地域に必要な「コミュニティ」と「プロジェクト」を編集する人材

junyamori
4 min readNov 28, 2016

--

11月26日に奈良県川上村でライティング講座の講師をしてきました。

コミュニティデザインを日本各地で仕掛けているstudio-Lが、現在村づくりに取り組んでいる奈良県川上村。

会場に向かう途中の様子

吉野川の源流に位置する「水源地の村」で開催される「地域メディアを考える」連続講座の初回を担当させていただきました。

今回は取材の仕方やインタビューの仕方についてのレクチャーやワークショップを実施したのですが、今回の連続講義の目的は単に文章を書ける人を増やそうというものではありません。

コミュニティを編集する

事前の打ち合わせの際にも出ていたのが、「コミュニティエディター」を育成したいという話。ここで言うコミュニティエディターとは、地域に入りコミュニティデザインを行いながら、情報発信の担い手にもなるという人材のことを指します。

元々、メディアとコミュニティは表裏一体であり、メディアの編集に携わる人間はコミュニティを編集しているのだという意識が必要だ、との考えは持っていました。が、地域コミュニティにおいてはまた異なった価値の発揮の仕方ができそうです。

話に出てきたコミュニティエディターに担ってもらいたい内容は、下記のようなものです。

  • フィールドワークを行い地域の魅力を発見
  • 人々と関係を構築し、活動の価値や進捗を知る
  • 企画化し、情報を内外に発信する
  • 一つ一つの事例だけではなく地域全体をメディアとして捉えて情報を発信する

編集者的な動きでありながら、対象となるフィールドが地域となると、また違った価値が発揮できそうです。

コミュニティマネージャー養成講座といった活動を行っていますし、ライティングや編集についての講座を提供している「sentence」も主宰している立場からすると、コミュニティエディターという役割は共感するものがありました。

同時にプロジェクトも編集する

とはいえ、地域にはコンテンツが少ないことがほとんどです。そのままの状態ではコンテンツになりづらいものが多いと言ったほうがいいかもしれません。

「シビックプライド」「日本のシビックエコノミー」といった書籍を出されている紫牟田伸子さんは、ご自身のことをプロジェクトエディターと呼称されています。

このプロジェクトすらも編集の対象であるという考え方は、今後広く編集者にとって必要になっていくと考えられますし、活動自体が少ない地域においてはさらに求められる考え方になるはず。

プロジェクトの編集とコミュニティの編集。双方を意識しながら活動するような編集者が今後増えていくと地域の魅力が可視化されていくことにつながりそうです。

--

--