kintone hack で勝つためにこだわった 5 つのポイント

r3_tsukiyama
R3 Cloud Journey
Published in
7 min readNov 12, 2019

はじめに

お久しぶりの投稿となります築山です。2019年11月7日 Cybozu Days 2019 東京 内にて行われた kintone hack にて優勝することができました。

イベントのレポートは既にアスキーさんが最速レポート(上記)を上げてくださっているので内容について詳しくは触れませんが、kintone hack を勝つために自分自身が準備してきたことを今後 kintone hack に挑戦される方や他の技術者コンテスト(ハッカソンなど)に出場される方の参考になればと思い、筆を執りました。

優勝できたのは会場の雰囲気、登壇の順番、参加者の層など様々な要因があっての結果だと思いますが、振り返ってみて「ここが良かったかな」「ここはこだわって準備したよな」と感じているのは以下の5つのポイントです。

良いものはドンドン取り入れる

7月の予選が終わった時点で他の方のだいたいの発表内容はわかっていたので、私の発表内容はおそらく技術的には参加6名中で一番易しく、魅せ方に全てがかかっていると考えていました。

読まれた方はすぐ気づかれたと思いますが、私の発表は吉藤智広さん、渋谷雄大さんの「伝わるプレゼンの法則100」で書かれている内容を数多く取り入れています。グラフの種類、文字の配色といったスライドの見せ方や話し方だけではなく、準備の仕方などとても参考にさせていただきました。

例えばこの表紙の 1文字だけ色を変えるところもこの本を参考にしています

ストーリーから作る

本戦終了後に上司である金春から「最初緊張してたな、手が震えてた」と言われたとおり、話し始めのころはかなり緊張していたと思います。自分自身かなり小心者なので大舞台に上がって頭が真っ白になる事態もありえるだろうと思っていました。

事実、途中でデモを行った際に「あれ?いまこのデモ本当に上手く行ったのかな?」と一瞬真っ白になりかけました。

緊張への対策はひたすら練習だと思っていて、今回も正確な数は忘れましたが 30回~ 50 回は練習したと思います。ただ、いくら練習しても緊張するものは緊張するので、話す内容を忘れてしまう可能性を考慮してストーリーを完璧にしておこうと思いました。

ストーリーを完璧にしておけば、頭が真っ白になって「あれ?ここなんて言うんだっけ?」と思っても、言葉よりも感情として体に染み付いているため、自然と喋りたい言葉が出てくると思います。

実際、本戦のステージ上で喋った言葉は練習とは結構違っていたと思いますが、聞いていた方は違和感なく受け取っていただけたと思います。

バランスを取る

私を含め 6 名の人が予選(参加者:25名)を勝ち抜いたわけですが、予選会場で一番笑いを取ったのは間違いなく私でした。もちろん本戦でも会場の人に笑っていただく・楽しんでいただくことを重視はしましたが、それだけでは勝てるとは思いませんでした。

Cybozu Days は都心から1時間近くかかる幕張メッセで行われており、中でも kintone hack は 18時スタート(私の出番に至っては 19:15 頃)であり、そんな時間まで残っている人のモチベーションは「笑いたい」のではなく「kintone で楽しいことを体験したい」だと思いました。

そのため、楽しんでいただくポイントは抑えつつも kintone ユーザーだからこそ喜んでいただけるように構成を考えました。

例えば、ポータルを変更するのに上長の承認なんて必要な訳がないのに無駄にプロセス管理機能を使ったりしていたのも、できるだけ kintone を使うことを意識した結果でした。

また、序盤に「アイドルオタクにおける kintone の知名度」を示すスライドは予選ではただの円グラフだったものを、フォームブリッジ(トヨクモさん)を用いたアンケート + krewDashboard(グレープシティさん)を用いたグラフに変え、kintone ユーザーだからこそわかるポイントを意識しました(ムダ使いを喜んで許してくださった両社さま、ありがとうございます)。

実際、このスライドを出したあたりで会場で笑ってくださる方が多くいて、自分自身も緊張が解けて楽しく話せるようになってきました。

ディテールにこだわる

私の発表は前半と後半に1ずつ大きな波を作るように構成しました。ただ、練習時点でも制限時間(6分)ギリギリであったためかなり早口で話すこととなり、ちょっと目を話すと置いていかれてしまう懸念がありました。

そのため、見ていただいている方には一瞬も目を離さず見て欲しいと思い、一切口頭では触れないけれどスライド内にちょっとした小ネタを挟んだり、結果的には画面上には投影しなかったものの、ポータル上に貼っているリンクはすべて意味のある、今回の発表内容と関係のあるものにしておきました。

これは小ネタで「クスッ」と笑って欲しい意味もありますが、デモ中に間違って他の箇所をクリックしても関連する kintone アプリが開くようにしておけば、「間違えて開きましたけど、これはさっき説明した xxx です」というようにリカバリーできると思ったためです。

結局は失敗しなかったため作り込んだ小ネタは日の目を見ることをありませんでしたが、万が一の保険を打っておくことで安心してステージに上がれたと思っています。

画面上に表示されなかった小ネタ(猫ポータルにて)

勇気を出して捨てる

他の 4 点は「絶対やったほうが良い」と思ってやっていたことですが、最後のこの点だけはとても悩みました。

私が kintone hack 本戦で披露させていただいた内容は大きく分けると「グループごとにポータルを切り替える」「シークレットモード」の 2 つですが、実際にはそれ以外にも 2 つの機能を動くレベルまで開発していました。

そのため、当初は「全部で機能は 4 つです!1つ目は~」というように紹介しようと思っていましたが、ストーリー・バランスを考えたときにどうしても残り 2 つを入れることができませんでした。

特にそのうちの 1 つは予選直後に思いついた機能で絶対に入れたい、自分としては一番良いアイデアだと思った機能でした。そのため、本戦の 2 日前までは入れる想定で練習していましたが、勇気を出してまったく触れずに発表することにしました。

このボツネタは kintone Advent Calendar に書かせていただこうと思っていますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

さいごに

以上が私が特にこだわったポイントでした。技術系のイベントで登壇される方の少しでも参考になれば幸いです。

また、普通の企業では「やっていいですか?」と聞くことさえはばかられるようなネタで出ることを喜んで応援してくれる R3 という会社で働けていることを嬉しく思います。

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