デベロッパーはプラットフォームによって生かされているのか、それとも殺されるのか?

たこ
Salad
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4 min readJun 6, 2017

WWDC17が開催され、iOS11を中心に様々なアップデートがありましたね。iPad系は結構進化がありました。

発表冒頭ではデベロッパーとAppに関する内容が扱われ、さらにApp Storeの大幅アップデートも発表され、ARKitもでるというデベロッパーにもちゃんとプレゼントを用意した内容でしたね。

このようにAppleはデベロッパーを歓迎し、デベロッパーに協力を求めていますが、Appleがデベロッパーを苦しめているのも事実で、これはAppleに限ったことではありません。

今回、iOS11には実に様々な実用的かつ充実した機能がたくさん組み込まれました。iPadのDockやマルチタスクなどの注目されているもの以外にも細かいものがたくさんあります。

例えば、QRコードリーダー

iOS11から純正カメラアプリでQRコードリーダーが使えます。

要は、サードパーティ製のQRコードリーダーはオワコンということです。これはデベロッパーに取ってみるとごく当たり前なことではありますが、かなり恐ろしいことです。今までQRコードリーダーで収益を得ていたデベロッパーは突然リストラされたのと同じですから。

純正カメラアプリの場合、アクセスが簡単な上、全てのiOS機器に初めから入っていますし「アプリを落とす」というのはユーザー(特にライトユーザー)にとっては少なからずハードルになるので、純正アプリでサードパーティ製のアプリと同じ機能が使えるようになった時には多くのユーザーが純正のほうをつかいだすと思われます。

ほかにも、ApplePencilによって大打撃を受けている企業もたくさんあると思われます。例えばAdonitやWacomなど。

最近は「iPadProじゃなくてもスタイラスが使えるよん」というのをサードパーティのスタイラスペンは売りにしていますが、スタイラスを使おうと考えていてまだiPadProを持っていない人は今回のiPadPro 10.5を狙っているでしょうし、そうでないライトユーザーは100均のスタイラスペンで十分ですので、それも厳しいでしょう。

最高のレスポンスをOSレベルで実現するApplePencilに敵うプロダクトはサードパーティで作るのはほぼ不可能ですので、スタイラスメーカーもかなり苦戦しているかと思います。

WWDCはデベロッパーの可能性を広げるのか、それともデベロッパー抹殺イベントなのか

WWDCは世界開発者会議の名の通りデベロッパーに様々な情報を提供するイベントですので、デベロッパーは自分たちのアプリケーションの機能強化等の可能性が広がる内容が含まれるかもしれないWWDCの発表内容には興味津々だと思いますが、同時にデベロッパーは自分たちのアプリケーションがOSにより抹殺される可能性のあるため、そういった意味でも発表内容に興味津々でしょう。

デベロッパーを生かすものとデベロッパーを殺すものがどちらもWWDCであるというのは実に感慨深いものです。

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