拡張する「編集」について考えるための4冊

sentenceでは11月1日(火)に、sentence lab tokyo vol.3『いま、僕たちが「編む」べきもの』を開催します。編集者、ジャーナリストの江口晋太朗さんをゲストにお招きし、「編集」の対象、プロセス、担い手の変化について考えるイベントです。

イベントを企画する際に、下記の書籍を参考にしました。この4冊について知っておくことで、イベントの楽しみ方も変わってくるはず。「編集」の進化について取り上げた4冊の書籍を紹介していきます。

『編集進化論 ─editするのは誰か?』

via Amazon

編集者/「マガジン航」編集人の仲俣暁生さんが「編集の進化」についてまとめた一冊。デジタル時代に編集者はどう振る舞うべきか、プロジェクトやコミュニティをどう編んでいくか、編集の対象は「私たちの日常」にまで及びます。

印象的だったのは、東京ピストル代表・草彅洋平さんの「私は編集者として、東京ピストルを一冊の雑誌のようにブランディングする必要に迫られていました」というフレーズ。他社と差別化し、自社の立ち位置を確立するためのブランディングにおいても「編集」の考え方は有効である。そう考えると、編集者の仕事はより広がりを持ちそうです。

『新エディターシップ』

via Amazon

「人間は生まれながらのエディターである」と、言語学者、評論家、エッセイストの外山滋比古さんは語ります。技術や作業の「編集」とは他に、編集の精神や理念を「エディターシップ」と定義。

外山さんは、人間は「外界から好ましいもののみを切り取ってきて、これを好ましいと考える全体へ関係づけることを絶えず行っている」と語ります。まるで雑誌編集者や映画監督が作品をつくるかのように、私たちは日常的に情報の取捨選択をしながら、自身のものの見方をつくっているわけです。「エディターシップ」の考えを持つことで私たちの日々の生活がどれだけ豊かになるのか、そんな視点を学べる一冊です。

『僕たちは編集しながら生きている』

via Amazon

編集者/京都造形芸術大学教授の後藤繁雄さんが主宰する編集学校「スーパースクール」の講義内容をまとめた一冊です。後藤さんは「生きること自体が編集」と語り、「生活編集術」と「編集生活術」の2つのキーワードをもとに「編集」について論じています。

「『編集』は思考を起動させる時のフォーマット」というフレーズが出てくるように、編集の技術が編集者だけのものではなく、私たちが日常的に使っていけるものであると後藤さんは主張します。書籍の中で印象的だったのは「編集者の仕事というのは、その人の才能を見つけること」という一文。編集者は才能を評価し、育てるためにどのようなスキルを身につければいいのでしょうか。その人の作品を他人の作品と比べてはいけないと後藤さんは語ります。新しい作品について「あの作品に似ている」や「過去に似た作品がある」と評価を下さないためにも、編集者は独自の視点を日頃から養う必要があるわけです。

『これからのメディアをつくる編集デザイン』

via Amazon

「コラボレーション(協働)」、「異なるものを結びつける(編集)」、「価値のデザイン(フィロデザイン)」の3つの要素を持つ「編集デザイン」の考え方を初めて紹介。「編集デザイン」の特徴はアマチュアとプロが一緒につくるボトムアップ型の表現行為である、と本書では述べられています。

プロとアマチュアがともにメディアをつくることは、アマチュアの意見発信をサポートすること。「みんなの声」は、コミュニティから生まれることが多いです。そのコミュニティをどうデザインするのか。どのようなワークショップを開けば「みんなの声」を集めることができるのか。コミュニティを基盤としたメディアのつくり方、発展のさせ方について取り上げた一冊です。


編集する対象が、出版物やウェブに限らず、コミュニティ、プロジェクト、日常そのものに広がっていることがわかる4冊を紹介しました。

イベント当日は「編集」の変化を踏まえつつ、「編集」の対象、プロセス、担い手が多様化している時代において、編集が果たすべき社会的役割について扱う予定です。

sentence lab tokyo vol.3『いま、僕たちが「編む」べきもの――変化する編集の対象、プロセス、そして担い手』へのお申込みはコチラから。


ライティングを学び合うコミュニティ「sentence」では、オンラインサロンやスクールの運営、イベントの開催を定期的に行っています。

・オンラインサロンについて

ライティング及びメディアに関する考察の閲覧や、参加メンバー同士で記事にフィードバックをするオンラインサロンへの入会はこちら

One clap, two clap, three clap, forty?

By clapping more or less, you can signal to us which stories really stand out.