本当に美味しい店を食いしん坊のために」Alumni Story | 株式会社GINKAN 代表取締役 神谷知愛氏

Yue Yamamoto
Plug and Play Japan Blog
23 min readJan 16, 2020

Interviewer: Yue Yamamoto, Plug and Play Japan Community Manager

Photo: Ryo Okube, Plug and Play Japan

INTERVIEWEE

Plug and Play Japan Batch 1 Fintech Startup 株式会社GINKAN http://ginkan.jp/

https://synchrolife.org/index_jp.html

Interview with 代表取締役 神谷知愛氏 (twitter:@gilmg210)

GINKAN Tomochika Kamiya

本当に美味しい店を食いしん坊のために

神谷:株式会社GINKANという会社なんですけども、もともと作った目的が、日本のスタートアップとしてグローバルなサービス、事業にチャレンジするというものです。僕が2回目の起業ということもあり、1回目は10年間ドメスティックなベンチャーでやってたのですが、1回目の会社をEXITした後に、2回目はグローバルで社会貢献できる、僕らは飲食業界 ー更には、アジアの外食産業市場で、起業家人生を懸けていこうと立ち上げている会社です。1回目は飲食向けのマーケティング支援です。販促のCRMのシステムを日本の飲食店にサービス提供していて、東京と名古屋拠点で、10年間B向けのサービスをしていました。

前身の会社で10年間やっていく中で気がついたのが、デジタルマーケティングの成長と進化のおかげで、このままいくと日本の食文化は腐敗するんじゃないかっていうことを感じていて。そんな思いで、2回目に起業して創業する時は、食の革命っていう、飲食業界のディスラプトができることに日本の会社として取り組んで、グローバルにチャレンジしようっていうのを決めてスタートしました。

大きく言うと、SNSというサービス✖️トークンエコノミーっていうブロックチェーンを活用した2つの要素を使って、飲食店とユーザーが共存できるような、世界基準のプラットフォームを構築しようというミッションに取り組んでいます。

SynchroLife

今は技術的には新しい領域ということで、Fintechの領域においてもすごくご注目いただいているのですが、基本的には食いしん坊向けのサービスなんですね。

簡単にいうと、お店にいって、まずくてキレそうになったことありませんか?

僕自身そういう経験が過去にあってですね。口コミサイトで出てくる評価が高い店とか、Google検索して美味しいと出てくる店に行って、まずくて、キレたという経験が何度もあって、なんでコスパの見合っていない店に人々がたどり着いてしまうのかと考えたところ、すごくシンプルにネットで調べたら「そこが出てくるから」なんですね。そういうwebマーケティングの世界は、SEOだったりとか、Google検索からの、webマーケティングでネット上に出てきてしまうという。

それに対して、本当に美味しい店っていうのを知る機会がなかなか少なくて、魅せ方がうまい店をみんなが味がうまい店と勘違いするようになってしまうと。

そういった怒りから僕らの事業は始まっています。もう少し言うと、85~86万店舗日本に飲食店があって、世界ではもっとある中で、僕が今38歳で、昼と夜の食事回数を80歳までカウントすると残りの人生で外食できる回数って3万回しか残っていないって気がついて。

だからキレてる場合じゃなくて、80万店舗以上も店あるのに、3万回しか機会がないとするなら、できるだけ多くの世の中にある美味しいお店に行って、楽しい体験をしてから死にたいなと。そうなるとやるべきことは一つで、食の革命をやらなきゃいけないということに気づいて、SynchroLife(シンクロライフ)というサービスをやっているという感じです。

起業家人生

Yue: 38歳の時点で既に10年間食関係の事業をやっていたということですが、いつ起業したんですか?

神谷: 19歳で個人事業をスタートして、23歳で1社目のスタートアップです。

Yue: もともと起業家精神があったんですか?

