Sakaba game report:Play to Mint (中編)

Play to Earnバブルを経て、掲げられた新たなコンセプト-2-

Nodra

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[日本公式]SAKABA_JP

9 min readSep 12, 2023

Play to Mintの話の続きです。書いた所、筆者の熱が非常にこもって長くなってしまいました💦ですので、前中後編とさせていただきます。恐縮です。

中編ではPlay to Mintをよりよく理解するために、具体的なゲームプロジェクトを見ていきたいと思います。実際にPlay to Mintを言葉として挙げているものや、Play to Mint(以下P2M)の考えに通じる取り組みを行っていると思うものを、例として選びました。それぞれのゲームの概要とP2Mの視点での取り組みを、順に見ていきましょう。

どうぞ最後までお付き合いください!

🎮BIGTIME

ゲーム概要

BIGTIMEは基本プレイ無料のマルチプレイヤーアクションRPGです。時空の壁が崩壊しさまざまな時代が衝突、人類は滅亡の危機に瀕しています。それを救うべく、プレイヤーは様々な時代の空間を冒険します。

手続き生成型のダンジョンにソロないしチームで挑む、ハックアンドスラッシュになっています。多様なクラスとスキルツリーによるビルドなどが魅力です。

現在はアーリーアクセス中で、ユーザーによるフィードバックと開発者によるバージョンアップが日々繰り返されています。

Link to Tweet from BIGTIME

P2Mの視点

ユーザー主導の“コスメティック”経済をエコシステムのベースとしています。コスメティックには、武器や防具のスキン、部屋の装飾品、称号、エモートやアニメーション、さらには足跡や音楽トラックなどが用意されています。このコスメティックがNFTとなっていて、運営は“デジタルコレクティブル”と呼んでいます。

コスメティックは運営からの直接販売が一切なく、一次入手する方法は、ゲーム内で素材を集めて作成するか、敵を倒したりダンジョンをクリアしたりして稀なドロップから入手するかです。コスメティックは予め供給上限が設定されその希少性が担保されています。中にはゲーム世界でたった1つしか存在しないものも。外観の提供が主で、すべてのものがゲームパワーには一切影響しないのも特徴で、Pay to Winを排除したゲーム経済を目指しています。

NFT経済のコンセプトは非常にシンプルで、BIGTIMEのゲーム世界が好きでコスメティック(見た目)が欲しい人の数と熱量に応じて回る、ユーザー主導の経済です。何の獲得を目指すのか、何を保有するのか、何をいくらで売るのか・買うのか、全てはユーザーのコントロール下にあります。

また、$TIMEというオリジナルのFTがあります。こちらも運営からの販売はなく、一次入手はゲームプレイでのみとなります。コスメティックの制作や時間短縮など様々な用途がありますが、どれも基本的にはより多くより良いコスメティックを獲得することに繋がるものです。

関連する情報として、運営が考えるゲーム経済でのプレイヤーの活動タイプ、4サンプルをご紹介します。

👦Free-to-play players🎮
レベルを上げてコンテンツのクリアを目指す。Freeで最後までクリア可能。
👧Cosmetic Collectible Collectors🎮
マーケットプレイスでコスメティックを購入、収集する。
👨$TIME Farmers🎮
エコシステムに$TIMEを供給する。高難易度コンテンツに挑むほど多くの$TIMEを獲得する機会が得られる。
👩Utility Collectible Owners🎮
コスメティックを制作する。トレードやゲーム活動で生産効率の最大化を図る。
*概ね下に行くほど資金が必要。
*上記はあくまで例であり、多様なプレイヤーがいる経済を目指す。

コスメティックの作成にも$TIMEの作成にも、Utility Collectible等の生産用アセット(NFT)が必要です。こちらは運営から一次販売があり、供給上限が決まっています。よって、ゲーム内で生産者側に回るには資金が必要です。とはいえ、アセットにはレアリティ(価格帯)があり、レンタル機能も実装予定ですので、予算に合わせた生産プレイが可能になると思われます。また、コスメティックにしても、生産用アセットにしてもプレイ中に(恐らくかなり)低確率でドロップするので、いわゆる無課金・微課金プレイヤーにも収集・生産のチャンスがあり、夢ある形になっています。

