1/3 スケール三田式 3 型改 1 製作記

12部シリーズの第8部

Norimichi Kawakami
The New RC Soaring Digest

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If you prefer you can read the English translation of this article, which was provided by the author. この記事に進む前に、このシリーズの 第7部 を読むことをお勧めします。

製作その32 座席の背とショルダーハーネス・・・座席完成

FRP部品製作用の木型製作が大変手間のかかる作業です。気分転換に以前作った座席の「座」に取り付く「背」を作って、座席を完成させました。

三田式の座席の「背」

三田式の座席の「背」は布でできています。背の下端は座に取り付き、上端はアルミ製の横棒に巻きつけ、胴体上部の縦通材に取り付けたスロットに挿しこんで固定します。図面にすると図面45のようになります。

図面45 三田式3型改1の座席

スロットには4つの穴が開いており、背の横棒を取り付ける位置を変えてリクライニング角度を変えることができます。背布の幅は下部が上部より若干細く台形をしています。背布は細いアルミ板で押さえて座に取り付けます。何故か理由は判りませんが、座に対する取付位置が前席より後席の方が前側で、結果として後席の方が前席より背の角度が緩くなります。又、座に取り付けるネジの数も前席は4本、後席は5本です。

完成した座席

図面に基づいて製作した「背」を「座」と共に機体に取り付けて座席を完成させました(画像161)。横棒はバルサ棒の両端に短いアルミチューブを取付け、その先にアクリルの先端を付けました。アルミチューブには真鍮釘の頭を打ち付けてリベットの感じを出しました。スロットはホームセンターで見つけたアルミのコ型チャンネルです。

画像161 完成した座席 下左=前席 下右=

三田式のショルダーハーネス

三田式グライダーには当然ショルダーハーネスが装備されますが、静岡航空資料館の展示機には機体が寄贈される段階で既に無くなっていたとのことで、付いておりません。従って、実際に装着されていたショルダーハーネスがどのようなものかは判らないのですが、どのように装着していたのか?と言うことは、元の機体保有者であられたKさんに図を書いて教えて頂きました。そこで今回製作するハーネスは、形状には拘らず雰囲気だけを追求することにしました。

画像162 ショルダーハーネスの付いた座席

製作したショルダーハーネス

ハーネス製作で一番厄介なものはバックルです。これは既製品を購入することにして手芸店を物色しましたが、1/3スケールのハーネス用バックルが見当たらないので、ケース等にベルトを掛けて閉めるプラスチック部品で代用することにしました。これの一部を銀色に染めて金属部分の雰囲気を出すことにしました。ベルトはそれらしい帯状の紐を購入しました。

画像162で前後席共ハーネスの通し方が判るかと思います。即ち、ベルトは頭の後ろに位置するコ型金具を通って、左右の肩を押さえながら座席後部にあるコ型金具を通り抜けて、腹の前でバックルで閉じるようになっています。ショルダーハーネスを付けると航空機の座席らしくなりました。

製作その33 後席ラダーペダル周りの足覆い

後席ペダルの足覆い

三田式グライダーには後席用ラダーペダルの周りに足覆いカバーが装着されていて、コクピットのアクセントになっています。「ペダルの足覆い」と言っても、三田式3型改1グライダーを知らない人には何のことか判らないと思います。図面で描いても中々伝わらないと思いますので、順序が逆ですが、まず出来上がったものをお見せします(画像163)。

画像163 後席ラダーペダルの足覆い

後席(教官席)のラダーペダルは、前席(学生席)の両サイドに位置して取り付けられています。つまり、教官は足を開いて前席を挟むようにしてペダルに足をかけます。この後席ラダーペダルを覆うようにして、前席の両側には足覆いが被せられています。これがコクピットでの存在感を発揮して、三田式コクピットのアクセントとなっています。従って模型でも省略できず製作した訳です。実機の足覆いはアルミ製(推定)と思われますが、1/3模型では電波障害を少なくする為にFRP製にしました。