神谷: 英才教育で、母の父親、僕のおじいちゃんが、全然畑は違うんですが会社経営をしていて。一方でうちの親父はサラリーマンなんですね。母親が小さい頃から、おじいちゃんみたいになりたいか、お父さんみたいになりたいかどっちがいい?ってひたすら自分に聞いてくることがあって、おじいちゃんの方が自由で楽しそうで旅行行ったりしていて。親父はもう朝5時とかに起きて、9~10時に寝るというすごい真面目な人なんですよ。

それで、僕がおじいちゃんみたいになるためには自分が起業して、社会に貢献する事業をやるモノだと思って生きてきたので、中学校くらいからそれ以外の選択肢はなくて、あまり就職するか迷ったこととかもなければ、就活したこともないので、ちょっとやっぱり洗脳ですね、母親の(笑)

小学校四年の時におじいちゃんは亡くなっちゃったんですけど、もうそれまでの期間いろんな刺激とか、美味しいもの沢山食べさせてもらって、旅行も沢山連れてってもらって、だから今の僕が出来上がっているっていうのは、おじいちゃんのおかげなんですよね。そしてお父さんからは何事に真面目に誠実にやり続ければ結果はでる、ということを学びました。起業後は大企業の経営やマネージメントについても学びました。

GINKAN4年間の成長

Yue: GINKANは今何年目ですか?

神谷:GINKANは11月で5年目を迎えました。丸4年経過したという感じですね。

Yue: 会社の社員は何名いらっしゃるんですか?

神谷: 今は13名です。

エンジニアが5名いて、プラスUI UXのディレクターが1名いて、残りは飲食店の開拓をしている人、アプリの販促、企画、マーケティングをしている人がいるみたいな感じですね。

Yue: そういえば、GINKANの名前の由来は?

神谷: GINKANは将棋の戦法の名前なんですよ。銀冠ていう。これ将棋わかれば、みんな反応してくれるんですが、将棋って戦争ゲームで、攻めの戦法と守りの戦法があって、守りの戦法の最終形態が、銀冠ていう形なんです。この銀冠というのは集大成であり最終形態なので、攻めも守りもできるんです。

僕と一緒に起業したCTOの三田も、二人ともシリアルアントレプレナーなんですよ。なので、自分たちの集大成として、やろうという思いを込めていたりして。若くはないけど、今までの集大成としていろんな物を注いでチャレンジしようというのが、スタートですね。

Yue: 4年経って、今、シェアいただける具体的な結果などありますか?

神谷: 今食いしん坊等を集めて、いわゆる”飲食店の炙り出し”をSNSを使ってやっているんですが、炙り出すレビューが20万件になっています。そして、10万店舗以上が、ユーザーが作った情報が閲覧できるようになっています。SynchroLifeのユーザーの食事の流動総額(飲食店でユーザーが使った金額の総額)が月間6000万くらいですね。

加盟店制度なんですが、サービスをローンチしてから3ヶ月で、150~160店舗くらいまで店舗が増えています。

今3000店舗以上が導入検討していただいていて、加盟店がすごく伸びてきているのを実感しています。焼肉屋のふたごさんとかJA全農グループのぴゅあさんとか本当に美味しいお店が多くて、飲食店側も応援してくれているような感じはありますね。

GINKAN Tomochika Kamiya during an interview by Plug and Play Japan

Yue: 最初はご自身が営業に入っていたんですか?

神谷: そうですね。一番最初のPOC導入が、東急プラザ銀座の21店舗なんですが、僕が最初に営業するところから始まっています。今は1人営業がいるんですが、ほとんど100件以上はその営業マンが積み上げています。最近営業3人になったんです。 実はうちの営業は誰でも取れるって言われていて。「飲食店行くじゃないですか、月額初期0です、来た人が使ったお金の5%を広告費でください、それで空席埋まります、食べログでやっててもまだ空席あるんだったらやりましょう」というのが、うちの営業なんですよ。だから、前払いでお金をもらうというのがないので、飲食業界の慣習を考えると今までと真逆のビジネスモデルなんですね。

ネットで契約申し込みがお店側からあったりとか、そういうのも今増えてるので、営業コストをほぼ0にするっていうのが、今回のミッションです。なぜかというと、前にやっていたビジネスは、”月額2万円”という形で飲食店に営業していたんですよ。だから、お客さんが増えようが、利益が上ろうが、月額2万円もらうというビジネスだったんですね。でもこれは結構営業ハードル高くて、且、全部の飲食店がうまく行くわけではないし、本当にリスクを飲食店に押し付けなくてはいけないというのが、あったんですけど、今回はそこを無くして、0にしたというようなコンセプトですね。

Yue: 飲食店ビジネスって難しいって聞きますが、飲食業界でビジネスをやる上で実際どんな状況なんでしょうか?

