ボー、ボー、ボー
(船出の音)
さて、いよいよ季刊誌「かーそる」が発売となりました。ええ、なりましたとも。
2016年の4月から、熱心な木こりのようにコツコツと雑誌作りを進めてきました。「新しい雑誌」を作るだけでなく、「雑誌の作り方」そのものも新しく作ったので、そりゃもうたいへんだったわけです(ただしむちゃくちゃ面白かったですが)。
その辺は書きたいことが山のようにありますが、今回はぐっとこらえて創刊号の紹介に注力します。
「かーそる」創刊号
この雑誌のジャンルに、あえて名前をつけるとすれば、「Intellectual Life Style Magazine」となるでしょうか。現在の言葉でわかりやすく表現するなら、「知的生産の技術」について盛り上がる雑誌です。
文章を書くこと、本を読むこと、何かを考えること……。
話題はたくさんあります。そこから1つテーマを選び、執筆陣が各々の切り口で原稿を書く。そういう体裁になっています。掲載される原稿は、論文調あり、エッセイあり、ノウハウあり、ストーリーあり、と統一した雰囲気はありません。なにせ「雑」誌ですからね。その雑多ながらも感じられる通奏低音を楽しんでいただければと思います。もちろん特集とは別に毎号掲載される連載もありますので、毎号購入する楽しみも(きっと)あります。
いや〜もう、自分で作っておいてなんですが、本当に盛りだくさんな雑誌になりました。でもって、こんな雑誌は他にはないだろうと断言できます。世の中に断言できることは少ないですが、これはもう断言しちゃっていいと思います。
で、その「知的生産の技術」について盛り上がる雑誌なんですが、創刊号のテーマは以下のようになりました。
「脱知的生産の技術」
創刊号で「脱」しちゃってるよ……。
というのは、(ちょっとばかし)冗談で、この特集が何を意味しているのかは内容をご覧頂ければと思います。また、創刊号なのでかなり気負って作ったため、メイン特集だけではなく、サブ特集もついています。そちらは、全体的にトーンが柔らかい文章が集まっていて、それもそれで結構なボリュームです。
いや〜、これだけの分量で、740円(税別)ですからね。これはもう安いんじゃないでしょうか、とだんだん通販番組みたいになってきたので、書籍の目次なんかを紹介しておきましょう。
2016年11月 秋号(創刊号) 目次
■特集1:脱知的生産の技術 ・知的よ、サラバ(倉下忠憲) ・知的はライフの中にある(Tak.) ・「技術」から「技道」へ(ruu_embo) ・技術ということ、生産ということ(いっき) ・自分が他人に 基準は自分に(choiyaki) ・人間の条件?(Go Fujita) ・誠実なステップは利己的なストーリー(Hibiki Kurosawa)
・「知的生産のフロー」を育てる(irodraw)
■特集2:私と知的生産の技術 ・4日間の見取り図をつくる(Go Fujita) ・知的生産の原風景(Tak.) ・名刺サイズの心と言葉 (Hibiki Kurosawa) ・言葉を整えるための “作業ファイル“ をつくる。(ruu_embo) ・書いてから、書く。(choiyaki) ・ノートと共に生きるということ(倉下忠憲)
・自分のスペースを見る/自分とともに見てくれるもの(いっき)
■コラム ・『アウトライナー実践入門』をめぐる風景(Go Fujita)
・アルテさんのブックガイド 『知的生産の技術』(倉下忠憲)
■巻末のあれこれ ≪刺激剤としての読書案内≫ ≪執筆者一覧≫
≪Editor’s sound≫
著者名もわかりますね。たぶん、ご存じの名前もちらほらあるのではないでしょうか。ええ、私が一人ひとり「書きませんか」と声を掛けてまわったわけです。もう、その行為だけで褒められてもいいんじゃないでしょうか(謎の自慢)。
現状(2016年11月16日8時)、「かーそる」を購入できるのは以下のサイト。
今後配信サイトは増えていくでしょうが、そのあたりは以下のランディングページに追加していく予定ですので、よければそちらもご覧ください。
「かーそる」2016年11月号 [創刊号] — Project:かーそる
BCCKSさんでは、DRMフリーのEPUBが購入できますし、なんなら紙版も買えます。どちらも特定のプラットフォーム依存から抜けられますので、その辺が気になっている方は検討してみてください。あと、BCCKSさんでは冒頭の数ページが「タチヨミ」できますので、中身をちらっと確認したい場合は、そちらをご利用ください。
というわけで、書きたいことをずいぶん押さえたので、しばらくはこのブログでも雑誌について、雑誌作りについていろいろ書いていくことになりそうです。たぶん、雑誌を並行で読みながらだとよりいっそう楽しんでもらえるのではないでしょうか、と宣伝を押し込んでおいて、ここで終わりにします。
Originally published at rashita.net on November 16, 2016.