1/3 スケール三田式 3 型改 1 製作記
12部シリーズの第10部
If you prefer you can read the English translation of this article, which was provided by the author. この記事に進む前に、このシリーズの 第9部 を読むことをお勧めします。
製作その45 キャノピーフレーム
三田式3型改1のキャノピーフレーム
本機のキャノピーの図面は図面55に示しました。前方キャノピーのフレームは機首カウリングに接する円框と、後方キャノピーに接する円框の2つの円框の底辺両脇を前後に走る縦通材で繋いだ物です。前方円框は底面に垂直ですが、後方円框は若干後方に傾いています。縦通材は一直線では無く、平面図で見ると前から2/3長さ程度のところでキンクしています(図面58)。
縦通材は前側で15㎜、後側で約30mmの高さがあります。キャノピーの断面形状が前側では半円形ですが、後側の下部は平面形ですので、この縦通材の側面形状もそれに従って形状変化をします。その切り替わり位置を作図で求め図面58に記入してあります。
後方キャノピーフレームも前後2つの円框を縦通材で繋いだ形状をしていますが、大きな特徴は縦通材が主翼を挟んだ形をしていることです。そのため極めて複雑な形状をしています。特に主翼上面に接する縦通材は、横から見て翼形状を、上から見て後方が狭くなるテーパー形状を、且つ断面がキャノピーの半円形状に一致すると言う複雑さです。
円框の製作
まず円框を製作しました。細い円框ですので折れることが心配なので、4㎜厚シナべニアを2枚、木目を直交させて貼り合わせたものを準備し、それに実寸図面を貼って切出しました(画像222)。
円框下部の横に走る部分は、製作途中で不用意な力が掛って円框が折れることを防止する為に残したものです。透明部を貼りつけた後で切り取ります。この小業は1/5模型を作る過程で学びました。
中央の2枚は前後フレームの円框で略同形状をしています。接触部が面一になるように2枚合わせて外形を整えました(画像223)。
円框の厚さ分で断面形状が微妙に変化しますので、前面、中央、後面の3か所に実寸図面を貼って整形しました。
前方フレームの組立
前方フレームの縦通材は加工し易く且つ適度な剛性がある桐の集成材で作りました。途中でキンクするので片側2本ずつの木片を組み合わせました。縦通材と円框を組立てるに当たって、並行ではない縦通材に正確な角度で円框を取り付けるには組立治具が必須です。画像224の治具を作って組立てました。
縦通材の外表面は上述の如く、後部は上に開いた平面ですが前部は半円形状です。図面に従って整形しました。
後方キャノピーフレームの組立
後方フレームの主翼下面に位置する縦通材は略平面形状ですので、4㎜厚シナべニアを2枚張り合わせたものから切り抜いて取り付けました。問題は主翼上面に位置する縦通材です。その正確な形状を見出すのが大変でした。まず作図で主翼との交線を求めました(図面59)。
12㎜厚の桐集成材から凡その形を切出し、主翼上面のコンターに合わせて切込を入れて主翼に載せて上に求めた交線に沿って整形します。これで縦通材の外側下部の形状が決まります。これを左右2本作ってから前後に円框を取り付けました。
次に、縦通材の外側コンターを定義した治具を製作しこれを組立てたフレームに被せて縦通材のコンターを整形します。
これで縦通材のコンターが決まりました。後はコンターに沿って縦通材の高さと厚さ分を残して切り取って整形してやっと出来上がりました。
完成したキャノピーフレーム
画像226が完成したキャノピーフレームです。
かなり大きいです。機体に載せてみました。
尚、後部キャノピーは中央翼フェアリングの前面に2本のピンで位置決めされます。中央翼フェアリングの前面金具の中央に画像228に見える穴があります。
発生した不具合
大変な思いをしてキャノピーフレームを何とか作り上げましたが、途中で幾つかの不具合が発生してその修正にも手間取りました。
不具合その1: 前方フレームと機首カウリングの上部に隙間発生
カウリングに取り付けた木枠とフレームの円框の下部を合わせると上部が2mm程開いてしまいまし た。前方フレームの円框は組立治具で正確に角度合わせをしてあるのですが、機首カウリングの取付 は治具無しで行いました。そのためカウリングが僅か機首下げ状態で取り付いたものと思われます。 隙間に木片を挟んでカウリング木枠に貼りつけました。