木型製作

覆いはカーブを描いていますので、FRPで製作するには型が必要になります。型は桐の厚板を貼り合わせてブロックにして、それを削って作りました。

画像164 足覆い製作用木型

これを雄型として厚紙で形を作り、エポキシ樹脂を含浸させて覆いを作ります。

厚紙での形作り

水で濡らして柔らかくした厚紙を木型に張りつけ、そのまま一日置いて乾燥させます(画像165)。

画像165 厚紙での形作り

樹脂含浸

出来上がった紙形の両面にエポキシ樹脂を塗り、再度木型に貼りつけてから布団圧縮袋に入れて掃除機で空気を抜きました。するとエポキシ樹脂がぐんぐん紙形に浸透して良い具合に含浸しました。一日置いて樹脂が硬化してから取り出しましたが、木型に離形ワックスを何度も塗ったにも拘わらず、中々剥がれませんでした。やっと剥がすと表面の樹脂層が部分的に木型に残ってしまい、表面が綺麗ではありません。木型に接する側は覆いの内側で見えないので良しとしますが厚さが薄い感じなので再度両面に樹脂を塗りました。しかし、刷毛塗りした樹脂の為、硬化後の表面は余り滑らかではありません。仕方なく耐水ペーパーで磨き上げました。

足覆いの完成

このようにして足覆いが完成しました(画像166)。

画像166 後席ラダーペダル周りの足覆いの完成

しかし、この足覆いは何のために必要なのでしょうね?私にはその必要性が理解できません。まさか怖い教官が足で学生を蹴飛ばすことを避ける為、と言うことは無いと思いますが・・・・・・。

製作その34 中央翼フェアリング用木型

三田式の中央翼フェアリング

三田式3型改1の中央翼の上部にはFRP製のフェアリングがあります。フェアリングはコクピットキャノピー後端と後胴上部張出構造の間を繋いで、中央翼の後半上部を覆います。

側面図で見ると図面46のようになります。

図面46 中央翼フェアリングの側面図

図の青線範囲がフェアリングです。平面図では図面47のようになります。

図面47 中央翼フェアリングの平面図

フェアリングの断面形状は、先端がキャノピーに繋がるため半円形で、後端は後胴上部張出構造に被さるので山形をしています。また下面は中央翼の上面に接触するので翼型です。つまり、非常に複雑な3次元形状変化を持った構造物です。このフェアリング製作の為の準備として木型を製作しました。

製作した木型

木型は機首カウリング用木型と同じ工程を踏んでバルサで作りました。即ち3次元形状の判る図面を書いて、リブ状とフレーム状の型を複数切出し、それを組立てた上で間に厚いバルサ板を埋め込んでから整形しました。

画像167が出来上がった木型です。両脇は石膏型を作る必要上実際の寸法より広く且つ直線状にしてあります。この部分はFRP成形品が出来てから切り出そうと思っています。

画像167 完成した中央翼フェアリング用木型

キャノピーに繋がる前側と後胴上部に被さる後側は画像168のような形をしています。

画像168 前側形状(左)と後側形状(右)

整形と木目殺しに大変手間が掛りましたが、何とか形状が出来上がりました。

機首カウリング製作に先だってこの木型を用いて中央翼フェアリングを製作することで、私にとって初体験の石膏型やFRP部品作りのノウハウを獲得したいと考えています。しかし、調べて見ると木型として使用するには、石膏型の抜けを良くするために離形ワックスを塗る前に2000番程度迄の細目耐水ペーパー掛けをし、更にコンパウンドで磨き上げる必要があるようです。又、始めて使う木型では離形ワックスも8回程度掛ける必要があるようですので、前途は未だ長いようです。

その35 中央翼フェアリング製作用の石膏型

木型のWAX掛け

完成した機首カウリングと中央翼フェアリングの木型を2000番の耐水ペーパーで滑らかにした上で、コンパウンドで磨き上げました。その後離形用のボンリースワックスと言うWAXを8回塗りこみました。画像169はワックス掛け途中の写真です。

画像169 木型のワックス掛け

カウリング、フェアリングと共にもう一つの木型が写っていますが、これは製作その31に記した後席ペダル周りの足覆い製作用の型です。これら3つの木型に8回ずつワックスを掛ける作業は大変でした。

PVAの塗布

ワックス掛けが終了した時点で、その上にPVA(ポリビニールアルコール)と言う離形用液体を塗布するとのことで、説明書通りにスポンジに含ませた青色のPVAを一方向に撫でる様にして塗布しました。ワックスの上に液体を塗布すると弾かれるのではないかと危惧しましたが、杞憂でした。PVAの薄い膜が形成されました(画像170)。

画像170 木型へのPVA塗布

石膏掛け

いよいよ本番の石膏掛けです。石膏が流れ出さないように木型の周りを木枠で覆いました。木枠の内側にはプラスチックの薄板を両面テープで貼りつけて、石膏が貼り付くのを防止しました。

