2018年のハイライト(1/2) — クォントスタンプ・ジャパン

Quantstamp Japan
Quantstamp Japan / APAC
5 min readMar 28, 2019

新年度の訪れを飾る桜の開花に合わせて、クォントスタンプ・ジャパンの活動を振り返ります。

昨年は、12月にクォントスタンプ・ジャパン合同会社を設立し、野村ホールディングス株式会社および株式会社DGインキュベーションから資金調達をしたのに加え、富士通R&Dセンターがスマートコントラクト・セキュリティ・アライアンスへ加入するなど、クォントスタンプ・ジャパンチームは大変充実した一年でした。

世界に視点を移してもQuantstampの活躍は目覚しく、スマートコントラクト採用拡大の取り組みを続ける一方で、これまでにいくつもの画期的な成果を積み上げてきました。例えば、プロトコルのさらなる開発、膨大な件数の監査の遂行、スマートコントラクトセキュリティに関する著作、ブロックチェーン業界における極めて重要なパートナーシップの構築など、非常に多岐に渡ります。

新年度を迎えるにあたり、これまでの功績のハイライトをご紹介します。

Yコンビネーターを卒業

2005年の創立以降、Yコンビネーターは合計評価額が約800億米ドルにも及ぶ1400以上の企業を輩出してきました。プログラムが生み出した企業にはAirBnB、DropBox、Stripe、Instacartなどが含まれています。Quantstampは4月に開催されたYコンビネーターのデモデイで、概念実証のデモ版を発表し、その後次世代プロトコルの開発に着手しました。

プロトコルの開発推進

2018年3月にはテストネット向けの監査ノードの初期バージョンの開発を完了し、4月にはRopstenテストネットにプロトコルを展開しました。

その後、Quantstampのbetanetプロトコルはイーサリアムのメインネットに展開され、ユーザーがセキュリティスキャンのリクエストをQuantstampのウェブサイトを通じてbetanetバージョンのクォントスタンプ・プロトコルへ送ることが可能となりました。

これはセキュリティスキャンが実施されたということを独立して証明するだけでなく、スキャンレポートのハッシュとイーサリアムメインネットに保存されているハッシュを比較することを可能にするため、非常に重要な一歩でした。開発者はユーザーに対してセキュリティスキャンを行なったということを証明することができるようになり、ユーザーはスマートコントラクトを交わす際に一定のセキュリティ条件を満たしていることを確認できるようになりました。

さらに、集約型サービスへの依拠を取り除き、より分散化された方法でスキャンレポートを保存する方法を模索することで、プロトコルの分散化を推進しています。

監査を実施

分散化されたプロトコルの他にも、Quantstampはブロックチェーンプロジェクトに対する監査も行なっています。この半自動化された監査は、Quantstampのチームが世の中に出回っているスマートコントラクトに触れ、脆弱性について最新の情報を学び、どのような機能が求められているのかを学べる機会を提供しています。

また、監査は、スマートコントラクトセキュリティにおける脆弱性についての知見を深める他にも、ブロックチェーン全体のセキュリティレベルの向上に貢献しています。

2018年には、

  • OmiseGoのMinimum Viable Plasma(MVP)の実装 — Plasmaはイーサリアムの今後を左右すると言っても過言ではない、第2層スケーリングソリューションであるため、これまでに行なってきた監査の中でも群を抜く重要性を持っています。
  • IICOスマートコントラクト — トークンセールにおけるスマートコントラクトで、ICO時における投資家の利益を守るように設計されています。
  • Binanceが発行する120以上ものERC20トークンのバッチオーバーフロー脆弱性
  • QuarkchainのERC20およびトークンセールのコントラクト — Quarkchainはスケーラブルでシャーディングを可能とするブロックチェーンの開発を目指しています。

…などの監査を実施しました。

新しいウェブアプリの公開

Yコンビネーターで発表した概念実証のデモ版は、QSPトークンを使用してセキュリティスキャンを実施し、詳細なレポートを作成するものでしたが、プロトコル自体とは独立したもので、プロトコルの進化に合わせ、全てを一新したアプリケーションを開発しました。見た目や機能だけではなく、バックエンドでQuantstampプロトコルを活用するこの新しいアプリケーションは、スマートコントラクトセキュリティを分散させるという私たちの目標にさらに一歩近づくものであり、近日中に新しいインターフェースが公開される予定です。

Quantstamp 2018年のハイライト(2/2)は近日公開予定です。

クォントスタンプ・ジャパン合同会社はホームページまたはTwitterMediumで近況をお伝えしています。詳細はそちらをご覧ください。

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