ブロックチェーンとは何か?仮想通貨以外の可能性

Shintaro Hara
reindeer project
Published in
4 min readJul 29, 2018
Blockchainとは何か?(PDF

「ブロックチェーンにはさまざまなユースケースが考えられるが、未だにブロックチェーンと仮想通貨を切り離して考えられない人もいるようだ」

引用:エンタープライズ市場に臨むブロックチェーン――仮想通貨以外の可能性 2018 TechCrunch

ブロックチェーンは「デジタル台帳システム」だ。それがいくつかの技術的特徴によって資産管理に適した特性を持つことで、仮想通貨(2018年3月のG20声明以降、「暗号資産」との表現が的確とされる)の実現を可能にしてきた。
しかしブロックチェーン技術そのものは資産流通を支える非常にすぐれた技術だから、その用途は仮想通貨(別名、暗号資産)に限らない。例えば米スーパーマーケットチェーンのウォルマートが、中国から米国に輸送される豚肉を農場から店頭まで追跡するためにブロックチェーンを利用すると発表するなど、産業界での採用が始まっている。

GartnerはビジネスとしてのBlockchain価値は2030年時点で344兆円にのぼると予測しているが(111円/USDとして)、利用用途の広がりは未知数だ。現時点でブロックチェーン技術はまだ黎明期にあって、処理速度などの技術的課題も多い。

よってあなたがブロックチェーンを利用する、あるいはそれを利用したビジネスに投資する時、そのビジネスがブロックチェーンの特性に合致しているかは注視したほうがよい。

例えば以下のようなステップで考えるとわかりやすい。

1: ブロックチェーンで扱いたい(デジタル台帳に記載したい)資産は何か?
例:不動産、エネルギー、デジタルコンテンツなど

2: その流通を促進するため、取引の交通整理や証券化による流動性向上と、信頼性確保の両面が必要か?
例:食のトレーサビリティ向上で消費者の購買意欲を喚起するために、複雑な取引経路の追跡と改ざん不能な記録が必要。デジタルコンテンツの流通を支援するために、証券化による資金調達と二次利用のトラブルを回避する透明性ある著作権記録が必要。

3: その取引を実行するため、既存の団体や証券に頼ることはできないか?
例:当該資産を扱う上で、取引の透明性と改ざん回避を保証できる団体が存在しない。既存団体や証券を利用する際のトランザクションコストが取引の流動性に深刻な影響を与えている。

これらの情報をまとめたインフォグラフィックを作成したので、ぜひあなたのビジネスや投資判断に役立てていただきたい。

なお私たちreindeer projectは、クラウドデザインと呼ばれるクラウドコンピューティングの設計事例を無償で流通させようとしている。昨今世界的大ブームとなっているクラウドコンピューティングを、誰もが安全で効果的に利用できるようにするためだ。そしてその収集に必要なファンド形成と、二次利用のトラブルを回避する著作権記録に、ブロックチェーンを利用する。なぜなら私たちは、クラウドデザインを社会の発展に役立つ無償でオープンな社会資産と位置付けているからだ。

そうした生活や文化の発展に貢献する社会資産の流通こそ、ブロックチェーンがもつ特性を最大限に活用すべき分野であると私たちは考えている。

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