不具合その2: 前方フレームの縦通材と胴体構造の間に隙間発生
前方フレームを胴体に載せてみると、フレームの縦通材後部と胴体構造の間に1.5㎜程度の隙間が発生してしまいました。フレームは組立治具上で正確に下面が平面を構成するように組立てました。しかし、胴体側の対応する部分は、浅く「く」の字に曲がった2本のカーボンパイプを、200㎜程離れた状態で平面に組む必要があったのですが、平面を確実に確保する適切な手段が見つからず、かなりアバウトな方法で組み立てた経緯があります。
フレームの縦通材下部に木片を貼りつけて隙間を埋めました。
不具合その3: 後方フレームと中央翼フェアリングの間に隙間発生
同一長さで作った左右の主翼上面に沿う縦通材を円框に取り付けると後部円框と中央翼フェアリングの右側前面との間に若干の隙間が発生してしまいました。調べてみると中央翼フェアリングが若干右に偏向して取り付いていることが判明しました。フェアリング単体では気が付かない程度です。これはフェアリングの後部を支えるアルミ製の山形チャンネルが機軸に対して正確に直角でないことから生じたものでした。トラス組立の胴体構造は中心線が判らず、直角に取り付けることが非常に困難なことから生じた現象です。
山形チャンネルを外して取付け直しました。
不具合その4: 後部キャノピーと中央翼の間に隙間発生
中央翼の桁より前、胴体に被さる部分はキャビンになる為に切り欠かれています。一方後方キャノピーは後が前より細くテーパーしています。この為、キャノピーフレームの後部の幅より中央翼の切欠き幅が広く、上から見ると少し隙間ができてしまいました。中央翼の切欠き幅は胴体構造を見て決めたのですが、キャノピー幅がそれより狭いことに気が付いていなかった為です。改めて実機の図面を見ると中央翼の切欠きは、私の図面のように並行では無く、キャノピーに合わせてテーパーしていることが判明しました。
この部分は後で主翼側に充て木を貼りつけて塞ぐことにします。
殆どの不具合が治具無で作業したことから生じたものです。もっと治具を多用すべきでした。
尚、フレームの完成には未だヒンジやロック機構の製作・取付が残っています。
製作その46 胴体トラス構造の塗装
三田式3型改1の構造の塗装色
実機の鋼管トラス構造は腐食防止用のジンクロが塗られていますので、本来はその色です。しかし、静岡航空資料館に展示されているJA2103は白色です。これは元の所有者であった木村氏が、保管中に白色に塗装された為です。
製作中の1/3模型はこのJA2103号機をモデルにしていますので、既に製作塗装済の座席支柱等も白色に塗装してあります。そこでカーボンパイプ製の胴体トラス構造も艶消し白色に塗装することにしました。
塗装した胴体構造
画像229が塗装を完了した胴体構造です、スプレー缶3本を使用しました。
カーボンの黒色に較べて白色は引き締まって、全体が一回り小さく見えます。
尚この状態で重量を測定したところ1,542gでした。脚やサーボ類は全て取り外した状態です。
金属切削部品を作って頂く
クラブ仲間で金属加工の得意な高村さんに金属部品を削りだして貰いました。氏はミニ旋盤をお持ちです。旋盤が無ければ作れない部品を切削して頂きました。
1) モーターシャフトカラー
搭載するFUTABA FMA-5065は飛行機のプロペラ駆動が想定されているようで、付属のプロペラアダプターはΦ29のベースにΦ8のシャフトが設けられたものです。プロペラをベースに押し当てて、Φ8のナットで締め付ける構造です。
これをそのまま用いて折りペラを取り付けると、Φ29のプロペラアダプターのベースを機首カウリングから飛び出さなければなりません。それは余りに不格好な上に、モーター本体とベースの間が短いので、先細のカウリングにモーターが当たってしまいます。そこで、ベースの前に適当な太さのカラーを被せその部分をカウリングから飛び出させて、折りペラを取り付けることにしました。
図面60がその様子です
この為にプロペラシャフトカラーが必要になった訳で、アルミから削りだして頂きました。画像230がモーターに取り付けた状態の拡大写真です。これで、スッキリと折りペラを取り付けられます。
2) 計器のケース
三田式3型改1の計器は全て丸型です。実機の計器の大きさはΦ72とΦ53の2種類です。これを模した計器を作るには丸型のケースが必要となるので、それをアルミ材で削りだして貰いました。前席用に大を4つ、小を2つ、後席用に大を2つです。
