Ubie SRE グローバル化の道のり 2023

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Published in
Dec 31, 2023

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この記事はUbie Engineering Advent Calendar 2023の24日目です。主にInfra/Security/Reliabilityを担当している @sakajunquality がお届けします。胃腸炎により投稿が遅くなりました。胃腸のReliabilityは低めです。根クリスマスから年末にかけて体調を崩すと仕事もプライベートも大変ということが学びです。

さて本題ですが、今回は弊社チームのグローバル化について少しまとめてみたいと思います。

なぜグローバル化するのか?

Short Answer: 社長の久保が「ん〜エンジニアのグローバル化したいな〜SREから!」と言ったので。

冗談です。それ自体は一つのきっかけに過ぎません。Ubie はJPだけでなくUSにも事業を展開しており、すでにグローバルチームが存在しています。しかしインフラや基盤のプラットフォームについてはグローバルチームに担当がおらず私が兼任している状態でした(そういう意味では自分自身はすでにグローバル化されている)。属人的に支えている部分をチームで健全に見えるようにするという意味でも私のチームのグローバル化は必須でした。

技術転機な観点では、JPの技術をUSに展開や、USでうまく言ったものをJPに逆輸入するといった循環も作っていきたいという背景もあります。おかげさまでユビーの国内の利用者が増えており新しいことを試すハードルが以前より高くなっています(システムの複雑性や影響度合いなどを考えると)。まだ比較的利用者の少ないUSで試した良いものをJPに展開することことでスタートアップとして動きが遅くならないような取り組みも行っています。

つぎに採用観点です。日本だけでは採用に苦労している部分もあり、特にインフラやSREのメンバーは事業成長に採用が追いついていません。グローバルでより広くtalentを獲得することで事業の伸びに対しての採用の遅れを最小化する狙いがあります。時差もありますが、逆に日本の深夜時間帯に他のタイムゾーンで見守れるというメリットもあります。特に救急病院や夜間診療でも利用してくださっていることもありどの時間でも信頼性を担保していく必要があります。ひとっ飛びに完全なfollow the sunをするといったことはできませんが、徐々に広げていけるといいなと思っています。

Ubie の SRE チーム

さっきからSREと言っていますが、UbieにはSREチームは存在しません(ここまで書いてそんなことある?)。インフラとか基盤とか少し言葉を濁していたのはそのためです。スタートアップでは明確にロールを分けることが難しかったり、兼任が多いため、現在はInfra/Securityチームとして活動しています。

チームの活動領域としては以下の3つを柱としています。

  • Infrastructure Engineering
  • Site Reliability Engineering
  • Security Engineering

Infrastructure Engineeringではピュアにクラウドインフラの全体のガバナンス管理、設計開発運用だけではなく昨今聞くようになった Platform Engineeringのようなところまで担っています 。この辺は同僚の @teru0x1 が記事にしてくれています。

Site Reliability Engineeringはこのチーム自体が運用してサービスレベルを維持するというよりも、各プロダクトチームが自律的に行えるように、MonitoringやObservabilityのプラクティスをEnablingすることに重きをおいています。

メンバーとしては兼任も含め8人程度で、グローバルチームと兼任してるSoftware Engineer 1人だけが非日本語話者になります。このメンバーが今回のグローバル化のスコープです。

また今まで明確にSREのようなロールを持っていませんが、実質的にEmbedded SRE のように動いてくれている@syu_cream@ShingenTaguchi といったメンバーもいます。グローバル化と合わせてCentralなSREとEmbededのSREの連携についても強化をしていこうと思っていますが脱線気味なのでそれはまたどこかで。

チーム内でのグローバル化

というわけでInfra Securityチームのグローバル化についてまとめていきます。

下準備

とにかく英語化。ということでチーム内のドキュメント、カンバンなどを最初に英語化しました。ドキュメントが豊富なわけではないのでどこまでコストはかかりませんでしたが(それはそれでなんとかしたい)、メンバーからはいきなり全部英語になって本気を感じたというフィードバックももらいました。

