CDP: Unlocking Climate Solutions に挑戦するPart3
Part2で揃えた財務と排出量のデータを組み合わせて指標を作成します。今回は指標を作成し簡単な分析するのみで、その意味付けや改善は次回Part4で行おうと思います(Part4が最終になる予定)。よって若干可視化しただけ状態になっていますが、その点はご容赦ください。
本記事の構成は以下の通りです。
- Hybrid Metricsの計算
- Hybrid Metricsの分析
- Hybrid Metricsの分解
検証に使用したKaggleのKernelは以下になります。
Hybrid Metricsの計算
Part2で財務(EBITDA)と非財務(排出量)のデータをそろえたので、以下のHybrid Metricsを計算してみます。
計算に使用するEBITDAと排出量の分布は以下のようになっていました。
非常に偏りがあり、普通にEBITDA / 排出量を計算すると偏ったままになるので、計算後対数を取るようにしました。
可視化した結果が以下になります。
全体的にEBITDAより排出量の方が値にとって決定的な印象です。値のスケールが違うので、正規化を行って計算すると以下のようになります(カウントの表示がおかしい気がするが・・・)。
排出量の方が効いている、というのが顕著に出ている印象です。
Hybrid Metricsの分析
実際に高い/低い会社はどんな会社なのか?を見てみます。ボックスプロットをすると以下のようになるので、上位/下位の外れ値を抜いてみます。
こちらが高い会社。
こちらが低い会社です。
さすがにパッと見ではなかなかわからないですね。この辺はCDPのアンケート回答と照らし合わせる必要がありそうです。また、エネルギー系の会社ほど排出量が多くなるなどアンフェアな面もあると思います。業界ごとに分析するのが良いのかもしれません。
Hybrid Metricsの分解
会計の指標は分解して分析ができるという特徴があります。減価償却を抜き出して、以下2項に分けてみます。
片方がキャッシュを得るための資産効率、他方が資産を調達するための排出量効率と見なせます。それぞれをプロットすると以下のようになります。
両方効いているように見えますが、若干調達効率の方が効いている印象です。こちらでボックスプロットを描くと、若干すそ野が広がった感じの図になります。
資産効率の方は以下のようになります。あまり変わらないような気もしますが。。。
本記事ではHybrid Metricsの計算・分解・可視化を行いました。現状はまるで外している指標ではなさそうだ、というくらいでどこにどう役に立つのかはまだ不透明な状態です。次回、この点を分析しその結果をもって改良を行ってみようと思います。