前席用は計器盤に取り付けてしまうと裏面が見えなくなるので、軽量化の為に極薄に作ってありますが、後席用はコクピットの中央付近に裸で取り付けられるので計器全体が見えます。そのため、それらしい長さに削って貰いました。それぞれのケースは本体と上蓋の2つで出来たものを嵌めあわせます。開いてみると画像231のようになっています。
左側が本体、右側が上蓋です。上蓋には上面にフランジが付いています。本体は軽くザグってあり、そこに目盛を印刷した用紙を貼りつけます。上蓋フランジと本体の間には僅かな隙間を設けてあり、透明板を挟んでガラスの感じを出す予定です。出来上がったらば艶消しの黒で塗装して、Φ1.4の微細ネジで計器盤の後から取付ます。
3) ターンバックル
今回製作して貰ったターンバックルは曳航索リリース機構とそれを作動するサーボの間に入れるものです。直径3mmの細い真鍮棒を削って作って貰いました。小さなものですが、分解するとこのように3点で構成されています。
片側は正ネジ、反対側は逆ネジが切られてあり、真ん中の部分を廻すと左右のロッド部が伸縮します。
尚、同じ機構で一回り大きい直径5mmの真鍮棒で作って貰ったターンバックルは、既にラダー及びエレベータ操縦系統に取り付け済です。これで懸案の金属部品も揃いました。
製作その47 キャノピー付属品
キャノピー付属品
キャノピーには次の4つの付属品があります。
- ヒンジ:キャノピーを開閉する時に支点となるヒンジでキャノピーフレームの右側にあります。
- ロック機構:不用意にキャノピーが開かないようにロックする機構でフレームの左側にあります。
- キャノピー開時の保持機構:キャノピーを開けた時に反対側に倒れないよう保持する機構です。
- 後部キャノピー固定機構: 固定式の後部キャノピーを固定する機構です。
これらの部品を作ってキャノピーフレームと機体構造に取り付けました。
付属品の取付状況図
これが完成したキャノピー付属品の全体取付状況を示す写真です。
右側キャノピーフレームの外側にヒンジが、左側フレームの内側にロック機構が、両フレームに跨って開時の保持機構が写っています。
1) ヒンジ
ヒンジはフレーム右側の前後2か所に取り付けられています。
2) ロック機構
画像235がロック機構の写真です。左フレームの内側に前後にスライドする機構が取り付いています。
前席または後席で機構の両端に取り付けられた球体を前側に押すと、スライドしてロックされます。ロック解除は球体を後方に引きます。スライド機構の中央は画像236のようになっています。
ピアノ線の先端が機体側に取付けられた導管の間を出入りします。写真はロック状態で白い部品が導管です。機体側導管は画像237のように左側縦通材に取付いています。
此処までは実機と同じ機構ですが、実機には無いこのようなレバーを取り付けてあります。
これはスライド機構に接続された薄板のレバーで、機体の外側に顔を出しています。これは機外から機構を操作する為です。実機ではキャノピーの小窓を開けて、そこから機内に手を差し入れてスライド機構を操作しますが、模型では小窓を設けても手が入らないために設けた機構です。
3) キャノピー開時の保持機構
キャノピーを開けるとその重さの為に開きすぎて機体側面に衝突してしまいます。そこでこれを防止する為に保持機構がある訳です。保持機構はフレームに取り付けられたパイプ製の山形構造の3か所と、機体側をワイヤーで繋いだ簡単なものです。キャノピーを開いて保持している状況です。
パイプ製の山形構造はワイヤーを取り付けるだけのものでは無く、恐らくここを持ってキャノピーを開閉するものと思われます。因みにこの写真で先に述べたロックを機外から操作するレバーも判ります。
4) 後部キャノピー取付機構
開閉しない後部キャノピーは、その後部をピンで中央翼フェアリングに開けた穴に挿し込んでいますが、前方はフレーム下部に取り付けた金具で胴体構造にネジ留めされます。現状は製作の都合上フレーム下部にはダミーの横棒が走っているので、金具の取付はキャノピーが完成してからになります。但し金具を受ける機体側には3mmの爪付ナットを取り付けて準備して置きました。
尾翼フェアリングをバキューム製法で作って頂く
尾翼フェアリングはその石膏型の製作に失敗し今後どのようにしようかと悩んでいましたが、今回キャノピー透明部の製作をお願いしているバキューム製法の達人、長野の遠山さんに相談した所木型を送ればバキューム製法で製作にトライして頂けることになりました。
