MS Edge と WebRTC 1.0

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shiguredo
Published in
4 min readAug 27, 2016

MS Edge が ORTC だけでなく WebRTC 1.0 に対応することは表明されているが、まだ実装中というだけなので、今後どうなるのかをまとめていきたい。

その前にちょっと ORTC について書いておきたい。ORTC は WebRTC 1.0 へ良い影響を与えた、くらいで頑張って勉強するメリットはほぼないと見ている。Firefox や Chrome が ORTC に対応することはないだろうし、Edge が WebRTC 1.0 に対応する以上はまぁ Edge のバックエンドですねくらいのスタンスで良さそうだ。

もう一つの理由として Linux の Skype の例がある。最近 Linux の Skype は Chrome から使える Web アプリとしてアルファリリースされた。

記事にも書いてあるとおり ORTC ではなく WebRTC を利用している。この辺からも、ORTC は規格としては興味深いが、追いかける必要はなさそうというのが印象だ。

さて、WebRTC 1.0 と Edge まずは実際にリリースされるのはいつごろなのかということだが、未定というのが現状だ。一応 Edge 14901 ビルドで一応 WebRTC 1.0 チェックボックスができたらしい。

ただ、まだ動かないようで、これから期待という感じだ。ブラウザ自体に組み込まれたということは、近いうちに Edge で WebRTC 1.0 が動くのだろう。

Edge の WebRTC 1.0 に搭載される機能

https://webrtchacks.com/working-to-make-edge-dull-extended-qa-for-rtc-devs/

WebRTC SFU を作ってる身としては一番重要になる Multiple Stream だが、Unified Plan という Firefox が対応している、一番新しい規格になるようでホッとしている。

DataChannel の優先順位は低いようだ。実際使っていないので自分としては困ることはないが、 P2P CDN 系で頑張っている人たちは寂しそうという印象。

暗号化周りは ECDSA に対応して、 DTLS 1.2 ベースなので安定している。Chrome は標準が ECDSA なったので、どこかのタイミングでデフォルトが RSA から ECDSA に切り替わる可能性はありそう。とは言えレガシーは捨てられないのでなんとも。

コーデックはまずは H.264 で VP8 が入ってくるかもという感じ。VP9 はまだ未定。VP9 は WebM で対応しているので頑張って欲しいところ。

https://blogs.windows.com/msedgedev/2016/04/18/webm-vp9-and-opus-support-in-microsoft-edge/

PLI は開発中だが Generic NACK は検討中ということで再送制御はファーストリリースでは搭載されなさそうなので、画質が荒れた時の復旧は PLI ベースになりそう。

必要最低限を用意するがあくまで Edge 同士がまず先。その後の Chrome や Firefox とつなぐというのは後回し感はある。ただ H.264 の対応を Chrome が入れてきたこともあり、Edge を使う場合は H.264 … みたいな流れは出てくるかもしれない。

年内に出てくれば一通りの機能は動きそうなので、Chrome と Firefox でしか動かないから、IE と Safari では動かないという表現に変えて行きたい。

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