画像171が使用した石膏です。吉野石膏のSAKURA印A級です。

画像171 使用した石膏

説明書通りに石膏1Kgに対して水を720cc用意しました。どの程度の分量が適当なのか判らなかったので、取り敢えず1Kgとしました。バケツに入れた水に石膏をふるいでふるいながら投入して、その後1分程度放置してから擂粉木状の丸棒でゆっくり撹拌します。空気が入らないように注意が必要です。なんだかホイップクリームを作っている感じです。200回強撹拌していると若干粘りが出てくるので、お玉で掬って木型に掛けました。掛けているうちにみるみる石膏の粘度が増してきます。1Kgの石膏を全部かけ終わる頃にはバケツに残った石膏がかなり固まり始めます。どうやら私にとっては一回の作業は1Kgが上限のようで、作業はもう少しスピーディにした方が良さそうです。

1Kgを掛け終ってみると若干不足気味なので、更に500gの石膏を水に溶いて掛けました。この時、強度が心配なので間にガーゼを補強材として入れました。500gの石膏を掛け終ってみると、フェアリングの最先端と最後方の高い部分の厚さが若干不足するのではないか?と、心配になって更に500gの石膏をその部分に掛けました。結局合計で2Kgの石膏を使いました。これが石膏を掛け終った状態です(画像172)。

画像172 石膏を掛け終わった木型

木枠外し

石膏は熱を発生しながらすぐに固まり始めます。木型は熱が最高温度に達した時点で外すのが良いようなので、すぐに木枠を外しました。木枠の内側にプラスチック板を貼ってあるので簡単に外れました。

画像173 木枠を外した木型

木型外し

クライマックスの木型外しですが、形状が良いのか下処理が良かったのか簡単に外れました。随分心配しましたが拍子抜けです。木型が外れた石膏型です。

画像174 木型から外した石膏型

PVAは水に溶け易いとのことで、石膏の水分に溶けて青い色が付いています。心配した「ス」も無く非常にきれいな型が取れました。端面も綺麗です。このあと乾燥に最低一週間以上はかかるようなので、FRP貼り込みは未だ先になります。

製作その36 機首カウリング製作用石膏型

石膏掛け流し用の木枠製作

機首カウリング用木型への離形ワックスの塗りこみも完了したので、いよいよ石膏を掛け流す段階です。そこでまず木型を垂直に立て、上から石膏を流しても流れ出さないようにするための枠を4㎜シナベニアで製作しました。画像175が出来上がった木枠とPVA塗布済で石膏掛けの準備が整った木型です。

画像175 機首カウリング木型と石膏掛け用木枠

木枠の内側にはプラスチック板を貼りつけて石膏が貼りつかないようにしてあります。木枠の底は木型の底面に合わせて2か所で屏風状に折れ曲がっています。木型はこのように木枠に設置します。この上から石膏を掛け流す訳です(画像176)。

画像176 木枠に設置した機首カウリング木型

石膏は合計4Kgかけ流しました。一回当たり1Kgの石膏を720ccの水に溶いて4回にわたって掛けました。今回は中央翼フェアリングの経験がありますので、スムースに作業が進行しました(画像177)。

画像177 石膏掛けが終わった木型

2回目と3回目には補強用のガーゼを巻きつけました。4回掛け終ると1回目の石膏はもう十分固まっていますので、直ぐに木枠を外しました。

木枠外し

木枠の側面は底面にネジ留めしてあります。ネジを外すと側面内側にプラスチック板を貼った効果で石膏は付かず簡単に外れました。その後石膏を持ち上げると底面も簡単に剥がれました(画像178)。

画像178 木枠を外した石膏型

但し、木型と木枠底面との隙間から石膏が浸み込んで、木型の底面外周に石膏が少し貼りついてしまいました。

木型の取り外し

次はいよいよ木型を抜き去る段階です。まず木型底面に引っ張るための「取っ手」を取り付けます。

そして取っ手を持って引っ張りましたが、木型の底面外周に貼りついた石膏の為に容易には抜けません。画像179の写真で木型底面周囲に貼りついた石膏の状況が判るかと思います。そこでこの底面に貼りついた石膏を剥がしたら簡単に木型が抜けました。

画像179 木型外し

石膏型の完成

画像180が出来上がった石膏型です。内側の角が貼りついた石膏を剥がした時に削れて少々汚いですが、正規の境界線は木型底面より2mmの位置にありますので問題はありません。内部に「ス」も無く、上出来と言えます。これで心配した大物石膏型も完成しました。

