Sakaba game report :SQUARE ENIXのWeb3プロジェクト

Web3 ゲームの魅力を解き放つ: スクウェア・エニックスのメタバースへの進出

Nodra
[日本公式]SAKABA_JP
May 1, 2023

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ここ数年、ゲーム業界最大手であるSQUARE ENIXのWeb3領域における活動が積極的です。最近では、

・NFTプロジェクト 資産性ミリオンアーサーのゲームコンテンツ開始

・Web3 PCゲームランチャー Elixirとのパートナーシップ

(ElixirはWeb2ゲームも取り扱っており、最近ではEpic Games Store ライブラリをプラットフォームに統合し、注目を集めました。)

などが大きな話題を呼んでいます。同社は中期事業戦略の中で、新規領域への挑戦として”ブロックチェーンゲーム・エンタテインメント開発”を挙げており、2つのWeb3プロジェクトが進行中です。

  1. 資産性ミリオンアーサー

公式サイト: https://shisansei.million-arthurs.com/

2.SYMBIOGENESIS

公式サイト: https://symbiogenesis.app/

どちらのプロジェクトも、Web3の観点からも非常に示唆に富んだものになっています。今回は、SQUARE ENIXのWeb3プロジェクトの魅力に迫ってみましょう。

1.資産性ミリオンアーサー

2021年から展開しているNFTプロジェクトで、SQUARE ENIXの人気IP ミリオンアーサーシリーズである「弱酸性ミリオンアーサー」を用いたデジタルシールコレクションです。

2023年4月20日にゲームコンテンツ「シール研究所」がリリースされました。ゲームを通してギアシールNFTが獲得でき、シールコレクションの一つであるキャラクターシールに重ねる事で、背景やアニメーションを加えることができます。

ジャンルとしてはいわゆるクリッカーゲームで、コンテンツのメインの流れは以下です。

1.冒険で寿司を集める

2.工場で寿司をパンツに加工する

3.泉にパンツを投げ込むとギアシールに変化する

如何でしょうか?意味が分かりませんね。この狂った世界観が話題になっています。

ドット絵やBGM、シールデザインのクオリティは高く、さすがSQARE ENIXといったところ、なぜか惹き込まれてしまいます。シールづくりも楽しいです。

そしてゲーム性以外にWeb3プロダクトの観点からも、注目すべき点が沢山見受けられます。

NFTプロジェクトとしてのユニークな取り組み

・キャラクターシールNFTとギアシールNFTを掛け合わせて1つのNFTが作れる

・シールをユーザが手軽に加工でき、ちょっとしたUGCになっている

ブロックチェーンを感じさせないUX

・Line Blockchainを用いてユーザはガス代の支払いが不要

・LINEアカウントを用いて生成するカストディアルウォレット

(普段利用しているWebサービスの認証に近い形でウォレットの作成・利用が可能)

・ユーザー間取引がLine Payで可能

・運営からのシールコレクションの購入は、クレジットカード及びLine Payに対応

ゲームエコシステムの特徴と工夫

・NFTのみでFTがない

・ユーザーが金銭を得られるのはユーザーへのシール売却でのみ

・多くのPlay to Earnに見られた、運営からユーザーへのキャッシュフロー がない

・コンテンツが面白ければ、長期的にはデジタルシールとして価値が見出 され、適正な価格が付き市場で売買されるシンプルな構造

・シーズン制の導入で、シーズン毎にギアシールの種類が変わり供給量が抑制される

・シーズン毎に多くのステータスがリセットされ、先行プレイヤーの優位

性が抑制される

・キャラクターシールは運営から1枚800円で発売されており、NFTコレクションとしてはリーズナブル

2.SYMBIOGENESIS

“10,000点のNFTコレクティブルアートにゲームユーティリティを加えたエンタテイメント”という、独創的なNFTプロジェクトになっています。リリースはまだされていません。

浮遊大陸というファンタジー世界が舞台になっていて、様々な種族と職業のキャラクターが、PFPとしてNFTコレクションで登場します。

ゲームとしては”ストーリー解放型NFTエンターテインメント”と呼ばれており、メインストーリーと各キャラクター達それぞれが持つストーリーを解放しながら世界の謎を紐解いていきます。

ゲームのメインの流れは以下です。

1-a.キャラクターが持つ物語を解放しながらメインストーリーを進める

1-b.浮遊大陸に隠されたアイテムを探し出す

2.物語のエンディングを決める最後の選択「ワールドミッション」への参加を目指す

このプロジェクトの大きな特徴は、テーマを”「独占」か?「分配」か?”とし、情報の駆け引き・戦略的なコミュニケーションの面白さをゲームのコンセプトとしている点です。GameFiの面白さの中で、敢えてPlay to Earnの要素以外にスポットを当ててきたようにも感じます。

どういった点が、”「独占」か?「分配」か?”になっているか、解説します。

このゲームはマルチエンディングになっており、エンディングを決めるワールドミッションに参加できるのは3人のみです。他のプレイヤーはエンディングを見守る形になります。

ワールドミッションでは物語の結末を決められるだけではなく、クリア報酬として貴重なNFTを手にすることができます。

ワールドミッションに行くための条件

・1~6章までのメインストーリーの全ミッションをクリアする

・ある条件のアイテムを集める

アイテムを集める方法は3パターン

・キャラクターNFTを所有することで読める物語の中のヒントから隠された場所を特定する

・マップ上を勘でタップして発見する

・アイテムはNFTになっているのでユーザー間で取引する

アイテムを探すのはとても難しく、様々なプレイヤーの協力が必要になるように設計されています。アイテムやクリアするための情報を集める必要がある中で、仲間や個人で独占しながらクリアする方法もあれば、様々なプレイヤーと協力してクリアする方法もあります。しかし最後のミッションに挑むことができるのは3人だけ。

誰とどのように協力しまたは駆け引きをするとクリアできるのか、戦略的なコミュニケーションが求められるようになっています。

Web2の中央集権的なビジネスモデルを独占と比喩し、Web3の特徴的な技術であるブロックチェーンは非中央集権的な思想で作られていて、それを「分配」と比喩し、このコンセプトになったそうです。非常に興味深いですね。

詳細な情報はまだ少ない状況ですが、ゲームのUIとしては、ブラウザ上でのいわゆるクリッカーゲームに近い形になると思われます。しかし、ただのクリッカーゲームと片付けてしまうにはもったいない、非常に野心的なプロジェクトだと思います。どのようなエンタテインメント体験ができるか楽しみです。

新興チームでさえ、過去のGameFi及びAxie InfinityやStepnなどの有名な既存プロジェクトに”ある意味ひっぱられた”プロダクトになることも多い中、どちらのプロダクトも、Web3の特徴を考え抜いた既存のカテゴリでは表現しきれない新しいものになっているのは、さすがSQUAE ENIXだと思います。

Web3市場で精力的な活動を見せるSQUAE ENIX、今後の展開が楽しみです。私達Sakabaも、ゲーム業界の大先輩に負けないようなプロダクトを出していきたいです。

参考URL

SQUARE ENIX HOLDINGS CO., LTD. 2022年5月13日開催 決算説明会資料

PR TIME 資産性ミリオンアーサー プレスリリース情報

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