『ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025> 』リンダ グラットン (著)

私が読んだ書籍を紹介していくコーナー。学んだことと気付き。

金登 大典
KINTO BLOG
5 min readDec 27, 2016

--

『ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025> 』リンダ グラットン (著)

今、日本では政府の働き方改革が推進され、電通を初めてとした日本企業の伝統的労働環境が見直されようとしている。その目的は、以前から指摘されている日本企業の生産性の悪さを改善するためだ。

我が国のGDP(国内総生産)は世界3位であるが、一人あたりのGDPは26位である。このことからも、世界的に見ても日本人はよく働くが労働生産性が悪いという特殊な民族であると指摘されている。正に「ホワイジャパニーズピープル!?」と言われる所以である。

また、今までの年功序列、終身雇用の一つの企業に長く勤めるという「安泰」の時代から能動的に自ら考えて動く「創造」の時代への変化も同時に感じる。

つまり、これからは仕事だけでなく、遊び、学びを含めた私たちの人生の過ごし方そのものを見つめ直す必要があると感じる。

では、私たちはどのような変化に対応していくのか?その答えとなるヒントを読み解いてみたいと思う。例えば‥

創造性を刺激し、新しいアイデアを生み出すうえで、遊びがきわめて重要であることは古くからよく知られている。私たちは、仕事を遊びと考えたほうが仕事を愛せる。広告やデザインの仕事をしている人にとっては、空想と想像をはたらかせて遊ぶことがイノベーションの核をなしている。研究者やコンサルタントが有意義な成果をあげるためには、遊び心を発揮して問いを発し、その答えを探す姿勢が欠かせない。

つまり、好きなことをして給料がもらえるなんて、最高だ!と思える仕事を見つけることが、最高のパフォーマンスを発揮できるのではないか?今までは、お金のために我慢して働くことが当たり前とされていた。しかし、これからは誰もやりたがらない退屈な仕事はロボットやAIに代替されていくだろう。そして更に創造性を発揮することが極めて重要なファクターになってくる。いや、むしろ創造性を発揮する仕事「しか」残らないかもしれない。私たちにとって、会社、社会にとって貢献できる最良の方法は間違いなく、仕事と遊びの境界線をあいまいにすることだ。仕事が情熱を燃やせる趣味でもあるとき、私たちは最も充実した仕事ができる。

では、今後どのような行動が必要になってくるのか?本書では3つのシフトが提案されている。

具体的には、第一に、さまざまな専門技能を次々と身につけることを意識して行動し、第二に、いろいろなタイプの興味深い人たちとつながり合うために、善良に、そして精力的に振る舞い、第三に、所得と消費に重きを置くのではなく、情熱をいだける有意義な経験をしたいという思いに沿った働き方を選択する必要がある。

つまり、これからは広く浅い知識をもつのではなく、いくつかの専門技能を連続的に習得していかなくてはならない。また、人間関係資本、要するに人的ネットワークの強さと幅広さを身に付ける必要がある。私たちは、孤独に競争するのではなく、ほかの人たちとつながり合ってイノベーションを成し遂げることを目指す姿勢に転換する必要がある。そして、情緒的資本、要するに自分自身について理解し、自分のおこなう選択について深く考える能力と行動力を身に付ける必要がある。際限ない消費に終始する生活を脱却し、情熱をもってなにかを生み出す生活に転換する必要がある。

私たちは孤独に仕事をすれば、長時間労働に陥り、視野が狭くなり、退屈なアイデアしか生み出せなくなりがちだ。そこで創造的に仕事をするにはどうすれば良いのか?未来の変化に対応することが出来る働き方とは?私たちが幸せに人生を過ごすことが出来る考え方は何か?そんな事を考えるヒントになれば良いと思う。私も模索中であるが、皆でこの問題を真剣に考え、自ら答えを見つけ出せることを願っている。なので未来の働き方は決して悲観的なものではなく、楽しく人生を送るための生き方そのものであると思う。仕事を楽しもう!貴方の人生が豊かでありますように。

--

--

金登 大典
KINTO BLOG

日本書紀より伝わる香木伝来の地、淡路島でお香を作っています。写真とコーヒーが好き。 www.kinto.me