MagSafe充電器で純正ACアダプタを使わずに出来るだけ速く高速充電するコツ

結構速いかも

たこ
Salad
Published in
Nov 10, 2020

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iPhone12シリーズと同時に登場したMagSafeエコシステム。様々なアクセサリが背面に取り付けられるAppleの独自規格なのですが、そのアクセサリの一つにMagSafe充電器というものがあります。マグネットのついたqi充電器、みたいなもので、iPhone12シリーズを最大15Wで充電可能な無接点充電器です(今までのqi充電の場合は最大7.5W)。

しかし各メディアでは、MagSafe充電器はApple純正ACアダプタでないと高速で充電できない、実際は大して速くないなどと言われ、実力がよくわからないかわいそうな子になってしまっています。

そこで、今回はそんな哀れなMagSafeくんの実力を調べてみようと思います。

MagSafe充電器で高速充電するには

Appleの公式ページに、iPhone12シリーズでMagSafe充電器を使う際の案内が掲載されています。

これによると、MagSafe充電器で15W高速充電を使うには「9 V/2.22 A 以上の出力があるUSB Type-C充電器」が必要です。この資料ではApple純正の充電器を要求されていないので、サードパーティー製製品でもこの基準以上であれば最高性能が出るはずです。

実際に充電してみる

(USB Std-A、qi経由の充電の際に使った機器は各所に別途記載してあります)

では、早速MagSafe充電器を使ってiPhoneを充電して見ました。

結果はこの通り。

左のオレンジと赤の重なっている2本のグラフがType-C to Lightningケーブルで充電したもので、最大速度(20W)が出ていると考えられます。50%充電するのにかかる時間は25分でした。結構速いですね。

一番右のグレーのグラフはiPhone11までに付属していた5W充電器で充電した際のグラフです。50%充電するのに97分ほどかかります。朱色と茶色のグラフがqi充電器で充電したもの。Apple Storeで買ったMophieのqi充電器で充電し、7.5W出ていると考えられます。そして、緑と黄緑のグラフがMagSafe充電器で充電したものです。

グラフを比較すると、MagSafeは最大15W出力ができると言われているものの、7.5W出力のqi充電器と大差ない結果になってしまっています。

フルパワーを出すにはどうすれば…

公表値の半分のパワーしか出ないというかなり厳しい結果になってしまいましたが、どうにかしてフルパワーで充電したいところ。

先ほどのAppleの資料には、

iPhone 12 への電力供給量は、温度やシステムの稼働状況など、さまざまな要因によってつど変化します。

とあります。MagSafe充電器を机の上に置いて充電していると充電器とスマートフォンが結構熱を持ちます。

そこで、次はMagSafe充電器を冷たい人工大理石と解凍プレート(ヒートシンクと同じようなアルミ合金のプレート)の上に置いて排熱しながら充電してみました。

その結果がこちら。

青と水色のグラフが、それぞれ大理石とプレートにおいて冷却しつつMagSafe充電器で充電したものです。先ほどの結果と比べてかなり速度が向上していますね。

Appleの12W充電器(USB Std-A)の結果も黄色いグラフで載せましたが、MagSafeを冷やしながら充電すると大体12W程度で充電できるようです。しかし所々(特に水色のグラフなど)、黄色いグラフよりも傾きが大きくなっている時があるので、うまくいけば15Wのペースでより長い時間充電が可能になるのかもしれません。

まとめ

MagSafe充電器のフルパワーである15Wには届かないものの、ある程度冷却すれば12W程度で安定して充電できました。これだけみると無接点充電なのになかなかやるなぁと思いますが、MagSafe充電器を机の上にポンと置いて充電した場合は7.5W程度しか出ないのが悩ましいところです。

あとUSB-Cを使った20Whはなかなか速いですね。一度この速さでの充電を経験してしまうとMagSafe充電器を7.5W程度の速度はかなり遅く感じます。なのでやはりMagSafe充電器で充電するにはアルミスタンドかなにかをうまく活用して冷却効率をあげながら充電する方法を模索したいところです。

あとは、qi導入の際のようにソフトウェアアップデートで安定して高出力が出るようになってくれたりするといいんですが。希望は薄そう…

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