首都・東京を“ラボ”化せよ。

BID_blog
BID_blog
Feb 22, 2018 · 13 min read

Future Innovators Summit Tokyo 2018、始動。

ARS ELECTRONICA SPECIAL ISSUE ART × INDUSTRY

オーストリアの小都市・リンツで毎年開催される世界最大級のメディアアートの祭典『アルスエレクトロニカ・フェスティバル』。フェスティバルでは、アート作品の展示に加え、さまざまなカンファレンスやワークショップが連日行われる。その中でひときわ存在感を放つのが、未来のプロトタイピングを行うサミット「FIS(Future Innovators Summit)」だ。

5月25日から27日にかけて、はじめてオーストリア以外の場所で行われる、「FIS Tokyo 2018」が開催される。そのテーマは、「東京を“ラボ”化する」こと。FIS Tokyo 2018は来る2月28日に参加者の応募を締切る。開催まで残り約3ヶ月となった今、FISでファシリテーターをつとめるVoiceVisionの田中和子へのインタビューを交えながら、FIS Tokyoがどのように東京をラボ化するのか、考察する。

未来をつくるテーブル、のつくり方

昨今、未来洞察ワークショップなどが話題を呼んでいる。企業においても、「2030年の未来像」などが議論のテーブルに上がることが少なくない。AIによる労働の代替、シンギュラリティ、ベーシックインカム、人生100年時代、人口減少社会など、企業の議論のテーブルには、さまざまなイシューが並び、それらの多くが前例のないものばかりだ。「行き先が不透明」というお決まりの台詞で片付ける前に、時にはイシューばかりではなくテーブルそのものに目を向けてみてはどうだろう?
たとえばその「未来をつくるテーブル」に、科学者やアーティスト、さらには哲学者はいるだろうか? FISは、言語や文化やバックグラウンドが全く異なる人々が集まり、未来のプロトタイプを生み出すことがその醍醐味だ。

――FISは、アルスエレクトロニカ・フェスティバルの空間で行われることが大きな魅力だと思われますが、東京で行う意図とは何でしょう?

――FIS Tokyoの議論のテーブルは、どのようなものになるのでしょうか?

2017年のアルスエレクトロニカ・フェスティバルのFISの様子。人種や国籍を超えた人々が集まる。Credit: Florian Voggeneder

――多様性という言葉が出ましたが、FIS Tokyoの目指す多様性の設計はどのようなものなのでしょうか?

credit: Florian Voggeneder

田中 和子
株式会社Voice Vision、エグゼグティブコミュニティプロデューサー/マネジメントプラナー。1998年博報堂入社。2005年、2008年、2011年と3回出産。2男1女の母。2012年4月より、はたらく母のネットワーク「リーママ プロジェクト™」を主催。2014年よりFISへ参画。

未来のイノベーターの素質、強い意志とイマジネーション

「プロトタイプ」という言葉の意味は、「まだ量産され、市場で販売される準備が出来ていない、まったく新しいタイプの機械や装置」(※)のことだ。
FISでは、まさにこの意味に沿った、まったく新しいタイプの未来を生み出すことが求められる。そのために、参加者は数日間かけて非常に濃密な議論を繰り返し、最終日に未来のプロトタイプとしてのプレゼンテーションを行う。
そのプロセスには大きく分けて3つのステップがある。

1. Unlock the creative energy. (創造性を開放する)
2. Facilitate the creative process. (創造的なプロセスを促進する)
3. Extract creative question. (創造的な問い「クリエイティブ・クエスチョン」を引き出す)

複数のグループに分けられた参加者の議論のテーブルには、アーティストはもちろん、科学者、エンジニア、起業家、社会活動家、さらには哲学者といった、世界中の異なる文化やバックグラウンドを持つ人々が集う。彼らと出会い、アルスエレクトロニカ・フェスティバルという空間の中で創造性を開放する。
次いで、田中をはじめとしたFISファシリテーターがそれらの創造性を時に導きながら、未来をプロトタイピングするための適切なプロセスを促進。参加者は専属のメンターとアイデアを議論し、プレゼンテーションし、互いにランチミーティングなども楽しんで価値観を交換し、更に議論を深めてゆく。
そして最後に、創造的な問い「クリエイティブ・クエスチョン」をつくり、未来のプロトタイプを発表する。