神谷: 飲食業界って特殊で、飲食でビジネスをやったことがない人にとっては相当ハードルが高いんですよ。普通の企業に営業に行くのと、飲食店に営業に行くのって、全く営業の考え方も違ければ、求められることも違うんですね。だから、僕は飲食業界で10年やってきたので、抵抗は無いんですが、やっぱり決済サービスとか、サブスクランチとか、いろいろな飲食向けの新しいものができていくのを見ていると、飲食業界での経験が無いと、営業は想像以上に大変だと思っています。アクセラレータ業界も、アクセラレータ業界にいないと分からないじゃ無いですか。それと同じですね。

Yue: そうなんですね。日本からの海外進出は考えていますか?

神谷: 国で言うと現在、4言語でサービスを展開していて、利用できる国も155か国で利用できるようになっています。アメリカでも、アジアでも、いろんなところで美味しいお店を見つけたら、SynchroLifeに投稿することができて、それが日本みたいに集合体になると、美味しいもの食べたい人たちが、参考にしていくことができるという構想です。今投稿があるのは47か国。特にアジア圏での利用が一番多くて、多いところで言うと、シンガポール、台湾、香港とかその辺と、あと韓国ですかね。

Plug and Play Japanとの出会い

Yue: Plug and Playプログラムに参加したのは、いつごろですか?アクセラレータはPlug and Play以前にも採択されたことがありましたか?

神谷: プログラムは会社設立3年目で入りました。そもそもアクセラレータをあまり知らなくて、Plug and Play はすごい偶然で、うちのco-founder取締役が矢澤さん(*立ち上げメンバー。現在は退社しています)のことを知っていたんです。

2018年1月にたまたま僕が、Plug and Play Shibuyaで、Bridgeさん主催のブロックチェーンのイベントで登壇させていただいたんですが、その時に矢澤さんがPlug and Playの説明をしていて、色々と話を聞いてグローバルチャレンジを僕らはテーマに掲げていたので、なんか面白そうだなと思って、応募してみようとなり、応募しました。

Yue: そして、アクセラレータはあまり知らなかったけど、受かってしまった、と?

神谷: 2次選考がピッチだったので、その時に色々とHPなどを見て、Plug and Playに関してもっと調べ始めて、ダメ元で、この会社でこれやりたいと言うのを作って、ピッチしたんですね。基本僕のピッチは、そのピッチを誰が聞いているか、ということを考えてしています。

その時も、こういう企業の人が聞いてくれるなら、もし目に留まれば嬉しいなと。ピッチの中ではパートナー企業であるMUFGさんをターゲットにして僕らがやりたいことを説明しました。実はMUFGさんとの出会いはそこなんですね。そしてそのピッチを聞いてくれた東急不動産の伊藤さんが終わった瞬間に声かけてくれて、これうちとなんかできないかなという感じで、それが全てですね。

*選考会では複数のパートナー企業が参加し、ピッチを聞きます。

Tomochika Kamiya at Plug and Play Japan EXPO
Plug and Play Japan Batch 1 EXPOでのピッチ

Yue: 連携の話が進んだのは選考中だったんですね?

