スポーツ、発展、自分の強み

カンボジアの各スポーツ連盟にワークショップをさせてもらって痛感したこと

Kenji Nakamura
SD-LAB
4 min readMay 15, 2017

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カンボジアの内戦、特にポルポト派の時代に、多くの人が虐殺されたことは広く知られています。ポルポト派が政権を奪取した時に、スポーツ選手も虐殺されました。原始共産制を標榜するポルポト派にとっては、農民から搾取した税金で、働かずにスポーツばかりするなんてもってのほかだ、という理由だったようです。

現在のカンボジアは、目覚ましい勢いで社会と経済が復興、発展を遂げています。サッカーやバレーボールなど、スポーツを楽しむ人も増えています。そんな中、国としてもスポーツのレベルアップ、スポーツの普及に力を入れています。

スポーツは、人間の健全な成長に大きな役割を果たします。心身の健康、規律心や協調性の醸成など、その効果はいちいちあげるまでもありません。実際、僕たち日本人も、小学校の体育の授業、中学高校などでの部活動などでその効果を体験していますよね。

持続可能な開発のための2030アジェンダ宣言でも、こう謳われています。

「スポーツもまた、持続可能な開発における重要な鍵となるものである。我々は、スポーツが寛容性と尊厳を促進することによる、開発および平和への寄与、また、健康、教育、社会包摂的目標への貢献と同様、女性や若者、個人やコミュニティの能力強化に寄与することを認識する。」

そんな折、カンボジアのスポーツ界を牽引する組織である、カンボジアオリンピック委員会(NOCC: National Olympic Committee of Cambodia)から依頼を受けて、カンボジアの各スポーツ連盟の人たちに、チームワークに関するワークショップをしてきました。

オープニングセレモニーの様子は現地メディアに取り上げられました。

机左が僕、その右がオリンピック委員会会長で現観光大臣のトンコン氏、その右がオリンピック委員会事務局長のチョムラン氏

ワークショップで僕が学んだこと、感じたことの詳細はまたお話ししますが、参加者である各スポーツ連盟のマネジメントチームの人たちの学ぶ意欲はとても印象的でした。特に、みんな一方的な講義型の学習に慣れているため、僕が行うアクティブラーニングはとても新鮮で、楽しく学べたようです。もちろん、居眠りする人は一人もいませんでした。笑

ちなみに、僕は何かのスポーツの専門家ではありません。でも、自分の専門である「学びの場作り」で、この国のスポーツの発展に関わることができました。いわゆる「国際協力」という既存の枠に無理やり自分をあてはめる必要なんてありません。自分の強みを磨いていけば、想像力次第でいくらでも国際協力をする機会はあります。あらためて、そのことを痛感しました。

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