真岡鐵道で行こう。蒸気機関車に揺られるスローな旅

下館・茂木間を走る真岡鐵道真岡線

先日、栃木県益子市に行く機会がありました。普段なら車で行ってしまう場所ですが、「そういえばSLで行けるな」と思い立って真岡鐵道真岡線を利用。

正直なところ、車で行ったほうが早く目的地に到着できるのですが、せっかくの日曜日だし、運転は目も疲れるし、ちょっと頭も休めたいなと思い、蒸気機関車に乗ってみることに。

ちなみに、真に岡で「もうか」と読みます。

真岡線は、茨城県筑西市の下館駅から、栃木県芳賀郡茂木町の茂木駅までを結ぶ路線。普段はスイカのようなカラーリングの気動車で運行されていますが、土曜日と日曜日は、往復一本ずつ、蒸気機関車が真岡線を走ります。

※詳しい路線情報は真岡鐵道公式Webサイトを確認してみてください。

無骨さと精密さが同居している。

SLがホームにやってくると、お客さんたちはいっせいに記念撮影。子供たちも大喜び。SLをバックに自撮りするカップルもちらほら。みんな、新幹線がホームに入ってきたときよりも楽しそうでした。

かく言う私も、動いているSLを見るのは今回が初めてでテンションが上がっていました。乗車まで少し時間があったので、しげしげと眺めていました。

黒光りした車体。一定間隔で吐き出される蒸気。オイルか石炭か何かの香り。カッコよさ三割増しに見える運転手とホームの駅員。

なにより注目してしまったのが、車輪の部分。無骨なパーツが複雑に組み合わされながらも、正確で規則的な運動を繰り返す。無骨さと精密さという相反する要素が絡み合っている様子に惹かれてしまいました。

窓には細かいススがついている。それ越しに景色を眺めるのがまた良い。

SLの出発は、電車やディーゼル車に慣れていると、少し独特に感じるかもしれません。

最初に客車がガタっと大きく揺れ、そのあと何度か小刻みに前後に揺れながらゆっくりと加速。そして徐々に安定したスピードまで上げてゆく。

ボックス席でススのついた窓から外を眺めると、景色がゆっくりと流れていく様子が見えます。そして、時折きこえる汽笛が、いつもと違うちょっと特別な列車の旅であることを演出。

乗っているお客さんたちは、せわしない様子もなく、窓の外を眺めたり、写真を撮ったり、蒸気機関車の思い出話をしたりしながら、思い思いの時間をすごしていました。

真岡駅で停車中。

車内から外を眺めると、走るSLを見ている人がたくさんいることに気が付きます。

路線沿いに住んでいる人、お散歩中のおじいちゃんと孫、自転車に乗った中学生、鉄道カメラマン、遮断機で停車しているドライバー、など。

蒸気機関車には、みんなを引き付ける何かがあるのかもしれません。

そういえば、唯一SLに振り向かなかった人といえば、黙々と畑仕事に勤しんでいる農家の皆様。寒空の下、お疲れさまでした。

窓を開けられるので、車内にもススが入り込んでいる。

目的地「益子駅」に到着すると、やっと着いた、と思う一方、もう少し乗っていたい、という気持ちもありました。ゆっくりとしたスピードに身をゆだねて車窓の景色を楽しんでいたい…

最近頭を使いすぎだ、ちょっと急ぎすぎだ、やることいっぱいだ、というときは、SLに乗って、ゆっくりと景色を眺めてみるのもいいかもしれません。スマホもカメラもかばんの中にしまってしまえば、のんびりとした時間を過ごせます。

今回、とくに深い理由もなくSLに乗りましたが、図らずも良い時間を過ごすことができました。

「最近ちょっと慌ただしいな」と思ったら、また蒸気機関車に乗りに来ようと思います。

One clap, two clap, three clap, forty?

By clapping more or less, you can signal to us which stories really stand out.