インフラエンジニアはエンジニアリングマネージャーの夢を見るか あるいは とある組織における1on1試行錯誤の過程 1

ntk1000
seedscompany
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6 min readDec 15, 2018

浅野です。

風邪で1週間近くやられておりすっかりadventの自分の担当分を落としてしまいました…

エンジニアとしてはインフラをメインとしつつ、メンバーと1on1や採用などを担当しています。

この記事ではseedsで行っているエンジニアとの1on1について紹介したいと思います。

1on1とは

メンターとメンティーの間で1対1で行う面談の場です。評価面談のように中長期的な間隔で行うものではなく、短いサイクルで定期的に面談を行い、メンターがメンティーの言葉に傾聴しつつ、適切にフィードバックを与えることでメンティーの成長を促進することが主な目的となります。

なぜ1on1をはじめたのか

実を言うと私自身、ここ数年は人と話すこと、とりわけ人とサシで話すことが極端に苦手になっていました。何を話題にしよう?相手の話にどう返すのがよいだろうか?そんなことを事前にあーだこーだ心配してしまい、話が盛り上がらないと自分を責めて悪循環に陥る…そんな状態でした。飲み会とか同期、同窓生の集まりが怖い…くらいの勢いでした。

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1on1との最初の接点は自分のマネージャー(非エンジニア)との面談でした。最初は何を話したか覚えていないのですが、何を話せばいいのかさっぱりわからなかったことだけは鮮明に覚えています。ただ不思議なもので、その面談が定期的に予定に組み込まれていると理解していると、日々の仕事の中でこれは後で相談したいな、共有したいなというトピックが溜まってくるのです。回数を重ねるうちに自然と何を話せばいいのかと悩むことがなくなっていました。また、悩みや自分の中のもやもやを言語化して他者に説明することでクリアになる・スッキリするという経験も大きかった。とりあえず吐き出したい、吐き出しきってから次に行きたいってことありませんか? 私はある。飲み会でやれよって話かもしれないのですが、すっかり飲み会から遠のいていたので、自分は吐き出すことすら忘れていたのでした。

そんなこんなで自分と他のエンジニアメンバーの関係性に自然と目が向くわけです。当時の状況としてはプロダクト毎のエンジニアチームが2つ、自分はインフラ担当として両方に関わり、仕事も半々で存在。両チームともリーダー不在の状況で、年長者の自分がその役割を(暗に?)期待されているものの、色々力量不足で正式なポジションとしてはなれていない状態。奇しくも両チームとも大きめのリリースを直近、同時期に控えている状況…(2017/11 ~ 12頃の話です) どちらのチームも関わり方を疎かにしてしまうとヤバそうだという感覚がありました。ならばインフラという枠を超えてもう少し自分から関わっていこうと。

1on1コトハジメ

最初はとにかくメンバーと話ができる、話をしてもらえる関係をちゃんと築こうとしていました。定期的に時間をとるのと同時に頻度が適切かヒアリングしたり、進捗管理の場ではないから、全体で話しにくいことや自身の悩みや思いを話してほしい、負担に感じることはないか、これからどうしたいか等々…切り口をいくつか用意しておいて、その人が一番饒舌になるトピックについて、ひたすら話を聞く、相談相手になるということに徹していたと思います。大体一人あたり30分枠で隔週実施していたのですが、初期は1時間前後になることが多かった。幸い、メンバーは聞くと色々話をしてくれたのでした。これはありがたかったです。

隔週とはいえ10人のメンバーそれぞれと話すだけでは自分の頭が追いつかない(最近特に記憶力が衰えた…)と思ったので、毎回話した内容は雑に細かくメモにとりながら面談しました。ホワイトボードに自分の理解した内容を板書しながらメンバーと議論したり、終わりかけに次のアクションを決めて次の面談ではその振り返りを起点にしたり、基本的にはメンバーの意見を傾聴することに努めながら、ゆるく試行錯誤していました。

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あとこれは完全に蛇足ですが、人と話すことが苦にならなくなりました。正直、これは1on1だけでなく採用面接もするようになったので、そんなこと言ってられなくなったというか、こちらから話を聞き出すスキルを磨かないと面接がうまくいかないので自然とそうなった感覚がありますが…
ただ、1on1を自分でやってみて、沈黙が必ずしも悪いことではないことや相手の話題に対してうまく返すよりもちゃんと聴いてあげることが必要だと知れたのは大きかったかな、と考えています。

次回は現時点の1on1の運用としてSL2というリーダーシップの方法論を取り入れたやり方について紹介したいと思います。

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