ライフハック@広島のセミナーレポートいただきました。MPについて抜粋

佐々木正悟
Sasaki Shogo
Published in
4 min readDec 13, 2016

佐々木さんは、意志力をRPGゲームに登場するMP(マジックポイント)のようなもの、として説明をされていました。

佐々木さんがウィキペディアから引用されていた「マジックポイント」の説明を見てみると…なるほど、驚くほど「意志力」をうまく説明している感じがします。

●マジックポイントが0に近づくと魔法は使えなくなる
→意志力が0に近づくと疲労困憊で何もする気がおきなくなる

●強力な魔法ほどMPを多く消費する
→集中力を必要とするタスクほど、多く消費する

●「宿屋」で眠ると回復する
→意志力も寝ることによって回復する

●アイテムなどを使って回復できるゲームでも回復力が低かったり、アイテムの入手が困難なケースが一般的なため、宿屋で寝るのが効率的
→現実でも、意志力を回復させることは難しい(眠る以外で)

意志が強い、弱いといった捉え方をするんではなくて、MPだと考えると発想が変わってきます。

●時間があっても、MPがなければ実行できない

●午前中の一時間と、夕方の一時間では、同じ一時間でもMP残量が違うので、できることが異なる

●やりたいことは、なるべくMPを消耗していない時間帯(午前中)に配置するほうがいい

やりたいことを前に進めるためには、「時間がある」だけではなくて「MP残量」のことも考えながら、いつやるのかを決めたほうが良さそうです。

こんなことを確かに喋っていた気がします。ありがとうございます!

ご注意いただきたいのは、これはあくまで比喩であり、脳科学とか認知神経科学が「MP」なんてものを認めているわけではないということです。そりゃそうでしょう。

しかし私の中にはちょっとした確信はあり、少なくとも脳は、脳の何が、どこでとはとても言えませんが「MPがゼロだ!」は許さないということです。

そしてMPは、しょっちゅう使われてしまいます。寒さに「精神的に耐えること」にも使われれば、お小言に「精神的に耐えること」にも使われれば、彼氏の顔色をうかがいながら自分なりの「精神的気丈さを保つこと」にも使わるのですきっと。

こういうケースでもそうですが、私が思うに、MPを要するのは寒さ、お小言、顔色伺いそのものというよりは、そうすることの精神的なストレスに対応する何らかのプロセスで消費されるはずなのです。

もちろんそれは、意識的に精神的努力をすることもあれば、無意識のうちにやってしまうこともあります。そしてそれに付随して、脳内でMPが使われる。ここは意識的にはできない。意識的にできたりできないのは精神的努力だけです。それに付随するMP消費はもっぱら不随意に為される。これはちょうど、肉体を意識的に使うことができますが、そのプロセスは無意識に任されているのとよく似ています。

こういう思考実験に対して、もっとも有用だと私が思うライフハック(心理ハック)は、MPのあるうちに、MPをたくさん要するような活動をすませるべきだということ。つまり学校でよく言われていた、勉強は午前中ということです。

しかしこれがこれだけならば、たぶんこんなにあれこれ考える必要はないでしょう。勉強は午前中にした方がいいという、込み入った説明が得られているだけです。

この前段階に必要なのが、勉強を午前中にしないとき、私たちがいったい何をしてしまうのかという事実の記録と心理的なメモであり、そこから、MP不足時にいかに勉強をしようとしても無理であるかという主観的な事実の描写を得ることです。

要するに「朝、勉強しようとしてもやれなかった」「昼にしようとしてもやれなかった」「夕方もやらなかった」という記録をとり、それを徐々に細かく記載していくのがライフハックになるのです。

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