複数のスタートアップを繋ぎ合わせて新しいイノベーションを

Saori Nicole
Plug and Play Japan Blog
7 min readMay 7, 2019

富士通株式会社 グローバルマーケティング本部 FUJITSU ACCELERATOR 浮田博文氏インタビュー

Plug and Play Japanのアクセラレーションプログラムも早3期目に入り、これまで130社を超えるスタートアップを、大企業パートナーと共にプログラムを通して支援して参りました。

今月は、Plug and Play Japan設立当初よりパートナー企業として参画いただいている富士通株式会社から、今回新たにメンバーとしてご参加いただいた、グローバルマーケティング本部 FUJITSU ACCELERATORの浮田博文氏にインタビューさせていただきました!

ネットワークエンジニアとして富士通に入社され、2007年からは富士通のクラウドサービス立ち上げに取り組み、海外展開も実現された浮田氏。

これまでにも米国のSaaSスタートアップを誘致するなど、スタートアップと連携したクラウドビジネス創出に携わっていらっしゃいました。

本インタビューでは、浮田氏ご自身の取り組みや富士通としてどのような領域のスタートアップと連携していきたいか、そして実現したい世界についてお話を伺いました!

▲グローバルマーケティング本部 FUJITSU ACCELERATOR 浮田 博文氏:ネットワークエンジニアとして入社し米国キャリアビジネスに従事後、マーケット分析や富士通プロダクトビジネス戦略立案業務を経験。 そのスキルをベースに2007年からクラウドビジネスの立ち上げメンバーとして、日本を含む世界8拠点への展開も実行、実現。 加えて、新規ビジネス創成の仕組み作りにも取り組み、TechShop東京の設立やFUJITSU ACCELERATOR(スタートアップ協業プログラム)の設立にも貢献。 2019年からは、スタートアップ協業の責任者としてチームをリード。 趣味は野球とアイスホッケー。

ニコル:今回、Plug and Play Japanで、スタートアップとの連携窓口をご担当されることになった経緯を教えていただけますか?

浮田:クラウドビジネスに従事するにつれ、新しいサービスの立ち上げが不可欠だと感じていました。そこで、外部の企業の力を借りるだけでなく、自社として新規ビジネスを作るため、似たマインドを持っている人を集めて社内でワーキンググループを作ったりしていました。その中で、以前Plug and Play Japanで富士通の窓口をしていたメンバーと意気投合しました。スタートアップと連携することで新規事業を作っていくことが必要だと感じ、新しく窓口を担当することになりました。クラウドの事業部ではグローバル展開を担当し、事業部の立場でスタートアップと連携するために何社ものスタートアップと話し、サービス化する仕事に携わりました。今後、Plug and Play Japanのネットワークを活用し、さらに多くスタートアップと連携するため、社内へ橋渡しする役割を果たしていきたいと思っています。

ニコル:富士通として、今後どのようなスタートアップと連携したいと考えていますか?

浮田:Plug and Play Japanのプログラムを通して日本市場進出を目指すスタートアップと連携できることを期待しています。私は今年の頭に中国に出張していたのですが、Plug and Playブランドのプレゼンスの強さと中国スタートアップの勢いを感じました。また、富士通の欧州拠点と欧州スタートアップ間の連携を支援できればと考えています。グローバルに一緒に社会課題を解決していくことができるスタートアップと連携したいと考えています。私は事業部出身なので社内のキーマンを迅速に見つけることができるのが強みです。スタートアップに対してキーマンへの繋ぎのサポートや、社内のハードルを素早く乗り越えるための橋渡しにも貢献できると思います。

ブロックチェーン/スマートコントラクトを担保するサービスを展開する米国の Quantstamp, Inc.とはPlug and Playを通して出会いました。同社のスマート・コントラクト・セキュリティ・アライアンスに富士通R&Dセンターが加入するといった連携事例があります。

今年はスマートシティ系に力を入れており、データの利活用は重要なテーマです。スマートシティを実現する上でのデータ(天候や交通データなど)をうまく収集し、活かせるスタートアップに注目しています。

ニコル:注目している領域について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

浮田:富士通が提供できるバリューの一つに、様々なスタートアップのソリューションを富士通のサービスを活用して有機的につなぎ合わせることで、付加価値を生み出せるというものがあります。それを実現するプロダクトを富士通は持っています。今後は複数のスタートアップのサービス同士を連携させる(間に入る)という役割を果たしていきたいです。縁の下の力持ちとして、様々なスタートアップのソリューションをつなぎ合わせて、そこに富士通のプロダクトを組み込み、イノベーションを起したいです。

これまでの実績として、富士通が開発した自然対話基盤や感情認識基盤にスタートアップ2社(株式会社Empathイナゴ株式会社)のAI技術を組み合わせ、クラウドで提供するという「ロボットAIプラットフォーム」があります。さらにもう1社スタートアップ(ユニロボット株式会社)と連携し、彼らの提供するコミュニケーションロボット「unibo」と「ロボットAIプラットフォーム」とを接続した商品を販売開始しています。こういった事例を、今後も増やしていきたいです。

ニコル:スタートアップとの連携における課題はありますか?

浮田:これは日本企業全体の課題かと思いますが、スピード感です。中国出張時に驚いたのは、中国では30年前から中国企業が機動力を高めるためにスタートアップを活用することを始めていたことです。富士通も、より意識的にスタートアップの力を借りて機動力を高めることに取り組んでいく必要があります。それを実現するために、内部の仕組みも色々変えて行く必要がある。社内体制としては、スタートアップ連携のための専任チーム「FUJITSU ACCELERATOR」が活動開始したことは大きな変化です。そして、その活動を通してスタートアップと連携したプロダクトもできてきました。富士通グループ内に取り組みが浸透し始めて、社員のマインドも変わり始めています。今後も、活動をグローバルに広げ、様々な仕組みを変えていく仕掛けを進めていきます。

Plug and Play Japanでは、6月から3ヶ月間のアクセラレーションプログラムを実施いたします!今期プログラムでは、これまでのIoT, Fintech, Insurtech, Mobilityに加えBrand & Retailというテーマを立ち上げ、様々な業界の大企業と共にスタートアップ×大企業のオープンイノベーションを加速させていきます。

プログラムの内容について、ちょっと話を聞いてみたい、応募の仕方が知りたい、という方はぜひお気軽にご連絡ください!

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