恋活アプリを勝手に考えて事業責任者にプレゼンしに行った件(前編)

kamiru78
Shibuya design engineering
8 min readJan 23, 2019

はじめに

有志で集まって半年間デザイン思考を実践してみました。みんな担当業務とは別の活動なので月に2回ほどの集まりでしたがプロセスひと通りやりきることで得られたことがあったと思います。
テーマを「新しい恋活アプリ」として、5つのプロセスを実践して、その後タイトルにある通り社内で恋活アプリを担当する事業の責任者にプレゼンする機会も得ました。その後どうなったかは最後に書こうと思います。

目標

実際に現場でデザイン思考が使えるようになる

デザイン思考のメソッドは本で読んでいるだけではわからないことが多く、実際現場で利用する際には状況に応じて細かくアレンジして使う必要があります。実際チームで実施するときに、色々な問題に直面して臨機応変に対応する必要がありました。
またデザイン思考のメソッドは基本的にグループワークなので、一人で勉強することが不可能だったりします。
デザインエンジニアリングでは、みんなで実際にデザイン思考の色々なワークを実際に試して身につけて、またそれぞれのメンバーが現場に持ち帰って実際に使えるようにしたいと思います。

半期の終わりにいくつかのプロトタイプができて、社内の人に見てもらえる状態にする

有志での活動ではありますがデザイン思考のプロセスをものづくりの現場で活かしたいという思いがあるため、社内で「あいつら何か面白そうなことやってるな」と思われることも目標にしました。

実践した5つのプロセスと採用したメソッド

  1. 共感 : いくつかのユーザー募集方法、インタビュー
  2. 問題定義 : 共感マップ、ペルソナ
  3. アイデア創出 : アイデアスケッチ、ドット投票
  4. プロトタイピング : いつくかのチームに別れて別々のツールを使用
  5. 検証 : 社内の人で実施

プロセス1つずつ詳しく書いていきます。

1.共感

一般の人にインタビュー形式で、恋愛での出会い方や恋活アプリの使い方(使っていれば)などをインタビュー形式で聞き、その結果を共感できる形にまとめることにしました。

ユーザー募集

ユーザーを探す方法自体もいろいろ試してみたかったため、いくつかのサービスを併用してユーザーを集めました。使ったサービスは、bosyu、クラウドワークス、ジモティーの3サービス。
ユーザーインタビューの相場は5,000円ほどのようですがあえて金額低めで募集してみました。

  • タイトル、説明文を入力したらbosyu.me上に専用ページができるのでそこを起点にSNS拡散をし、募集をする。
  • どれくらい応募してきてくれるかは拡散する人のフォロワー数に依存。
  • 元々繋がりがある人が来てくれるので信頼できる。
  • お金のやり取りはクラウドワークスを介して行うので安心。
  • オンラインでやりとりする前提のサービスのため、直接会ってインタビューする目的とはあわないかも。
  • 応募してくれた方によるとネットインタビューも5000円が相場とのこと。
  • (クラウドワークスの感想ではありませんが)ビデオ通話ソフトを使ったネットインタビューをしてみたがラグが発生しやすく難しかった。
    ただ、日本全国の人を対象にできるメリットもあるので実際に会うインタビューと使い分けたい。
  • 地域でわかれて募集、応募するため直接インタビュー会場まで来てもらうやりとりがスムーズにできた。
  • 募集カテゴリで迷ったが、インタビュー募集は「アルバイト」が正しく、タイトルはアルバイト募集っぽくしないといけない。(運営から修正依頼がくる)
  • 公開後すぐに応募があり応募者数も上々。

募集結果

全体で7人を募集して、6人のインタビューすることができました。年齢性別に偏りがないとベストですが、性別が男性に偏ってしまいました。募集の方法に少し改善の余地があります。
募集を行うサービスによって、報酬額の相場やユーザー層が微妙に違いがでました。
bosyuは知り合いとかになりがち、クラウドワークスはオンライン前提で若干報酬高め、意外とジモティーがユーザー数も多くて良さそうでした。

ユーザーインタビュー

7人のユーザーを2日に分けて、1人あたり30~40分でインタビューを実施しました。役割分担は、IDEO Design Kitのやり方を参考にして、インタビュアー、ノートテイカー、撮影者の3種類に分けました。
インタビュアーと撮影者は1人づつ、ノートテイカーは1~2人として、インタビューする際の人数を制限してユーザーに変なプレッシャーをかけないように工夫しました。

以下がユーザーインタビューのやり方をまとめたものです

役割
インタビュアー: 1人
ノートテイカー: 1〜2人
撮影者:1人

用意するもの
インタビュー用の部屋: 社内のMTGルームを抑えるのがどこも大変らしい、社外ならAirbnbやスペースマーケットを活用する
Amazonギフト券: 人数分
スケッチブック: メモとり用
サインペン: メモとり利用
カメラ: 撮影用
お茶菓子: 「Fearless Change パターン9: Do Food : 何か食べながら」を参考にしたのと、インタビュアーする側の栄養補給用

ノートのとり方
PCで取ってもよいが、手書きのほうが良い。
PCを使ってると、相手に無関心に見えてしまう。
手書きだと絵も書ける。
強調表現をすぐに書きやすい。
声のトーンや表情の変化もメモに落とす。
声のテンションが変わった部分は、メモに強調を付けておく

注意点
丁寧にお迎えする。
ユーザーへの質問は、インタビューしか行わない。
インタビュー以外の人が質問したいことは、インタビュー最後に質問タイムを設けてまとめて質問する。
ドタキャンは割とあるので、前日にリマインダーを送ると良い。

2.問題定義

1.共感フェーズの結果からどこに課題がありそうか探っていきます。3.アイデア創出でなんでもいいからアイデアを出すとすると収集がつかないので、このフェーズで問題をある程度絞り込みます。

共感マップ(簡易版)

インタビューから得られたユーザーの情報を、深掘りしてInsightへ落とし込みます。観察から得られた情報の裏側にある、感情の部分を言語化していきます。

やり方としては、デザインスプリントよく利用される、結果を壁に張り出してメモを取りまとめていく方式をとりました。

メモの張り出し(目線の高さで壁に貼る)
ノートを持って、気になる部分を自分ノートにメモしていく。(15 ~ 20分)
共感とインサイトの図をつくる

ペルソナ作り

共感をより強くするためにペルソナも作りました。

ペルソナの項目

名前
性別
年齢
顔写真
職業
勤務地
住居
場所
家賃
好きなこと
嫌いなこと
平日の行動(タイムスケジュール)
休みの日の行動(タイムスケジュール)

ペルソナづくりで大切なのは、かっこいいペルソナを作ることではなくて、どれくらい強い共感を得られるかがポイントです。
自分の中にその人のキャラクターが憑依できるようなペルソナができていれば、いいペルソナができていると言えます。
また1日のタイムスケジュールもつくり、より生活がイメージできるようにしました。

長くなったので「3.創造」以降は後編につづきます。

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kamiru78
Shibuya design engineering

最近の興味はデザイン思考とDeepLearningとKotlin