「人間と機械の境界とは」の問いとは

いきなりですが、

「人間と機械をそれぞれ定義してください」

と言われたらなんて答えますか?

人間と機械の共通点、相違点はなんでしょう。
人間を人間たらしめているもの、機械を機械たらしめているものはなんでしょう。

意思?有限な生命?ことば?見た目?感情や理性?曖昧さ?それらすべて正解かもしれないし、不完全な線引きかもしれない。

もう一つ、聞きます。

「攻殻機動隊−Ghost in the Shell」という映画を観たことが有りますか?

僕の大好きな映画の1つなのですが、劇中で主人公が言う言葉にこんな言葉があります。

だけど私は情報の並列化の果てに
個を取り戻すための
ひとつの可能性を見つけたわ

好奇心

前置きが長くなりましたが、最近読んだこの本がとっても面白かったので、シェアです。

ぼくは著者の方のことを知らなかったですが、この方は小説を書かれている方です。しかしながら、興味のある分野が本当に多岐にわたっていらっしゃるかたなんだなぁ、と思うと同時に自分のこころとリンクするくらい疑問に思う点や突っ込みどころみたいなものが一致しました。

登場する技術は、ハコスコの藤井さんでよく知られるSR(代替現実)や、渋谷のFabCafeなどの実店舗でも知られる3Dプリンタ、天才・石黒先生のアンドロイドなどなど。

本の概要はこれくらいにして、中身の話です。

人間と機械の境界、有ると思いますか?無いと思いますか?それとも、そもそもその問立てが曖昧さや矛盾をはらんでいますか?

僕は、境界がいつも絶対的に存在しているわけではなく、状況や要請に応じて変わりゆくものだと思っています。

人が技術を進化させ、技術が人を進化させる。

その過程で都度、境界の定義は更新され続けるものであると思います。

ここで自分自身に言い聞かせたいことがひとつあって。

それは、「機械や技術を使いこなす」のは”機械”的であるということ。人間の定義やあり方を更新することが人間を人間たらしめる要件だと僕は思います。新しい機械や技術に没頭することからふっと幽体離脱してみて、じぶんという人間は[いま・ここ]にとってどんな意味があるのだろう、と問うてみる。それはアルゴリズムや予測の世界とはまた別の次元であると、そう思います。

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Daiki Enomoto
THE Telepathy. -books, ideas and future-

Researcher at LITALICO Inc.「テレパシーがある未来を創り出す。」をテーマにしています。