針が溝をなぞっているだけなんだけどな
Twitterをフォローされている方はご存知かもしれないですが…レコードにハマっている。
レコーディングエンジニアをしているくせに、レコードを聴いたことがなかったのかよ!と、言われてしまえば『そうなんすよ』って答えるしかない。
もちろん、カフェやバーで流れているのは聴いたことがあるけれど、プレーヤーが何でカートリッジは何を使ってて…などという事を意識しては聴いたことがない。
あくまでBGMとして耳に入ってきていただけだった。
そんな僕がレコードプレーヤーを買ったのは、あるアーティストのLPを買った事からだった。プレーヤーを持っていないのに買ってしまった。
LPの予約と共に44.1kHz、16bit(CDフォーマット)のwavファイルがダウンロード出来たのね。それでCDを買うより、ジャケットもカッコイイし、レコードにしてみよって思ったの。
その時はプレーヤーを買うかまでは考えていなかった。
実際にレコードが手元に届き、その重量感と佇まいを眺めていると…『これ、回さないでどうするの?』という至極当然の感情がわき起こった。
レコードプレーヤー選びについてはブログにてちゃんとまとめておきたいと思うのだけど、ここでは省く。僕が買ったのは中古の『DENON DP-3700』と言うもの。
ターンテーブルはダイレクトドライブ式の『DENON DP-3000』、トーンアームは『DENON DA-305』。
シェルとカードリッッジは近くのハードオフで掘り出してきた『grace F-8L』。
うむ、初心者のくせに揃えてみると、かなり渋い選択になった(笑)
こうしてレコード生活が始まったのですが、仕事以外で音楽を聴く時間がめっきりと減っていた生活が一変。
朝も夜も聴かずにはいられないんですよね。「音」に触れていたい。
そう「触れていたい」そんな感覚。これ、デジタル再生ではなかった感覚なんですよね。聴くというより、触れるに近い。
デジタル再生の音は指向性が強く感じる。それぞれの音が「点」で飛んでくる感覚。それに対して、アナログ再生では音が「面」で飛んでくる。
この感覚を意図的にどちらかを「良い」ものとして書こうと思えば何通りかの表現を思いつくわけだけど、僕は優劣をつけたいわけじゃない。どちらにも利点と難点がある。
でも、僕はレコードの音にどっぷりとハマっているのです。
ジャンク品で売っていた、カラヤン指揮ベルリンフィル&ウィーン楽友協会合唱団、ヴィルマ・リップ(ソプラノ)ヒルデ・レッセル=マイダン(アルト)アントン・デルモータ(テノール)ヴァルター・ベリー(バス)、モーツァルト「レクイエム」(1961年10月)が今のお気に入り。
55年前に録音されているんだもんな…