バキューム製法で製作した尾翼フェアリング
私が製作した木型は石膏型製作用のものでバルサ製です。その為かなり大きな圧力をかけるバキューム製法に耐えられるか心配でしたが、遠山さんが補強してくださいました。その木型を用いてバキューム製法で製作して頂いた尾翼フェアリングがこれです。
私が想定した0.5㎜厚の塩ビでは剛性が少な過ぎるので0.7㎜、1㎜厚のものも作ってくれました。後方の尾翼下部に伸びる部分が上手く伸びず苦労されたようで、垂直尾翼と水平尾翼の境界部分の傾斜を増す対策を施して対処されたようです。この辺は長年のバキューム製法経験のノウハウと思われます。
フィットチェック
フェアリングは垂直/水平尾翼の交点のこの部分を覆います。両尾翼にフィットする必要があります。
早速所要の形状に切り取ってフィットチェックを行いました。まず水平尾翼です(画像243)。
ピッタリでOKです。続いて垂直尾翼です。
スプリングバックで右側に隙間が空いてしまいました。しかしこの部分はフェアリングの取付方でどうにでもなりますので、問題にはなりません。
取付
結局1㎜厚製が十分な剛性が確保できて良好と言うことが判りました。早速塗装して取り付けました。塗装は機体と同じ艶消しの白です。
これで、石膏型が壊れてどうしようかと思っていた尾翼フェアリングも完成しました。
キャノピー小窓の模型確認
三田式グライダーのキャノピー小窓
三田式3型改1グライダーのキャノピーには換気等の為の小窓があります。図面にするとこの様になります。
小窓はスライド式で前席の左側と後席の右側に取り付けられています。前席小窓は後方に、後席小窓は前方にスライドして開けられます。
手持ちの1/5模型では印刷されたシールを貼って誤魔化してありますが、今回の1/3の大型機では是非この部分も再現したくなりました。しかし、小窓は開ける時にはキャノピーの内側にスライドして、閉めた時にその外表面がキャノピー外表面と一致しなければなりません。そのため実機ではスライドレールに接する小窓の裏側に板ばねを装着して、小窓が窓穴に一致した時に飛び出す仕掛けが施されています。1/3模型でこのような仕掛けが作れるのか心配なので模型を作って確認しました。
確認模型
認模型の図面です。
この図に基づいて製作した模型です。
1/3模型では小窓穴の大きさが縦41.6mm×横60.0㎜の大きさになります。1㎜厚の塩ビ板をキャノピーに見立てて、小窓の大きさに切り取りました。本来はキャノピー同様に曲面にしたいのですが、今回は平面としました。
切り取った窓の周りには同じ1㎜厚塩ビ板で作った窓枠を取り付けました。窓枠は窓本体より周囲が2.1㎜大きく作られています。この部分がスライド部になると共に、閉めた時に窓が外れない為の支えになります。窓には丸棒で作ったつまみを2つ取り付けてあります。本来つまみは透明なアクリル丸棒で作るものですが、手元に適当なものが無かった為に木製で代用しています。
レールは3mm×3mmのアクリル角棒に、1㎜厚の塩ビ板を幅7.2㎜に切出して貼りつけてあります。これを2本作ってキャノピーに見立てた板の窓穴の上下に貼りつけました。本来は組立に当たっては専用の接着剤を用いて綺麗に接着しなければなりませんが、機能確認が目的なので瞬間接着剤で貼りつけた為に、流れ出た接着剤で随分汚くなってしまいました。
機能確認
小窓をスライドして内側に格納して窓を開け、反対側にスライドして小窓がキャノピーの窓穴に一致した時に飛び出して面一になるかどうか?が確認のポイントです。レール幅は3mmで、小窓は窓枠と合わせて厚さ2mm、窓枠の厚さは1㎜なので、何もしなければスムーズに開けることができますが、当然閉めた時に窓が飛び出しません。
そこでまず、窓枠の外側でレールに接する部分にスポンジ製の隙間シールを貼ってみました。シールの厚さは5mm位あります。スポンジを潰しながら窓をレールに嵌め込みますと、開け閉めは少々きついですが何とか可能です。更に、窓穴に窓が一致するとスポンジの潰れが解放されて、上手い具合に窓が飛び出します。従ってこの方法でも機能することが確認できました。問題はスポンジが余り美しく無いということです。
次に、スポンジに変えてアルミの薄板を湾曲させて貼りつけてみました。画像247がその状態です。
アルミの薄板ではバネ効果が少なすぎて機能しないのではないかと心配しましたが、閉めた時に窓が飛び出しました。この方法でも何とかいけそうです。
結論
