住野よる「青くて痛くて脆い」 感想

shinozw
Shinozawa’s Good Read
3 min readMar 15, 2018

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黒岩さんごめん。

「君の肝臓を食べたい」(shojinmeat project)の元ネタ、「君の膵臓を食べたい」の住野よる著の、東大の学生団体がモデルになった小説です。モヤっとしてて、熱くて、ウジウジした奴には是非読んでみて、と思います。

青くて痛くて脆い (角川書店単行本)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07B2RZMGP/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_B4MQAb55YHD1J

膵臓の次は学生団体かよ!

これを読もう、思ったのは巡り合わせでした。その団体に参加してた学生だった黒岩さんが担当編集したとFacebookに投稿していて、しかもモデルが東大ドリームネット。この団体の交流会には学生としてもOBとしても参加したことがあり、「なぜ住野よるは自分の関心領域から創作物を放ってくるのだろう」と驚いたのでした。前は肉。今回は学生団体。

それに加え、黒岩さんへの軽い謝罪の念。

自分は黒岩さんのことをだいぶ長いこと名前を勘違いして、真反対に覚えていた。しかも、無自覚にそれを本人に言ってしまったことがある。交流会で久しぶりにあったのに随分と失礼なことをしてしまった。軽いハラスメントだ。間違えたきっかけは間違いなく彼女が統括だった交流会で、胴上げで名前を呼ばれたときにそう呼ばれていたような気がしたのだ。ともあれ、本1冊かったくらいではあんまりお返しとかにはならないと思うけど、まぁ読んでみようと思ったのでした。

交流会統括を務めて、その後もDopeな学生生活を送ったと伝え聞く黒岩さんと、「君膵」の住野よるだから、さぞ呼んでいて恥ずかしくなるような熱い本だと思って読み進めると、本当にその通りで、小説とはいえ登場人物にこんな面倒くさいセリフや心情吐露させるのは、著者たちが相当に面倒くさい人たちでそれを表現することにも一生懸命だからなんだろうな。

読んでいて痛々し気持ちいい

自分は、学生ベンチャーでインターン、という過去属性を持ち、ドヤ顔で仕事論を語ってる胡散臭いドリームネット参加OBの1人である。また、仕事柄、学生や研究者の成長をテーマにディスカッションする機会も多く、作品中の葛藤や衝動とか言い合いとかに一々分かるな、と思うところがあり、自分がまさに「青くて痛くて脆い」属性を持ってるとビリビリわかってしまった。痛々しくて、痛々しくて、つらいよ。

意識高い学生を疎ましくおもったり、同族意識を持つときがあったり、将来のことについてノープランの学生に何か働きかけたくなったり。そういうことの欺瞞とか偽善とか大義とか理想とかにまつわることがあますところなく味わえます。学生団体や就活などに関するモヤっとしたことを総括して次に行けます。おススメです。

本郷チムニーを惜しみながら。

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放て心に刻んだ夢を未来さえ置き去りにして