私たちが世界初のクラウドデザインプラットフォームに挑む訳(自己紹介): CEO/Founder 原 伸太郎

Shintaro Hara
reindeer project
Published in
7 min readAug 21, 2018

3つの転機とreindeer projectに込める想い

はじめまして! reindeerプロジェクトでCEOをつとめる原と申します。
今、こうして皆さんにreindeerを紹介できる日を迎えられたことに、とても興奮しています。本プロジェクトにはメンバー各々の熱い気持ちが込められていますが、私もITエンジニアとして10年以上抱き続けた想いをこのプロジェクトにしっかり込めましたので、この瞬間にじーんと胸を熱くしています。ここでは少し皆さんのお時間をいただいて、私が本プロジェクトの立ち上げに参画した背景をお話させていただこうと思います。

私は大学を卒業してすぐに化学メーカーの営業担当になりましたが、憧れていた大人達の仕事が思いのほかアナログで非効率なことに、とても驚かされました。そして頻繁な海外出張から機内やホテルといった妄想を広げるにはうってつけの環境があったことも手伝って、

いつしか自分のアイデアとデジタルの力で世界を変えるエンジニアになりたいと夢見るようになりました。

しかしそれほど甘くない現実を知ることになったのは、転職とエンジニアとしての下積みを経て、クライアントに提案をはじめた頃です。アイデア一つで世界を変えられるソフトウェア開発という武器を手に入れたつもりでしたが、システム構築にはソフトウェアと両輪をなす「ITインフラストラクチャ」という難しい側面が潜んでいることを理解していませんでした。

当時のクライアント達はとても複雑で高価なITインフラストラクチャをもっていて、そのブラックボックスに近づくために多くの時間とコストをかけなければ、どんな提案も門前払いになる状況だったのです。

思いのほか固く閉ざされたその門に、私はとても不満でした。

第一の転機:

しかしその後、あるITインフラストラクチャサービスの提供会社と組むことで状況は一変します。私はこの出会いに「システム提案の民主化のきざし」を見たと感じていました。一般に専用ホスティングサービスといわれる彼らのサービスが十分にクライアントの要求品質を満たし、受け入れられたので、システム提案活動がクライアントの既存設備に対する理解や配慮、ともなって生じる見えざる力学という高い参入障壁から解放されたのです。

そうして私は、提案の成功とともにすっかりホスティング信者になっていきました。

しかし取り扱い案件が増えると困った問題も起こりはじめます。ホスティングサービスはとても高価な設備を休みなく稼働させることで妥当な月額費用制度を実現していたので、年単位の利用契約が必要でした。

よってクライアントのサービスが突然の終了を迎えると、残期間分の支払い責任の所在が問題になったのです。私も受託開発以外に自社サービスの運営者として同様の事態に遭遇していたため、クライアントに与える影響の深刻さは、他人事ではありませんでした。

第二の転機:

そんな中、いよいよ夢のITインフラストラクチャサービス、クラウドコンピューティングの登場を目撃します。
たった1時間単位の調達契約はそれまでの私の課題を瞬時に解決し、その品質はクライアントの期待を超えるものでした。どんなに複雑なシステムのプロトタイプや事前調査も、大がかりな負荷テストも、すべてがポケットマネーで実現できるようになったのです。

その登場はまさに、システム提案における、真の民主化の始まりでした。
そして2012年にクライアントの大型案件で成功をおさめた後、私の提案はあっという間にほぼすべてがクラウドコンピューティング活用へとシフトします。

かつて日本がITバブルに沸いた頃、親が造る酒をネットで売りたい、こんなデジタルサービスを始めたいという新入社員がたくさんやってきましたが、当時の私に最初にできたことは彼らに学びのチャンスを与え、社内外に立ちはだかる決裁の壁に負けない力を育むことくらいでした。しかし今、クラウドコンピューティングがある時代にはこう言えるのです。「まずは創れ」と。

“それを作れば、彼はやって来る”

Field of Dreams, 1989

この登場を目撃した私は、クラウドコンピューティングを手放してはいけない、それを正しく活用し、民主化されたITインフラストラクチャの世界を守らねばならないと、一人熱くなったのを覚えています。

もしもクラウドは危険で不安定との評判が広がれば、ITインフラストラクチャの制御権限は再び手の届かない金庫の中にしまい込まれ、昔に戻ってしまうからです。

第三の転機:

そして2017年、私は共同創業者のIkedaと出会います。そして彼が力説する、ブロックチェーンがもたらす無限の可能性に魅了されました。
ただし私たちは他の多くのブロックチェーンプロジェクトのように、それがクラウドコンピューティングを「代替する」新たなITインフラストラクチャ(ソフトウェア実行環境)になる可能性に注目したのではありません。

むしろクラウドコンピューティングと共存し、その活用を後押しする手段としてブロックチェーン技術が利用できると期待したのです。

その頃までに私はクラウドコンピューティングの見積やデザインのノウハウを活用するいくつかのツールを自分のために作っていましたし、それらでカバーできない複雑な案件では、方々に聞き回って参考になるクラウドデザインを集めながら提案活動を行っていました。だからブロックチェーンが持つ透明性の高い情報流通基盤という特性を利用すれば、それらの活動を体系的かつ大規模にスケールさせられると考えるのはとても自然でした。

そしてその仕組みを誰もが無償で利用できるように開放することで、未だ閉鎖的なITインフラストラクチャの世界にも、オープンソースソフトウェアと同様のオープンマインドと関係者間の緊密な協業、相互発展のチャンスをもたらせると考えたのです。

それこそ、ITインフラストラクチャの民主的発展に他なりません。よって私たちはその可能性を信じ、先に触れたIkeda、プロジェクト管理を担当する共同創業者のNakamizu、デザイナーのTsuruda、関係省庁との調整を担当するリーガルアドバイザーNakano氏など多くの仲間の力をあわせてreindeerの姿を形づくり、皆さんにご紹介するに至りました。以下のWebサイトやホワイトペーパーをご覧いただければ、reindeerがもたらす未来のすばらしさを、きっと感じていただけると思います。
そして冒頭に述べた通り、そこには私の個人的な想いもしっかり込めることになりました。

アイデア一つで社会を変えたいと願う若者が、不明瞭な既得権益に抑圧されない世界をつくりたい、皆が明るく自由に羽ばたける世界を守りたい、との想いを。

私たちはreindeerが皆さんの夢の実現に役立つプラットフォームになれるよう、力を尽くします。すこしでもご関心をよせていただけたら、ぜひコンタクトしてください。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!!

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