アウトプット思考はなぜ危険なのか

アウトカムを評価する重要性

<この記事が対象としている人>
・プロダクトの責任者の方
・プロダクト作りをしていて仮説検証に関わっている方
・上記の方々を評価する立場の方

ありたい状態に最短ルートで進みたい

突然ですが、あなたのチームや組織は現在行っている活動によって目指しているゴールへ本当に近づいているでしょうか?

自信を持ってYesと言える方、あまり自信のない方、そもそもありたい状態がしっかり定義できていない方などいろいろだと思います。

プロダクト開発をしているとさまざまなことが起こり、中長期的に目指す状態とチームが最優先に取り組んでいることを常に紐づけて活動をしていくことは本当に難しいと感じます。こうした課題への対応をPivotal Labsではどのように考えているのかをご紹介します。

アウトプットとアウトカム

Pivotalでは”アウトカム”という言葉がよく使われます。一般的には「成果」や「結果」という意味ですが、Pivotalではプロダクト開発のあらゆるフェーズにおいてチームとして目指すアウトカムを定めて活動を行うことを重視しています。

なぜアウトカムが重要なのか?この話をするためにまずアウトカムとよく混同されがちなアウトプットの違いについて触れたいと思います。

アウトカム = チームの活動を通じて得たい成果や状態
例えば
・「トップページの読み込みにかかる時間を半分にする」
・「アクティブユーザーが減少している原因がわかる」
・「アーリーアダプターを発見する」

アウトプット = チームの活動を通じて生まれたモノ
例えば
・「サインアップの機能」
・「デザインのモックアップ」
・「サービスのキャッチコピー」

さらにアウトカム思考とアウトプット思考という言葉を作り、以下のように定義してみます。

アウトプット思考が危険な理由

アウトプット思考が危険な理由はアウトプットは成果(=アウトカム)を達成するための手段のひとつであるにもかかわらず、「手段が存在する」という事実を評価している、つまり手段が目的化しているためです。

アウトプットを評価する際には「アウトプットにアウトカムにかなっているのか」「アウトカムに対して必要十分なアウトプットを効率的に作っているのか」といった評価軸が求められます。

○アウトプットの評価軸の良い例
・どんなビジネス/ユーザー課題を解決するか
・解決する課題はアウトカムにとって重要か
・適切な解決策であるという根拠は存在するか

○アウトプットの評価軸の悪い例
・ビジュアルが今っぽくてイケてる感じがする
・注目されているフレームワークを使っている
・AIが搭載されている

Pivotalの手法でも中心的な役割を担うリーンの考え方は価値のないものを作ってしまうリスクを最小化するための方法論です。何を作るかよりもその背景にある、なぜ作るか(あるいは作らないか)という理由を重要視しましょう。

アウトカム思考のプロダクト作り

Pivotal Labsで実践しているアウトカム思考の開発プロセスでは以下のステップで進めています。

① チームが望むアウトカムを設定する
② アウトカムを実現するための仮説を定義する
③ 定義した仮説を検証できる最小限のアウトプットを作って検証する
*1
④ 検証結果から仮説の確からしさを見直す
⑤ ②〜⑤を繰り返す

上記のようなステップで進めていくと、ありたい姿とそこに到達するための仮説がシャープになっていきます。
*1 仮説検証の考え方についてはこちらの記事で

リーンの構築−計測−学習はアウトカムに近づくための螺旋

こうしたアウトカム思考とリーン・スタートアップの手法は非常に相性が良いです。

リーンの手法で構築−計測−学習(Build-Measure-Learn)のサイクルがよく出てきます。このサイクルを繰り返すことによりチームは使われないものを作ってしまうリスクを小さくできるという話はよく言われますが、これはあくまで目指すアウトカムが定義されていることが前提であることに注意が必要です。

学習を起点にしてサイクルを設計する

Build-Measure-Learnという字面からか「よーし、まずはBuildだ!なにを作ろうか?」となってしまうかもしれませんが、「なにが学べればチームはアウトカムに近づけるのか?」という視点でLearnを設計することから始めることをおすすめしています。

・チームはどんなアウトカムを目指しているのか?(アウトカムの設定)
・アウトカムにたどり着くためにはなにが学べればよいか?(Learn)
・わかるためにはなにをどう測ればよいか?(Measure, Build)

といった順番で考えて設計をしていきます。すでにプロダクト作りに着手しているケースであれば、上記の点が明確になっているかどうかをチームでディスカッションしてみるのも有効です。

アウトプット思考に陥りがちになるのは

リーンという言葉が広く知られるようになったにもかかわらず、多くの企業やチームがアウトプット思考になりがちであるように思います。その最たる原因はチームとステークホルダー間のミスコミュニケーションにあり、アウトプット以外に確からしく進捗を示してくれるものがないからではないでしょうか。

組織内でアウトカム思考を浸透させていく方法についてはまた別のブログで触れたいと思います。


Pivotal Labsでは、定期的にワークショップ型イベントを開いたり、ブログでプロダクト開発やチームビルディングなどについて紹介していきます。

イベントの最新情報:
Meetupグループに参加すると、いち早く案内が届きます😎📩

公式ブログ:
Product Runも是非フォローお願いしますっ🙌🏻🗒