神谷: そうですね。僕らが採択決まる前から、東急不動産の伊藤さんから声かけてもらって。正直、東急不動産と何ができるのかまだ明確には分からないのに「一緒にやろう」って言ってくれるなんて想像していませんでした。

サービスは開始していたのでユーザーはいましたが、飲食店と何かを一緒にやったことが一度もなかったんですよ。だから、商業施設と何かをやるというイメージがまだなくて。ただ、伊藤さんが、担当の方にすぐ繋げてくださったんです。それでプレゼンしに行くんですが、その時には「実は1年後にこういうサービスをリリースしようと考えていて『まだできてないけど前倒しで作るので、これ作ったら東急プラザでPOCをやりませんか?』と提案しました。そうしたら「すごい面白い!」と言ってくれたんです。しかも数日後にすぐ東急プラザ銀座に連れて行ってくれて、現地の担当者とも打ち合わせを設定してもらえました。

打ち合わせから会社に戻って、「開発を半年以上前倒して、2ヶ月で作ろう!」とみんなに言いました。飲食店向けのサービスはもう少し先の予定だったんですが、2ヶ月で開発してPOCのキャンペーンをDemo Day(プログラムの成果発表会)の前にやりたいって思ってしまったんです。だからそれまでにローンチして、POCをやる必要があって、3ヶ月でやりきらないと!と考えて、そのためには2ヶ月で開発しないと!となるわけです。そこからは地獄の3ヶ月でしたね。

Yue: キャンペーンは1ヶ月間のものだったんですか?

神谷: 僕らの提供する飲食店向けのアプリって、飲食店の方が自分のスマホとインターネットがあれば、簡単に使えるようになっていています。例えば、「お客様が5人で1万円使いました」と登録するとQRコードが出てきて、仮想通貨がもらえるという仕組みなんです。

・・・・・というのをすごく簡単そうに言ってますけど、今でこそこんなデザインされた綺麗なアプリになっていますが、2ヶ月という限られた時間の中で、”とにかくQRコードを取得して仮想通貨を付与する”という仕組みづくりを優先で作りました。21店舗の飲食店に、オペレーションマニュアルを作って、1店舗ずつ回って説明をしていきました。スマホがないと言われたら、僕らからスマホを貸すということまでやっていました。そしてなんとか、21店舗全店が「やる」と言ってくださいました。そして無事POCはじめることをDemo Dayで発表して、Demo Dayの後にPOCスタートすることができました。

Batch 1 Demo Day — Fintech 国内部門 優勝

Yue: 実際POCが始まってからはどのようにユーザーは使っていましたか?

神谷: 僕らの”食事代金から仮想通貨を還元する”という仕組みは、実は世界初の試みで、前例がありません。そのため、ブロックチェーン業界からはもちろん、様々なところから注目してもらってメディアにもたくさん取り上げもらいました。いまだに東急不動産さんにはもう足を向けて寝られないです。

Yue: 実際のPOCはどのような結果だったんですか?

神谷: POCは大成功ですね。問題は1件も起きず、多くのユーザーが東急プラザ行ってご飯食べてくれました。また、既存のユーザー以外にも”仮想通貨が貯まるって面白い”と言って、お店に行ってくれた人もいました。想定以上の結果でした。そのトラクションデータを元にして、僕らは正式なサービスリリースに向けて準備しはじめて、今年の7月についにサービスをローンチしました。

POC後は一回営業を止めていたのですが、ヒアリングは続けていて、最近営業を再開しました。東急プラザにもヒアリングに何度も通い、何が使いづらくて、何がよくなかったとか、などを聞いて回りました。担当者の方々にもヒアリングにご協力いただき、正式版のリリースまでにヒアリングで出た全ての課題を解決してしてリリースができました。

東急プラザさんのご協力は本当にありがたくて、一方でまだ”仮想通貨”のイメージが定着していないため、リリースには細心の注意を払いました。そこが難しかったですね。

Yue: プログラム中はそのPOCにフォーカスしていたのでしょうか?

