リーンキャンバスのすすめ

石川 大貴
THINK YOUR OWN HAPPINESS
5 min readOct 7, 2016

事業計画書をどうやって作ったらよいのか。

起業をしようと思う人がまず悩むことかもしれません。僕も何十ページの事業計画書を書いたことがありますが、そもそもそれは作る必要があるのでしょうか???

結論を言うと、ぼくは事業を経験してみて気づいたのは、始める前にそのような事業計画書をつくる必要性はないということです。なぜなら、スタートアップでは計画通りにいく事業など万に一つも存在しないからです。

事業計画というのは、あくまで設計図でしかありません。どれだけ調べても、どれだけ考えても、すべての要素が想定通りにハマることなど絶対にありえません。計画は単なる都合のよい夢物語でしかありません。むしろ想定通りにいかないことだらけです。実際、スタートアップは99.9%失敗します。それが起業というものです。

事業計画書を考えること自体は、「勉強になる」という意味ではやる意味があると思います。しかし、一番勉強になるのはやはり実際にやりながら失敗したときです。

例えば・・・
いつも念入りに整えてから決断する性格のシンチョー君と、とにかく思いついたらすぐ行動する性格のダイタン君がいるとします。シンチョー君は、市場の状況を念入りに情報を集めながら、A案からE案まで幅の広いアイデアを練っています。その間にダイタン君は、すぐにA案を実行に移し、そして失敗しました。

この時点で、確実に前にすすんでいるのは後者のダイタン君の方です。なぜなら、彼は「A案は失敗だ」ということがすでに分かっているからです。次は、どこで失敗したのか?その経験を元に、より良質なB案を試すことでしょう。これを繰り返していけばいずれ正解に辿り着く可能性は高くなります。一方で、究極的な話、シンチョー君がどれだけ細かく調べ尽くして、たとえZ案まですべて考え抜いたとしても、どれが正解か明らかになることは100%ありません。

スタートアップで一番重要な資源は”時間”です。その理由は、”学ぶSPEEDをどれだけあげていけるのか”、成功するかどうかはこれにかかっているからです。

その中で、事業計画作成にこの大事な資源(時間)を使いすぎるのは得策とはいえないでしょう。僕は、失敗したと思っています。勉強したこと自体は無駄にはなりませんが、事業計画の勉強に割いていた時間はかなりもったいなかったなと後悔しています。

以上を前提に、ひとつオススメのフレームワークをご紹介します。

それは、「リーンキャンバス」というものです。
(図自体は、グーグル検索でたくさん出てきます)

これは非常に重宝するツールです。スタートアップを目指す方はぜひ今すぐにでも実際に使ってみることをオススメします。

使い方はとても簡単です。

ただ上の表を埋めていく。これだけです。
ただし、2点だけ守ってほしいルールがあります。
・順番は必ず守る
・時間制限を設けてやる(目安30分)

これを守って、ただ表を埋めるだけです。もし埋まらなければ空欄でも構いません。とにかく短時間で完成させます。この1枚で一つのビジネスモデルが完成することになります。

特徴を説明すると、
このリーンキャンバスというは、いわゆる一般的にイメージされるような事業計画書の類とは真逆の発想になります。
そもそもこれは「未完成で良い」という発想からスタートします。繰り返になりますが、起業には不確実なことしかありません。実際に走りながら、検証を高速で繰り返す。仮説を立てては、検証し、学びを得る。また次の仮説を立てては、検証し、学びを得る。そうしてグルグルグルグルと常にこの図をアップデートさせていく。最初に一生懸命作って終わりではなく、これはずっと続いていく直線になります。いわば、生き物のようなものです。最終的に良いビジネスモデルに辿り着ければ成功というわけです。

もちろん、戦略を熟考せずにやみくもに動き続ければ成功するということではありません。収支計画や競合分析などを考えていくことも必要です。ただ、始める時点では、これで十分です。従来のカッチリした事業計画を作ることは、むしろ害にすらなりえます。

これもやってみなければ実感は湧きません。
短時間でできてとても面白いものですので、ぜひいくつも考えて作ってみてください。

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