NEORT: Neo Visual Art Collectionオープニングイベントを終えて
9/12 ~ 9/25の期間、Fab Cafe TokyoにてNEORTとして初めての作品展示イベントをさせてもらっている。
https://fabcafe.com/tokyo/events/190912_neort_exhibition
このイベントは、普段スマホやPCで閲覧することの多いNEORTのデジタルアート作品を現実の空間でも楽しめるようにしようという試験的な試みだ。
ロフトワークの藤田さんにお声がけいただき、いろんな方々の協力のもと実現することができた。
本当に感謝。
作品展示
詳しくは別途書こうと思うが、日頃からデジタルアートをもっと日常の中で楽しめたら良いなと考えており、スマホ・PCの画面を出て楽しめる機会を探していたところFab Cafeさんで開催できる運びとなった。
展示作品は、普段からNEORTによく作品を投稿してくださっている方で、幅広いジャンルになるようこちらからお声がけさせてもらっている。
嬉しいことにこちらからオファーした方全員から快諾いただき、8名のクリエイターの作品を展示するに至った。
どれも今回の展示用に制作してもらった新作で、イベントタイトルでもある「NEORT:Neo Visual Art Collection」をテーマにしている。
いつもNEORTで彼らの作品はみているが、より一層力のこもった作品になっていると感じるので、是非足を運んでみてほしい。
会期は9/12〜9/25だ。
https://fabcafe.com/tokyo/events/190912_neort_exhibition
オープニングトーク
9/12は初日ということでオープニングイベントをやらせてもらった。
僕がモデレーターとなって2名のクリエイターの方々とお話をするトークショーとその後の交流会といった内容だ。
登壇をお願いしたのは、THE GUILDに所属しインタラクションデザイナーをされている奥田さん(@alumican_net)、Dentsu Isobar所属でVisualistとしても活躍されてる川村さん(@kenichikawamura)の2名。
ツールや技術の垣根を超えたプラットフォームを目指すNEORTとして幅広い領域で活躍するクリエイターのお話を聞きたいと思い、近しくも異なる分野の2名をお招きすることとなった。
トークテーマは「アート×テクノロジーのこれからについて」。
業界や作り手の境界が混ざり合う近年において、テクノロジーを用いたアートの今後の可能性について話し合った。
慣れないトークイベントのファシリテーションだったが、お二方のお陰で興味深い話が聞けたのではないだろうか。
以下にトークの中で特に印象的だった内容をいくつかあげておく。
個人制作でストックを増やし、仕事に生かせる引き出しをつくる
お二人ともプライベートでも積極的に制作をしており、そちらではむしろ実験的な制作を多く行い、ストックを増やしているそう。
そして、本業で制作をする際に実験したストックから引き出してアプトプットに適用するというサイクル。
とても良いバランスで仕事とプライベートをワークさせているなという印象だった。
目的や解決したい課題が何かを考え、その手段にアート的表現を用いる
クライアントワークでも展示でも目的や解決したい課題がある。
その手法としてアート的な表現を用いていると。
客観的に見るとアートをつくっているように見えるが、それは問題解決の手法としてアート的表現を用いてるからであって、その内面にはしっかりとした意図があるという話を聞き、とても納得できた。
打ち上げ花火と線香花火、規模は違えどどちらも異なる楽しみ方がある
個人的な興味として、例えば現在人気を博しているデジタルアートミュージアムが1/10の規模でも面白いのかという疑問があった。
これに対して、花火を例に規模が変われば楽しみ方も変わるという話をされていて、なるほどという感覚になった。
打ち上げ花火と線香花火も規模は違うけれど、どちらも別の楽しみ方があると。
すごく納得した一方で、線香花火的にアートを楽しめる機会ってどのくらいあるんだろうか?と疑問に思った。
自分が観測できてないだけで、そういった機会は点在しているのだろうか?
大衆に親しまれるアートをつくるにはお金がかかり、打ち上げ花火的な機会がほとんどのように感じているので、個人的に小規模やインディーズクリエイターによる線香花火的なアート体験の可能性に興味がある。
悶々としている時ほど手を動かすのをやめてはダメ
悩んだり悶々としている時は考えることに集中してしまって、何かをつくる手が止まってしまいがちだが、そんな時こそ作らなくちゃだめ。
そしてその上で自分の状況を俯瞰して見るのが大事だと。
小さな1を積み重ねていくことでしか未来はつくれないので、不安でも迷っても1を積むことを忘れてはいけない。
振り返り
今回、トークショーのモデレーターなるものを初めてやったわけだが、正直うまくできたかダメだったかよくわかっていない。
事前の打ち合わせで奥田さんに「想定するオーディエンスはどんな人で、彼らにどんなことを持ち帰ってほしいか」と聞かれ、その辺り全然考えてなかったのでハッとさせられたのだが、結局ゴール設定とそのフィードバックを得る仕組みをあやふやにしたままイベントを終えてしまったのでこんな感じの感想になっているのかもしれない。
何をするにしてもターゲットは誰で、何をゴールに、どうやってその達成を評価するのかをちゃんと考えないといけないなと改めて思う。
しかし、少ない経験・知識ではあるが、アートとテクノロジーが関わる世界にかける自分の情熱はかなり高いと思っているので、今人生の時間をそこに割けているのはすごく良いことだ。
今回のオープニングイベントに足を運んでくれた来場者の方々、イベントの企画から運営まで一緒に作り上げてきたロフトワーク・Fab Cafeのみなさま、そしていつもNEORTを利用してくださるユーザーの方々には本当に感謝である。
まだまだ規模も成果も小さい段階だが、これからも小さな1を積み上げていき、大きな未来を描いていきたいと思う。
これからだ。