神谷: いえ。MUFGさんともプログラム期間中に色々と話をして、そこでは形にはならなかったんですけど、引き続き意見交換をさせていただきました。それもあってMUFGさんのアクセラレーションプログラムに応募して採択頂きました。

その出会いもPlug and Playだったので、すごく縁を感じています。しかもグランプリ取らせていただいたので、先週もシンガポールでMUFGさんのFintechフェスティバルで登壇させてもらったりといい機会になりました。

Yue: その登壇イベント、気になります。

神谷: めちゃめちゃよかったですね。MUFGさんの方とディスカッションをするのですが、僕からは事業の紹介を、MUFGさんは実際にアクセラレーションプログラムでの実績はどうだったのかとかなり突っ込んで聞かれました。日本よりもシンガポールなどアジア圏の方が、”食事して何かもらえる”というのが好きな国らしくて、僕らもアジアで展開し始める段階だったので、いろんな国の話を聞けて事業展開のイメージが具体化しました。

日本から世界へ

Yue: その前にはPlug and Playとシリコンバレーにも行ってますよね?

神谷: シリコンバレーは僕の英語初ピッチで、人生で一番緊張しました。

僕は英語も独学でそんなに海外経験もありません。英語ピッチは初めてだし、日本の企業や投資家向けだと、日本の話がほとんどですが、シリコンバレーってなった時に、世界でどう事業がスケールするかとかが、当然ピッチもカスタマイズしないといけないところもあり準備は大変でした。

実際にやってみて思ったのがアメリカのフレンドリーさです。聞いてくれてる人のリアクションがフレンドリーなんですよね。日本だとシーンってなる瞬間があって、聞いているのかなと不安になるんですがアメリカはもっとポジティブにみんな受け入れてくれる印象がありました。

でも正直なところ、緊張してあまりピッチはうまくできなかったんですよね。自分の中では30点くらいのピッチで、すごい凹みました。自分が時間内に思う通りに喋って、伝えて、と言うことができないというのがこんなに悔しいなんて、と思い知りました。その後、英語ピッチを2回経験しました。1回は電通さん。アクセラレーションプログラムに採択いただいていて、電通さんの中でのあるイベントでの英語ピッチで登壇しました。もう一つは先週のシンガポールです。実はめちゃくちゃ上手くできました。自分で言うのも何ですが、完璧にできたと自負しています。

人ってやっぱり環境に左右されると思っています。シリコンバレーのPlug and Playに行ってピッチしてみたら、良いところと、ダメなところがわかったんです。悔しいじゃないですか。で、次はもっと頑張ろう!と。

僕はたまたま次の英語でのピッチ機会が2つあったので、これはやばいと思って、準備して、調整して、事業説明を上手くできるようにたくさん練習しました。機会がないと、いつかやろうってなってもやらないんですよね。本当に良い機会でした。

GINKAN at Plug and Play HQ
シリコンバレーPlug and Play本社でのピッチ直後

Yue: Plug and Play Japan本社ではいい出会いはありましたか?

神谷: スタートアップとは何社か話をしました。

でも一番のポイントは、Plug and Playの本社の環境ですね。こんなにいろんな会社が出入りしていて、こういう文化が昔から根付いているというのがすごい。

日本にいるとアクセラレータってまだマイナーなイメージがあるのですが、海外ってエコシステムが完成されていて、僕の出たFriday Pitch(Plug and Playシリコンバレー本社で毎週金曜日に実施しているピッチイベント)でも、25~30社もスタートアップが登壇して、さらにそれを毎週やってるって聞いて、まずそんなにスタートアップがいること自体すごいな!と。

そこに大企業がオーディエンスとしていて、いろんな新しいものが生まれていくといのがすごい刺激になりました。

Yue: プログラムがあって、POCやってて、新サービスをローンチして、シリコンバレーに行って、その間にもいろいろなアクセラレーションプログラムに参加されていたわけですね?

