Decrypt Tokyo 2019を開催しました!振り返りと、今後のブロックチェーン業界への想い
Decrypt Tokyo 2019, Blockchain Hackathon! WHAT we have accomplished and WHY we did this event. A message to blockchain industry in 🇯🇵
6月8日~9日にかけ、Quantstamp/Quantstamp Japanはブロックチェーン初中級者を対象としたハッカソン「Decrypt Tokyo 2019」を開催しました!
当日は合計20チーム、約100名の参加者が集まり、ブロックチェーンを用いたサービス開発に挑戦しました。
Decrypt Tokyo 2019は、Quantstampのみでなくブロックチェーンコワーキングスペースを運営するNeutrino・HashHub、日本初の技術にフォーカスした国際ブロックチェーンカンファレンスNodeTokyoと共に初期段階から企画・運営共に進めてきたものです。
時間があまりとれない中、お互い力を合わせイベントを最後まで作り上げられ本当にうれしく感じています。
この場を借り、Neutrino服部さん・小田切さん、HashHub Bealさん、NodeTokyo a.k.a Obiさんに改めて感謝申し上げます。
Decrypt Tokyoを通して伝えたかったメッセージ
今回ハッカソン開催に至った最初のきっかけ、それはシンプルに「ブロックチェーンに関わる人がいなくなってしまう」という危惧が根底にありました。
今でも毎日たくさんのブロックチェーン関連イベントや勉強会が開催されているのは事実なので、一見ブロックチェーンに関わる人が減っているようには見えないかもしれません。
ただ、ブロックチェーン業界にいる私たちだからこそ分かることですが、ブロックチェーンに本気で関わるためには、様々な前提知識や技術的理解度、そして「今この瞬間におけるブロックチェーン業界のトレンド」を理解している必要が伴います。
そうすると必然的に、「新しい技術だから…」と気持ち半分で関わっていた人はだんだんとブロックチェーン周辺から去り始めてしまいます。
イベントや勉強会に行けば、大体そこで会えていたメンバーですら、いつのまにか減り続ける、そんな状況にあるのかなと私たちは肌感覚で感じていました。
また、他分野・他業界からしたらブロックチェーン業界に飛び込んでみたい!という気持ちがあっても、その「How」がクリアじゃない状態が続いてしまっていたのかな、と今考えると思います。
もちろん、Decrypt Tokyoを開催する1度のみで全てが変わるとは思っていません。
今回のハッカソンを通し、ブロックチェーン人材が絶滅しないための根本的ソリューション、そして他分野・他業界からブロックチェーン業界へと繋げる「きっかけ」を作り出すにはどうすればいいのか考えられるターニングポイントにしていければ、といった背景がDecrypt Tokyoが開催に至るまでにありました。
結果的ではありますが、100名を超えるハッカーの皆様にお集まり頂けて本当に嬉しかったです!また、スポンサーの皆様、ハッカソン会場を提供して頂いたSpeee様、ありがとうございました!!
以下で、簡単ではありますがイベントを振り返って行きたいと思います。
DAY1 - TechTalk振り返り<簡易版>
Hackathon中に実施された、TechTalkセッション。このセッションでは、ブロックチェーンにおける各分野のスペシャリストたちによるプレゼンテーションが行われました。
今回は、発表者のお名前とテーマのみの記載ですが貴重なお話ばかりだったので今後どこかのタイミングで振り返っていければと思います。
1.大日方祐介 a.k.a. Obi, Founder of NodeTokyo, CryptAge
テーマ:Introduction of Blockchain
2. 廣瀬一海 Prince of Deployment at Microsoft
テーマ:マイクロソフトのブロックチェーンの取り組みと、Azure Blockchain Serviceを使ったDApps開発
3. Jeff Wentworth Co-Founder of Cruvegrid
テーマ:Architecting Enterprise Blockchain Applications
4. 片桐潤 Senior Architect of LayerX inc.