画像180 完成した機首カウリング用石膏型

製作その37 垂直尾翼フェアリング用石膏型の失敗

これまで比較的順調に石膏型の製作が進んできましたが、今回垂直尾翼フェアリング用の石膏型作りで失敗しました。

垂直尾翼フェアリング

三田式3型改1グライダーの垂直尾翼の前縁下部は水平尾翼の取付・取外しの都合上V字型に切り欠かれています。そこにFRP製のフェアリングが取り付けられています。図面48の赤線がフェアリングです。

図面48 垂直尾翼フェアリング

垂直尾翼の切り欠かれた部分を覆い、下面は大半が水平尾翼の上面に被さります。後方はエレベータの内側を通り抜けて胴体を挟む形をしています。今回はこれを製作する為に木型から石膏型を作ろうと試みましたが失敗しました。

木型

まず木型を作りました。画像181が出来上がった垂直尾翼フェアリングの木型です。

画像181 垂直尾翼フェアリングの木型

実はこの木型は中央翼フェアリングの木型製作と同時進行で進めていたのですが、大変な手間が掛り完成が遅れました。この木型では初めてバルサで作った骨格の中に粘土を詰めて形造りました。粘土が乾いたと思って表面をサンドペーパーで磨きラッカーサーフェーサーを掛けて、更に細かい修正個所を修正していると、何とバルサ骨格との間に隙間が表れてきます。そこをポリパテで埋めて整形していると、他の部分に同じ現象が現れます。これを何度か繰り返しましたが、乾いたと思っていた粘土が乾燥し切っていないのではないか?と思い、綺麗に整形された部分を強く押してみると凹んでしまいました。バルサ骨格に周囲を覆われている粘土は、外に現れている表面だけが乾燥して、内部は空気から遮断されている為にいつまでたっても乾燥しないことが判明しました。仕方がないので折角整形した粘土を掘り出してバルサ板で埋め直して整形しました。しかし、前方部分の粘度が薄い部分は既にカッチリ乾燥していて取り出すことが出来ないので、そのまま残しておきました。それが又問題の元でした。

バルサの整形も終わって、ラッカーサーフェーサーを吹きラッカーを塗ってから耐水ペーパーで磨いているうちに、粘土部分の表皮が部分的に欠けるのです。仕方なくその部分にポリパテを埋めてまたやり直しです。しかし耐水ペーパーで磨く度に同じことが発生します。エンドレスの作業に思われましたが、何とか完成させたのが画像181の写真です。

当初機首カウリングの木型も粘土を埋めて作ろうと思い粘土の購入までしましたが、その特性が未知で不安に思いバルサに変更した経緯があります。今にして思えばこの変更は正解でした。空気に触れにくい型に粘土は不向きであることを勉強しました。

教訓6 木型の整形に粘土は使わないこと。空気に触れない部分がいつまでも固まらない。

石膏型の製作

木型の周りを枠で覆って石膏を流しました。今回は小物なので補強のガーゼを省略しましたが、それが失敗の大きな原因と思われます。残念ながら石膏を注いだ状態の写真は撮り忘れました。

石膏が固まりだしたので木枠を外しました(画像182)。

画像182 木枠を外した石膏型

次いで木型を外そうと試みましたが、木型後部が中々外れません。それと言うのも木型と木枠の隙間から石膏が滲み出して木型を覆うように固まってしまったからです。木型後部は木枠と触れ合う部分が多く、どうしてもそのようになってしまいます。外れ易い前方から木型を外そうと少し力を入れると石膏が真ん中から割れてしまいました。更に後部を外すときに二つに分解してしまいました。都合3分解です。結局画像183のような状態になってしまいました。

画像183 割れてしまった石膏型

今回は3回目の石膏型作りの上、比較的小さな物なので多少甘く見ていた罰です。この割れてしまった石膏型を補修して使うか、作り直すか、はたまた雌型を諦めて木型を雄型としてFRP製品を作るか、思案どころです。

石膏型作りのノウハウ

中央翼フェアリング用、機首カウリング用そして垂直尾翼フェアリング用と3つの石膏型の製作を通じてその要領がおぼろげながら判ってきました。今後の為にノウハウを纏めます。