神谷: アクセラレーターとの関わりはPlug and Play から始まって、MUFGデジタルアクセラレータ、電通GRASSHOPPERと採択していただいていて、今3つ目なんですよ。なので、自分たちがそのフェーズで必要なところに、身をおかせていただいている環境に感謝しています。最初から、MUFGさんのアクセラレーションプログラム行ってたら、多分、三菱UFJニコスさんとの取り組みってできなくて。

Plug and Playのいいところって、いっぱい(パートナー)企業がいるところだと思います。だから、たくさん話しをて、可能性を見いだせる環境があるのは大事ですね。

自分たちのサービスがどことやれるかと言うのは、企業に実際に当ててみて、分かると言うところがあって。東急不動産さんもそうでしたけど、プレゼンの協業イメージにも入れていなかったところと、こんなにもビジネスモデルの核になるPOCができたと言うのは、すごい発見でした。あと農林中金さんも、Plug and Playのプログラムで出会って、今年4月にFIBC 2019というFintechピッチイベントで、農林中金賞をもらいました。実は農林中金さんともPlug and Play終わったぐらいから結構いろいろな話をし始めたんですね。

受賞いただいたのもあり、最近僕らの飲食店向けのサービスを、JA全農グループでやってる飲食店で使えないかという話にも繋がり、JA全農グループの焼肉ぴゅあという焼肉屋にプレゼンさせてもらって、全店舗やるというお話に。JA全農グループの焼肉ぴゅあには今月から6店舗入っていただきました。

Tomochika Kamiya GINKAN

Yue: いろいろなアクセラレータに採択され、受賞し、波に乗ってますね!

神谷: アクセラレーションプログラムの間にファイナンスもやっているので、本当に2019年は一瞬で終わりました。

Plug and Play Japanは僕らにとって転機でしたし、POCは自信につながりました。他のスタートアップ絶対Plug and Play Japan のアクセラレーションプログラムに参加すればいいのになって思いますね。

これからのビジョン

Yue: これからのGINKANのビジョンはありますか?

神谷: 事業としては、賛同してくれる飲食加盟店を、日本を中心にアジアで集めると言うところですね。どこの飲食店に行っても、暗号通貨が貯まる世界を作っていきたいです。これは飲食業界のマーケティング課題の解決にも繋がっています。

特に2020年は、ユーザーが1分で美味しいお店が見つけられるようにするために、今の、食いしん坊たちがレビュー投稿するというのを沢山集めて、沢山美味しいお店が出てくるようにしていく、いわゆるPMFを達成できるようにというのを目標にしています。

僕らの将来的なビジョンは、貯まった暗号通貨ウォレットから、あらゆる体験への交換や支払い手段として使うことを実現できる社会です。これは結構Fintech領域だと思っていて、引き続きクレジットカード会社さんなどと協業を進めていく1年になるかなと思っています。

Yue: 2020年度、注力していきたい点はありますか?

神谷: サービス自体の仕組みはできているので、飲食店に寄り添って、付加価値を付けていきたいです。そしてユーザー側のマーケティングにもっと力をいれていきたいですね。電通さんのアクセラレーションプログラムに参加させていただいているのもそれが理由です。

グルメをアップデートすると言うのがテーマなのですが、日本には食べログいう多くの人が使っているサービスがありますが、”ディスラプトする”というのはその市場をひっくり返しにいくことだと思っています。僕がイメージしているのは、mixiをみんなが使ってた時に、Facebookが出てきて、誰も使っていないから日本で流行らないだろうと言われていたら、今や全てFacebookにディスラプトされた、という話と同じ世界です。

日本でみんなガラケーを使ってて、特に困ってはいなかったのに、iPhone入ってきた時に、誰もこんな使いづらいものは使わないと言われていたら、今ほとんどの人がスマホを使っているじゃないですか。

だからディスラプトって基本最初は誰も信じないし、絶対にこれに変わるって誰も思わないものがディスラプトしていくものだと思っています。。みんなが最初からいいねいいねって言ってくれるものは、多くは広がらないんですよね。

この1年はその土台づくりというか、ユーザーのうちの強烈な一部、そうですね1万人くらいを革命の賛同者としていきたいなと思っています。

この革命の賛同者として僕と同じくらいにアツい思いで、変革をもたらすことに賛同してくれるようなユーザーを増やす、というためのマーケティングに注力したいです。

1年後、どんな結果になるのか楽しみにしていてください。

株式会社GINKAN http://ginkan.jp/ https://synchrolife.org/index_jp.html

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