メンバーに共有

次にチームメンバーへの共有です。一定タイムラインを引きつつも(対話は日本語で行う慣らし期間を設けるなど)、「明日から英語で仕事するからよろしく(意訳)」とチームのメンバーに共有しました。この時点で採用されているメンバーは、採用時点では英語が公用語になるなど聞かされていないので少し心配していましたが杞憂でした。1on1では「いつかはやろうと思ってたしいい機会」と言ってくれたり一安心。

非日本語話者の受け入れ

チーム内で英語化するだけでは、十分にグローバル化の準備が整ったとは言えません。完全に日本語が理解できないメンバーにしっかり意図が伝わっているかどうか、コラボできているかどうかが重要です。

幸いグローバルチームのインド人Software Engineerが一部兼任できるということでチームに入ってくれることになりました。彼は経験が豊富ではあるもののSREの領域では経験があまりなかったため私と1on1でオンボーディングをしつつ徐々にチームに馴染んでもらいました。。また単純にチームのグローバル化として助かっただけではなく、元々自分が積極的に対応していた、USプロダクトチームからの依頼を彼が受けてくれるようにもなり非常に助かりました。

チームイベントをほかメンバーに任せる

最初チーム内の各種ミーティングでは自分が英語でファシリテーションをしていることが多かったのですが、徐々にメンバーに任せていきました。@dekokun は苦戦しつつも元気にチームを盛り上げてくれました。習うより慣れろじゃないですが、聞いてるだけではなく実際に話していくのを強化していきました。

採用

既存メンバーが英語でコミュニケーションできるようになることがグローバル化ではなく、採用を行いチームをスケールしていくことを目的としています。また英語だけにしても慣れたメンバーと話すのと初対面(リモート)で話すのではやはりハードルが違います。

採用で実施やったことについてはここでは割愛するので同僚のhatakeのnoteをご覧ください。我々のチームとしてはほぼ書類選考と面接をひたすら行っていました。自分自身英語での面接経験はほぼなく(多分GDEのcommunity interviewくらい?)、何回か数をこなして慣れていきました。

また、最初は自分とグローバル兼任のメンバーとで行っていましたが、日本人メンバーも徐々に面接に入れていきます。グローバル化すると聞かされて実際に面接をするのは次の四半期くらいかなと思ったことでしょう。まさか1ヶ月後になるとはw。最低限、自己紹介と質問いくつかをするレベルから入ってもらいつつ、技術面接で深めの質問をするところまで一緒に頑張ってもらいました。

そしてこの12月、晴れて1名の採用が決定しました。いくつかの国で募集をかけましたがインドの方にオファーを出し受諾していただきました。

これから

最後にまとめに変えて今後の展望についてまとめていきます。

まずはオンボーディングを成功させる

チームとしてはかなり受け入れ準備が整っているように見えますが、全社としてはまだまだな部分もあります。非日本語話者だからといって情報の偏りが無いようにするなどカルチャー面でもサポートが必要です。業務面、カルチャー面双方でオンボーディングしていきます。

採用の加速

来季以降も採用のヘッドカウントがしっかりあるため引き続き採用活動は行っていきます。※日本の方でもグローバル化に興味があればぜひご連絡ください。またUbieのプレゼンスはグローバルで皆無です。より候補者の方に興味を持っていただけるよう登壇など日々の取り組みをアウトプットできればと思います。

Ubie の SRE のあり方の再定義

先程 Ubie の SRE は現状プラクティスのenablingに重きを置いていると言いましたが、まだまだ理想の状態とは程遠い状況です(これについても長くなりそうなので割愛します)。人的リソースのグローバル化も含めて理想に近づけて行くかを今一度定義し直せればと思います。

UbieのSREのグローバル化は始まったばかりです。またアップデートできればと思います!

では良いお年を!

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sakajunquality
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Google Developer Expert, Cloud. Software Engineer, Site Reliability. Photographer. #kubernetes #bigquery