2004 to 2014.

渡米して10年。アメリカで学んだこと。

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今から10年前。2004年。

Facebookがハーバード大学の学生寮でひっそりと誕生した年。日本ではMixiが大流行し、GoogleがGmailを発表した。(当時は招待制のGmailのアカウントを持っているのがクールだった。)イチローが262本のヒットを打ったのもこの年だし、北朝鮮から拉致被害者が帰国したのもこの年だ。個人的だが、その年に産声をあげた僕の甥は、すでに小学生4年生になった。

過去を振り返ると、10年とは長い年月のようで、しかしあっという間の出来事に思える。

なぜこんなことを語るかというと、僕が日本を離れアメリカに来たのも、ちょうど10年前の2004年なのだ。気がつけば10年の月日が経っていた。33年間の人生のほぼ3分の1を、異国の地アメリカで過ごした計算になる。当初と比べればあれとはいえ、未だに英語は苦手だし(日本語も得意とは言えないが)、息子の幼稚園の同級生が話していることを聞き取れず、笑顔で誤魔化すことはしょっちゅうだ。(英語のリスニングに一番の教材は子供と話すことだと思う。子供は容赦ないですよ、ほんとに。)

とはいえ、現実に青年だった僕はこの10年間をアメリカで(なんとかやり)過ごし、立派な中年にさしかかっている。仕事場では日本人は僕一人だし、不慣れな英語を言い訳にはしていられない。仕事での経験が増えるに従って、実際に手を動かすことよりも言葉を使った仕事の量も増えてきた。文章を書くエキスパートのコピーライターが考えた英語のコピーに、いちゃもんを付けることもある。(いちゃもんというと響きが悪いけど、一応建設的なフィードバックです。でも逆の立場を想像すると恐ろしい。「チョット、イッテルコト、ワカリヅライヨ。」なんて自信満々に言ってる自分は、想像しない方が身のためだ。みんな寛容でいてくれてほんとうにありがたい。)「30歳以下の○○30人」なんて特集があったとしても、(誘われたことも無いけど)もう資格を失った。最近はお腹も少し出てきた。お腹は嘘をつかない。

ボストンバックを片手に(と言うと響きはいいけど、実際はスーツケースをゴロゴロ)右も左も分からずロサンゼルス空港へ降り立った22歳の夏。

なんとか当初の目的である大学院を卒業した。就職し、恋愛し、結婚し、人の夫となり、人の親となり、小さいながらも我が家も構えた。

スーツケースにすべて収まっていた荷物は、いつのまにか大型トラック1台でも持て余すほどになった。

自分一人だった人生は、いつのまにか4人+2匹になった。

The Laws of Simplicity — John Maeda

When you’re younger: Do More. Think Less.
When you’re older: Do Less. Think More.

これは尊敬するJohn Maedaの言葉だが、僕はこの10年(それが意図していたものでないにせよ)文字通り無我夢中で周りを見る余裕もなかった。ぽんこつのエンジンを背負った飛行機は、一度立ち止まると動力を失って落ちてしまう。エンジンが壊れないようにと、なんとかごまかしながら、それでもフラフラと飛んできた。ふと頭をあげてみると、少しは遠くが見渡せるところまで来れた気がする。

ここまでなんとか来れたのも色々な方の支えがあったからだ。新芽と思ってしがみついてきた枝には、いつの間にか新しいつぼみがたくさん実っている。

これから10年は今まで周りの方の力によって培うことができた自分の体験や経験を、あらためて咀嚼しなおし、拙いながらも言葉にすることで今度は伝える側の人間になっていきたいと思う。

というわけで前置きがながくなりましたが、このブログを通じで、僕が経験したアメリカでの暮らし、そして自分の職業であるデザインなどを中心に、自分が思っていることを言葉にしていきたいと思っています。

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サンフランシスコでデザイナーをしています。もし記事に興味を持っていただけたらフォローをしていただけると嬉しいです。

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Takashi Kawashima
四苦ハック人生 in San Francisco

サンフランシスコでデザイナーをしています。Designer, Creative Director @ Google | www.takashikawashima.com | @kawashima_san | My views are my own.