Sora Cloud の申込受付を開始しました
本日 2022 年 11 月 30 日に時雨堂のパッケージソフトウェア WebRTC SFU Sora (以下 Sora) のクラウド版である Sora Cloud の申込受付を開始しました。
要約
- Sora のクラウド版でサーバーの構築や運用が不要
- 転送量や利用時間ではなく最大同時接続数と最大利用帯域による料金体系
- 思い切った低価格
- 自社パッケージ製品のクラウド版にこだわる
クラウド版の提供
Sora はパッケージソフトウェアとして提供しているため、ユーザー自身でサーバー構築と運用が必要です。Sora Cloud は Sora のクラウド版として時雨堂が構築や運用を行い、マルチテナンシーを実現し、提供します。
パッケージ製品を提供しているにもかかわらず、なぜクラウド版の提供を始めるのかというと、Sora でクラスター機能を実現したことにより耐障害性が高まったため、少人数のメンバーでもサービスを運用していけると判断したからです。
また、日本での WebRTC SFU パッケージ市場はほとんど敵なしになったと感じていたため、クラウド市場に殴り込みをかけることにしました。
料金体系
クラウド版の提供で一番悩んだのは料金体系です。世の中の WebRTC SFU クラウドは転送量課金(1GB いくら) か利用時間課金 (1 分いくら) のどちらかです。この料金体系は、営業や体力勝負になるのが目に見えています。
そのため、全く別の料金体系を取ることにしました。
- もともと Sora のライセンス料金でも採用している「最大同時接続数」での課金
- 「最大利用帯域」での課金
転送量や利用時間による課金とは異なり、「最大同時接続数や最大利用帯域が変わらなければ定額で利用できる」という料金体系を採用しました。
これは、今後リアルタイム配信には「常時接続」が要求される場面が増えると考えているためです。もちろん他社との差別化という目的もあります。
そして、料金は思い切って最初から可能な限り下げました。月 100 Mbps 使い放題、最大同時接続数 10 で、月 5 万円です。1 ヶ月間繋ぎっぱなしにしても月 5 万円です。もしこれが転送量課金や時間課金だと大変な額が請求されます。少なくとも 10 倍以上は差が出ると思います。
あくまで自社製品のクラウド版にこだわる
Sora Cloud はシンプルに Sora をクラウド版として提供するものであり、それ以外の付属機能などは一切提供しません。
録画ファイルの保存も S3 または S3 互換ストレージをユーザーに用意してもらい、そこにアップロードする仕組みとなっています。
今後は Sora をより便利に使うために時雨堂が開発している Sora 専用ツールのクラウド版も提供し、映像合成やリアルタイム文字起こしなども実現できるようにする予定です。リアルタイム文字起こし機能については Sora Cloud の機能としては提供せず、AWS や GCP などの Speech To Text サービスをユーザーに準備してもらってそれと連携できるようにする方針です。
Sora の機能に色々な付加価値を付けて提供するといった戦略はとりません。シンプルに自社パッケージ製品 Sora のクラウド版として提供することにこだわります。
今後
まずはログ全文検索機能、統計情報の収集機能など、Sora をクラウド化することで一部利用が制限されている機能も利用できるようにし、パッケージ版との差を埋めていければと思います。
もともと Sora 自体も継続的な開発により少しずつできることが増え、今回自分たち自身がサーバーを構築し運用する経験をすることで得られる情報や知見も増えたので、今後より一層パッケージ版の Sora も改善して行けると考えています。
引き続き Sora と Sora Cloud をよろしくお願いします。