ノンバーバル・コミュニケーションが示すもの

言葉の壁を壊せ

Photographer:Brodie Vissers

▼先日、京都のGEARという演劇を観に行ったときのことだ。言葉を使わず、パフォーマンスとプロジェクトマッピングなどの舞台装置を使い観客を魅了する新しいエンターテイメントに触れる機会があった。言語を使わないので外国人にも人気の話題の公演となっているそうだ。

個性的な面々が、ジャグリングやマジック、パントマイム、ダンスを繰り広げながら一つのストーリーを完成させていく。そのやり取りがまた面白い。細部まで拘った完成度の高い舞台装置もまたこの舞台の見ものだ。

この舞台では、敢えて言語を使っていない。これには外国人観光客を取り込む為の野心的な施策であると同時に、もう一つ重要な側面を感じる取ることができる。

それは言葉の障壁を設けることで、むしろ観客の想像力を掻き立て、多くを語ることに成功しているのではないかと思う。つまりこの物語のテーマが「コミュニケーション」なのだと感じるのである。

人はひとりでは生きていけない。コミュニケーションを交わしながら繋がっていることが喜びなのだ。そこには、多様な人同士が関わり合い私達の世界が成り立っているのだと気付かされる。

▼インスタ映えという言葉が流行っている。ここでもまた言語に依存しないコミュニケーション時代の到来を感じることができる。

つまり、現代はコミュニケーションの対象がローカルからグローバルに一気に拡大していく過渡期なのではないだろうか?そのためノンバーバルで伝える必要性が増してきているのではないかと感じている。言語の壁も翻訳ソフトの進化でこれから益々感じなくなってくるだろう。これからは多くの人が仕事や遊びも含めて世界中の人と繋がりを持つ世の中になっていくのではないだろうかと思っている。

▼自分の考えを伝えることは難しい。しかし私たちはこのように文章を書くことや、対面での会話、身振り手振り、または写真や映像による伝達手段を開発しながらも、積極的に人と繋がろうとする欲求は絶えることがない。人によってはモノ作りであったり、アートであったり意思疎通の手段は多様に満ちている。そしてそこから生み出される新しい変化こそが私達の求めているエンターテイメントなのかもしれない。少し大げさなようだが、それが楽しいのである。