  1. 型が抜けるか?上に開いた形ならば木型の下処理と木枠の製作をきちんとすれば大抵の木型は抜ける。
  2. 処理 木型は綺麗にやすりを掛け、最終的には2000番程度の耐水ペーパーで磨いた後、コンパウンドで 磨き上げる。その後ボンリースワックスを8回程度擦りこみ、最後にPVAを塗る。
  3. 木枠の内側の石膏と触れる部分にはプラスチックの薄板を両面テープで貼りつけて石膏が貼りつ くのを防ぐ。
  4. 型を木枠に据える時の注意 木型と木枠の接する所の隙間を無くすことが一番重要。ここに隙間があると石膏が浸み込んで木 型を包むように固まり、木型外しの最大阻害要因になる。両者が接する所は両面テープなどで隙 間を作らないようにするのが良いかも知れない。
  5. 石膏の扱い一度に沢山扱わない。石膏の固まりが速く全部掛け終るまでに固まってしまう。私の場合は、一 度に1Kg程度が上限である。
  6. 石膏の補強 石膏は割れ易いので心配なところには布を巻くと良い。
  7. 型外しのタイミング 石膏はすぐに固まるので掛け終った直後からまず木枠を外す。次いで石膏温度の高い内に木型を外すのが良い。この時点ならば木枠との隙間から滲み込んだ石膏も比較的簡単に崩すことができ る。

製作その38 操縦桿等

石膏型の乾燥を待つ間に操縦桿、スポイラーレバー及び曳航索リリースノブを製作しました。

三田式グライダーの操縦桿等

三田式3型改1グライダーはタンデム式複座なので、操縦桿、スポイラーレバー及び曳航索リリースノブも2つあります。操縦桿は座席中央の前方に、スポイラーレバーと曳航索リリースノブは操縦席の左側に装着されています。

完成した操縦桿等

これが完成した操縦桿等です(画像184)。

画像184 操縦桿等

操縦桿は上部がクランク状に折れ曲がってグリップが操縦者の近くに来ます。この操縦桿は先に製作したジンバル機構のアルミ管に挿しこんで固定します。ジンバル機構はエレベータサーボ及びエルロン用ダミーサーボによって動きますので、操縦桿も操舵に従って前後左右に倒れます。

スポイラーはリンクを介して胴体左側の張出構造の上に配置された前後に伸びる鋼管に接続されています。鋼管に溶接されたレバーを後ろに引けばスポイラーが立ち上がります。1/3模型ではスポイラーは中央翼に配置したサーボで出し入れしますので、このレバーはダミーです。レバーの前にあるもう一つのレバーは主車輪のブレーキレバーです。ブレーキレバーにはワイヤーが取り付けられており、レバーを引くことでワイヤーに繋がるブレーキが掛る仕組です。この模型では未だワイヤーを張ってありません。もちろんブレーキレバーもダミーです。

曳航索リリースノブは黄色の玉を引くと、それに繋がるワイヤーがリリース機構のフックを開錠して曳航索が外れる構造です。1/3模型では索リリース用サーボでフックを開錠しますが、このノブから伸びるワイヤーを滑車を介してサーボに繋ぎました。途中に弱いスプリングを設けたので開錠時にノブが後方に引かれた如く動きます。

前席を拡大した写真です(画像185)。オレンジの玉が曳航索リリースノブです。

画像185 前席周

後席です(画像186)。左側に立つ2本の濃紺のレバーがスポイラー(後)とブレーキ(前)レバーです。

画像186 後席周り

実機のグリップは滑り止めの為に縦縞が入ったゴムカバーが付いています。その感じを出すために細いワイヤーを縦に複数貼りつけてグリップを作ってあります(画像187)。

画像187 操縦桿グリップ

スポイラー操作機構を胴体左側から写した写真です(画像188)。

画像188 スポイラー操作機構

鋼管は4㎜Φの竹ひごで作りました。上から見ると胴体側面がカーブしているので鋼管も湾曲しています。鋼管は3か所で支えられています。実機は支えがネジ止めされそれを外して鋼管を取り外すことが出来ますが、1/3模型では支えが小さすぎてネジ止めできないので、竹ひごを中央で2分割してそれを短い真鍮パイプで繋いであります。真鍮パイプは抜き挿しできるように取り付けてあるので、竹ひごを機体から取り出すことが可能です。

奥に見える白いバーの先端に黄緑色の玉が付いたものはエレベータトリムレバーです。これもダミーです。これでコクピット内部の装置は計器盤を除いて大略完成しました。

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