窓を飛び出させる方法はいろいろ考えられますが、何とかなりそうです。但し、レールを正確なレール幅で綺麗にキャノピーに貼りつけるのは結構難しそうです。色々調べてみるとネジ留めしている例が散見されます。その方が確実で綺麗に取付られそうです。
製作その48 電気配線と重量重心確認
受信機、サーボ、モーター、アンプ、受信機用電源等を搭載して電気配線をした上で座席やカウリング等も付けて重量重心を確認します。
電気配線
まずモーターを取り付けてから、アンプと受信機用電源を図面通りの機首カウリング内天板に搭載したところ、機器そのものは載るのですが100A対応のアンプの配線が太いこと、及びモーターとアンプの間の配線が意外に長く、その処理スペースが取れないことが判明しました。そこで、アンプはカウリング内天板の裏側に搭載することに変更しました。その搭載状況です。
長いアンプとモーター間の配線は、一旦天板の上に逃がして処理しています。
受信機は当初前席の下に取り付けようと配線まで済ませました。しかし前席を取り付けて受信機と座板が当たる事が判明しました。そこで後席用床板の下に変更しました(画像249)。受信機はFUTABA R3008SBです。
意外に手古摺ったのは受信機用電源S/Wとその充電コードです。S/Wに取り付けられているコードが長くその処理に困りました。当初S/Wは1/5模型と同様に計器盤に取り付けましたが、S/Wから伸びるコードの処理が綺麗に収まりません。そこでS/Wと充電口を前席床板に取り付けることで、綺麗に収めることが出来ました。
傍にある太いコードとコネクターは動力用電源の配線です。流石にこれは隠しようがありません。不細工ですが取扱い性を考えるとこのようになってしまいます。
画像251が略配線が終わって、座席やカウリング等を取り付けた状態です。
サーボ等への配線がほとんど隠れて見えないように取り付けることが出来ました。
尚、受信機FUTABA R3008SBは8chなので、当初、左右エルロンに2ch、エレベータとラダーに2ch、左右スポイラーに2ch、モーターに1ch、曳航索リリースに1chの計8chを割当てる予定でした。しかし取説をよく読むとS-BUS仕様でない普通のサーボでは7ch迄しか使えないことが判りました。そこでスポイラーは1chで左右を動かすことにしました。そのために一方のサーボにリバーサーを噛ませました。
第8次重量重心検討
久しぶりに重量重心を検討しました。それと言うのもLiPoをどこに置くかと言うことが問題になってきたからです。当初LiPoは前席付近に置くことを想定していましたが、座席を取り付けてみると置くようなスペースがありません。唯一置けそうなところは前席と後席の間です。そこは当初想定していた位置より150㎜程後です。それで重心が合うものか心配です。但し、当初の計画であった1200Wクラスのモーターから2000Wクラスに変更したことに伴って、モーターやアンプの重量も大幅に増えました。またLiPoも5セルから8セルに変更となったのでこれまた重量が大きく増加しています。更に、当初予定にない曳航索リリース機構も設けたので、謂わば重量重心は再検討となります。
そこで、胴体にこれまでに完成している機首カウリングや中央翼フェアリング、座席、尾翼フェアリング等全てを搭載して、重量と重心を実測してみました。その結果は重量は3,580g、重心はSTA660でした。
胴体には今後キャノピー550g、前席計器盤60g、後席計器盤75gが追加され、更に羽布貼りに75g、塗装に70gが予想されます。従って胴体の完成重量は4,410g、重心位置はSTA663と見込まれます。
動力用LiPoは1,050gと見込まれ、搭載位置はSTA530㎜付近しかありません。これを基に既に半完成状態にある主尾翼重量を加えて第8次重量重心計算を行ったのが下表です。
この表から全備重量は9,955gで何もしないでも重心位置はSTA839で、目標位置より若干前になりそうです。但し、目標重心位置は1/5模型と同じ位置に仮に置いたものです。
本来重心位置は一点では無く範囲があるものです。その後実機の許容重心範囲の情報を得ることができました。それによると30%MAC~40%MACです。これは主翼前縁から104㎜~139㎜で、機首から測るとSTA825~860です。従って、このままいけば重心合わせの錘を積まなくても重心が納まりそうです。
©2021 Norimichi Kawakami
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