、ビジネスモデルであったり。そうやって、うまく騙して引き込んでいくしかない。

以上、何点かつらつらと述べたが、
とにかく、スタートアップは「人がすべて」。
メンバー、来るもの拒まずはダメだということである。