テーマ:猫でもわかるスマートコントラクトwith Vyper
5. 呂相吾 Blockchain Division Manager at Sun*
テーマ:Mass Adoption of Blockchain
6. 小宮山凌平 Co-Founder & CTO at Kyuzan Inc.
テーマ:ブロックチェーンエンジニアにとってのフロントエンド
7. 青木宏文 Head of Blockchain Business at Metaps
テーマ:ブロックチェーン領域の技術スタックと技術選定
8. 吉田尚平・喜多智也 Software Engineer at Mobile Factory/Uniqys Kit
テーマ:Qurage Linkの仕組みと活用・Uniqys Kitの概要とDApps開発
9. Kasima Tharnpipitchai Director of Engineering at OmiseGO
テーマ:The Path to More Viable Plasma
10. Anton Buenavista Senior Developer at Kyber Network
テーマ:Enabling Decentralized Finance
11. 西出飛鳥 共同創業者/CTO 株式会社フィナンシェ FiNANCiE
テーマ:オンチェーンとオフチェーンの融合
12. 田中悠樹 Vice President at Recruit Strategic Partners
テーマ:Blockchain Startup Investments and Trends
13. Richard Ma, CEO at Quantstamp
テーマ:zk-STARKs, an Introduction
14. Xan Ditkoff, Takato Tomizawa Production Partner at Blockcstack, Engineering at Blockstack
テーマ:Introduction of Blockstack Platform
15. Bill Laboon, WEB3 (Presented by Obi)
テーマ:Introduction of WEB3
DAY2 — ハッカソン振り返り&プレゼンテーション・審査結果発表
今回のハッカソンのテーマ、つまり開発するプロダクトは以下の2点を軸にジャッジされました。
1. ブロックチェーンやスマートコントラクトを使った新しいサービスを考え、プロトタイプを開発: Developing a prototype for a service using blockchain and/or smart contracts
2. ユーザビリティーが高いDappsを考え、プロトタイプを開発: Developing a prototype for a Dapp with extremely high usability
初心者向け、ということもあり敢えてざっくりとしたテーマの設定にしました。とはいえ、この2つのゴールテーマは、実際にブロックチェーンプロダクトを開発する際には必要不可欠な指標・観点となってくるのは間違いありません。
また、上記2点に加え審査のポイントとしてオリジナリティー性、技術力、ユーザービリティー、社会的インパクトの4観点に関しても考慮されジャッジが下されました。
今回は上位受賞したチームの皆さんのプロジェクトを紹介していきます。また、各プロジェクト詳細については当日取材に来ていただいた仮想通貨Watchさんの記事を参照頂ければ。
2nd Runner Up — “COME-ON!!”
第3位はSNSに透明性をもたらすことを目指す「COME-ON!!」。SNS運用者が実施するキャンペーンやプロモーションなどを通した、金銭の支払いが実際に行われているのかをブロックチェーン上で確認する。
1st Runner Up - “MYPAYPAY”
第2位は「MyPAYPAY」。給料日という概念が無くなっていくことを仮定とに、報酬がすぐに受け取れるプラットフォームを構築。(Smart Salary)
Winner — “仮想お墓ゲーム”
総合優勝は「仮想お墓ゲーム」。NFTを利用し、仮想空間にお墓という世界観を作り出すプロジェクト。投げ銭機能など、ゲーム的要素を持たせた一方で、ブロックチェーンである意味や仮想空間である利点などがしっかりと主張されているプロジェクトという印象でした。
上位3チーム以外にも、計7チームが特別賞を受賞しました。どのチームもユニークなアイデアをベースにDAppsを開発しており、熱気が伝わる(本当に)すごく盛り上がったハッカソンになったと思います。
皆さんにとって、Decrypt Tokyoはどんなハッカソンだったでしょうか?
もし、ブロックチェーンと本気で関わっていこう!少し興味が出た!など、ブロックチェーン業界と繋がるきっかけとなっていれば幸いです。
みなさん、ご参加いただき本当にありがとうございました!Thank you everyone!
— Quantstampチームメンバー一同より