🎮Fableborne

ゲーム概要

Fableborneはペースの速い基地建設戦略ゲームと激しい襲撃を行うアクションRPGを組み合わせた、ユニークなゲームです。基本プレイ無料でモバイルファーストになっています。対戦ゲームでありながら、誰でも簡単な短いセッションで楽しめる“LUNCHTIME ESPORTS”を掲げているのも注目です。自分の島に建物やモンスターを配置して防御力を高め、他のプレイヤーの島を非同期PvPで襲撃してリソースを獲得し、リーダーボードやリーグに挑みます。現在はクローズドαとなっています。

Link to Tweet from Fableborne

P2Mの視点

“Play to Mint”と自らが呼ぶ、ALの配布方法を実行しています。ゲームをプレイして楽しむ人、有意義なフィードバックを提供する人、コミュニティづくりに貢献してくれる人、にALが渡るための手法としています。

Fableborneのプレイイベントを開催し、フィードバックやトーナメントのランクインに応じて、Free Mint権や25％～90％の確定割引ALが提供されています。Free Mint権と31％以上の確定割引ALは、このPlay to Mintでのみ提供され、DiscordやXイベントでは提供されていません。

リリース後のエコシステムの詳細は現在慎重に検討中とのことです。プロジェクトのビジョンの一つとして“DIGITAL OWNERSHIP”を掲げており、プレイを通してNFTを獲得できる要素が予定されています。

🎮Frame Arms Girl: DREAM STADIUM

ゲーム概要

Frame Arms Girl: DREAM STADIUMは、コトブキヤの美少女プラモデル「Frame Arms Girl」IPを使用した、かわいいメカガール達が登場するアクションRPGです。基本プレイ無料で今年の7月に正式リリースされました。プラモデルの世界累計出荷数は600万個以上で、アニメ化や映画化もされています。

操作は簡単でマスターするのは難しい、ローグライト＆ハックアンドスラッシュとなっています。プレイを通して育成でき保持されるステータスの他に、リプレイごとにランダムに変化する成長方向があるのが特徴です。こちらは戦闘終了後に成長がリセットされます。

Link to Youtube from Frame Arms Girl: DREAM STADIUM

※現在日本はリリース対象外です。検討中ではあるようなので、リリースされることを期待して待ちましょう。

P2Mの視点

ゲームの楽しさを拡大するためのWeb3を考え、EarnではなくP2P取引の提供に重きが置かれています。キャラクターにステータスUPやアビリティが付与される装備のE-UnitとSupport CardをNFT化して、P2P取引ができるようになっています。これらは運営からの直接販売がありません。また、オリジナルのFTの用意はなく、ゲーム内でのFTの利用や獲得もありません。マーケットプレイスでの売買は$ETHと$FNSA*を利用します。

E-Unitはゲームプレイを通して獲得できます。強化はプレイないし間接的な課金を通して行います。Support Cardはガチャ券を課金購入するか、プレイないし課金で獲得したJewelを消費してガチャを実施して獲得します。こちらの強化も、プレイないし間接的な課金を通して可能です。どちらの装備もMAXレベルまで育成することで“封印”と呼ぶMintができ、取引できるようになります。

Support Card、最高レアリティはアニメーション付きで所有欲がくすぐられる。

このゲームはパッケージではなくライブサービスとなっていて、今後も操作キャラクターやサポートカードの追加等が予定されています。その他にも、毎週のランキングの試練効果が変化するようになっています。試練効果は例えば、・敵を倒す度に操作キャラの足元にダメージフィールドが発生、・全ての敵が初回ヒット無効化、などです。そのような中で、メタが変化しNFT取引の活性化に繋がることも意識されています。

*LINEグループが発行している暗号通貨。本ゲームはLINEブロックチェーンを利用しています。

中編は以上となります。後編では、事例紹介の続きとP2Mにおける懸念点と考慮事項の整理を行います。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました!