WebRTC 利用の現実 (2018-06)

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shiguredo
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4 min readJun 17, 2018

2018 年 6 月現時点でどうなっていくのかを書いていきたい。ここで書くのはあくまで自社からみた WebRTC であって、それ以上ではない。

そのため、自社製品の WebRTC SFU を前提とした話になる。

XR (AR/VR) x WebRTC

まだまだ先だと思っていたが Oculus Go の影響なのか 360 度を遅延を少なくして配信するという世界がでてきている。

また WebXR が Chrome に来たりと、思ったより早い段階で動いているようだ。

色々お声がけいただいているので、うまくお手伝いができればと思っている。

会議システム x WebRTC

弊社製品のスポットライト機能をいろいろな企業に試してもらっている。

既存の高価な会議システムが繋がらない、不安定という中、安定して繋がるということで高評価を得ている。自社内で会議ステムを持ちたいという大きめの企業がターゲット。

実際かなり評判がよく、既存からの切り替えを検討してくれている企業が多い。

大規模ストリーミング x WebRTC

pixiv Sketch LIVE で使っていただいているような使い方がメイン。実際 pixiv Sketch LIVE の裏で動いている ImageFlux LIVE (仮) を紹介してほしいという話が出てくるレベル。

配信側を WebRTC にして、視聴側を HLS や MPEG-DASH にするという方式。気軽に配信できて、さらに大規模に配信できる。

VR 関連もこちらの需要はありそう。ブラウザというありふれたものからの配信が求められる部分。

リモートビデオチャット x WebRTC

人事から医療、そして教育、一番使いみちがある世界。とにかく 1 対 1 をベースになんでも。

この分野は特にiOS や Android での専用アプリが求められる。自社では React Native アプリ向けのライブラリを整備したりと、専用アプリリリースまでの距離を短くするための準備を進めている。

超低遅延配信 x WebRTC

今後はライブコマースだったり、アイドルの配信だったり。基本的には HLS や MPGE-DASH でも良いが、もっと遅延が少ない世界が欲しくなる部分。

多段による WebRTC での大規模配信 (最大 3000 程度) を可能にする仕組みを検討中。

IoT x WebRTC

IoT はハードに依存する WebRTC クライアントを開発する余裕がないはずなので、かなり技術力のあるところが内製でがんばる以外は来ないと考えている。実証実験レベルであれば問題ないが、ハードから起こして … となると流石に無謀だろう。

IoT 向けチップは性能が低いためハードウェアアクセラレータも必須になるため、色々課題が多い世界。

正直、覚悟を決めた会社が粛々とやっている程度だと考えている。

解析 x WebRTC

この世界にはクライアント側での処理とサーバ側での処理の二種類がある。

クライアント側は IoT よりで、ハード側で解析した映像をサーバへ送る。サーバ側は受け取った映像を解析し、クライアントへ送る。

クライアント側で安定して解析するには一定以上の CPU や GPU が必要になるため、一部のとんがった会社以外は無理だと考えている。

一旦、サーバ側での解析に進み、そのご自社サービスへという展開になりそうだと考えている。

正直 WebRTC SFU メーカーとしては、あまり代わり映えはしないという印象。一点大きい違いといえば多段構成による大規模超低遅延配信を求められることが少し増えてきたということだろうか。

基本的には配信しかない世界で、録画が少しおまけでついている程度なので大きな使いみちがどーんと現れることはないと思う。

そんな中 VR/AR という新たな世界が出てきたのは大きいように思える。

粛々とやっていく。

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