Satori Times インタビュー第1弾 ~ 今野 敏晃氏 ~

”多様な考え方を吸収し、人間力に厚みを。見聞を広めるツールとして期待”

スペインの名門サッカークラブ、レアルマドリード財団フットボールSCHリレーションシップディレクターとして、世界を股にかけ育成に尽力している今野敏晃氏。子どもたちの育成という視点から「Satori Books」がどう映るのか、話を聞いた。


- スポーツを通した「人間育成」という点に於いて、世界と日本との差を感じることはありますか。

私のレアルマドリード財団での役割は、
 ● スポーツ活動の価値や、育成を通して参加する子どもの個性を発展させる力になること
 ● スポーツに関連するすべての文化的側面を促進し普及させること
です。実際に今、世界9か国でサッカーの普及に関わっています。小学生くらいの子どもとの関わりが多いのですが、世界の子どもと比較して日本の子どもは、言われたことは忠実にやれる分、自分自身での判断や決断が苦手な側面があります。今の子に限らず日本人は伝統的にそう育ってきた部分が大きいのだと思います。その根底には特有の「思考」があります。思考というのは、自分がインプットしてきたものが大きく反映されます。

島国である日本は、陸続きの国と違って他国の文化を受け入れにくい環境にあります。つまり、考え方の多様性が乏しい、もっと言えば自由さが足りないと感じます。引き出しがすくないとも言えるかもしれません。
良い意味では自国の文化を保護してこれたという見方ができますが、独自の言語が発達したこともあり、他国とのコミュニケーションにおいては初めからハンデキャップを負っている部分は事実ですし、それが多文化交流をするうえでの大きなハードルになっています。


- Satori Booksのサービスをどう受け止めましたか。

私はこれからも様々な価値観や多様性を持った子どもたちをどんどん育成をしていきたいと思っています。子どもの育成に於いて「どんな思考の子どもに育つか」は周りの大人が「どういう思考で何を伝えるか」という環境に大きく依存します。
つまり、子どもにどのような環境を作ってあげるか、大人が自分自身の思考をどう変えていくか、大人自身がどう成長するかということがとても重要になります。
とは言っても、いきなり子どもを連れて世界中を旅して多様性を一緒に体験するなんてことは現実的ではありませんよね。

私は自分の引き出しを増やすためには書籍が一番だと思っています。
様々な本を読み、見聞を広め、多様な価値観を吸収することはとても価値があります。
私自身、高校を卒業しイタリアに渡りました。イタリアに関する文献や書籍などを可能な限り読み、知識や文化をできるだけ理解しました。事前に理解を深めておいたことは後にとても役に立ちましたし、新たな国に行く度に続けていることです。それだけで現地の人々との交流も理解もケタ違いにスムーズにいきます。
しかし当時は、日本語訳された本も少なかったですし、実際に現地に行くまでは実態はわからなかったのでもっと翻訳本があれば…というのが正直なところでした。
そういった経験から、Satori Booksが実現すれば、今よりも飛躍的に多様な考え方を吸収できるようになるのが想像できます。
更に言うなら、単に読むだけでなく「ユーザー交流できる」というのが素晴らしいと思います。本からのインプットに加えて、国境や言葉を超えたユーザー同士が交流できることで、一層様々な考え方への理解が深まり、自分に吸収していけると思います。
まずは親が率先して変わっていく、子どももそれを見て当たり前のように多様性を吸収し、最終的には親子で考え方について議論をするようになるのが理想ですね。

自分がサッカーやスポーツを通じて関わる親子にも、是非勧めてみたいです。


今野敏晃(こんのとしあき)/スポーツコンサルタント
レアルマドリード財団フットボールSCHリレーションシップディレクター/株式会社グラスルーツ代表取締役 /ATOM Milano Japan代表/ASRスポーツアカデミーCBO