以下が昨年、『Artificial Intelligence — The Other I(もうひとつの”I”)』をテーマに開催されたアルスエレクトロニカ・フェスティバルで行われたFISで生み出されたクリエイティブ・クエスチョンだ。

Future Humanity Group A:
“How can AI enable us to reach new heights of humanity?”
“人工知能はどのようにして、私たちが新しい人間性の高みに近づくことを可能にするだろうか”

Future Humanity Group B:
“What should AI not decide for us and what should AI decide for us?”
“人工知能は、私たちのために何を判断すべきではなく、また、何を判断すべきか”

Future Work Group:
“How would society progress if basic needs are guaranteed?”
“基本的に必要なものや欲求が保証されたとき、社会はどのように進歩するのだろう?”

Future Home Group:
“How will Artificial Consciousness co-author the future narratives of homes?”
“人工的な意識は未来において、どのようにして家庭の物語を共に生み出せるだろう?”

――FISでは、イノベーターをどのような人々と定義しているのでしょうか?

――イノベーターとは、特殊な才能に恵まれた人々、なのでしょうか?

――クリエイティブ・クエスチョンはどのように引き出されるのでしょうか?

※Collins Free Online Dictionaryの以下の定義による。
A prototype is a new type of machine or device which is not yet ready to be made in large numbers and sold.

東京の未来に必要な「良い時間とファンタジー」

Credit: tom mesic

田中は、今年で5年目を迎えるFISに関わり続けるファシリテーターであると同時に、12歳と6歳の男児、10歳の女児を持つ、2男1女の母でもある。この取材中にもアートの話題とともに子育てのたとえ話が机上を飛び交い、温かな笑いに包まれた。田中の中でFISと子育ては同じものなのだ。中でも、田中の子育て理論のひとつ「子どもには良い時間とファンタジー」は、彼女にとって、FIS Tokyoを支える重要な指針になっている。

FIS Tokyo 2018は5月25日から27日に開催される。来る2月28日には参加者の応募を締切る。参加してみたい方はお急ぎを。当日は、くれぐれも「良い時間とファンタジー」をお忘れなく――。

TEXT BY AKIHICO MORI

森 旭彦

京都生まれ。主にサイエンス、テクノロジー、アート、その交差点にある世界・社会を捉え表現することに関心がある。様々な研究者やアーティストを取材し、WIRED、ForbesJAPANなど各種メディア、大学に関連したプロジェクトで執筆を行う。

http://www.morry.mobi

博報堂ブランド・イノベーションデザイン

Hakuhodo Brand & Innovation Design

http://h-bid.jp

Ars Electronica Tokyo Initiative

http://aeti.jp/

大家雅広 / 田中れな

BID_blog

わたしたち生活者や企業をとりまく環境は、日々目まぐるしく変化しています。人口動態、経済環境、技術革新、国際動向、複雑な環…

BID_blog

わたしたち生活者や企業をとりまく環境は、日々目まぐるしく変化しています。人口動態、経済環境、技術革新、国際動向、複雑な環境変化の中で、これからあるべき未来に対してどのような態度で向き合うべきでしょうか。BID_blogは、未来をデザインしつづけるための視点や問いかけを発信していきます。http://h-bid.jp/

BID_blog

Written by

BID_blog

BID_blog

わたしたち生活者や企業をとりまく環境は、日々目まぐるしく変化しています。人口動態、経済環境、技術革新、国際動向、複雑な環境変化の中で、これからあるべき未来に対してどのような態度で向き合うべきでしょうか。BID_blogは、未来をデザインしつづけるための視点や問いかけを発信していきます。http://h-bid.jp/

Medium is an open platform where 170 million readers come to find insightful and dynamic thinking. Here, expert and undiscovered voices alike dive into the heart of any topic and bring new ideas to the surface. Learn more

Follow the writers, publications, and topics that matter to you, and you’ll see them on your homepage and in your inbox. Explore

If you have a story to tell, knowledge to share, or a perspective to offer — welcome home. It’s easy and free to post your thinking on any topic. Write on Medium

Get the Medium app

A button that says 'Download on the App Store', and if clicked it will lead you to the iOS App store
A button that says 'Get it on, Google Play', and if clicked it will lead you to the Google Play store