【定期活動報告】細胞農業に公的な研究費が付けられました
細胞培養による食料生産、すなわち細胞農業が、JAXA Tansa-XとJST未来社会創造事業に採択され、リリースが出ています。
JST未来社会創造事業( https://www.jst.go.jp/pr/info/info1346/besshi1.html )では、「将来の環境変化に対応する革新的な食料生産技術の創出」にて、複数の機関/チームが食肉培養の研究に取り組むとされています。JAXA宇宙探査イノベーションハブでは、「光エネルギーおよび省リソース「藻類・動物細胞共培養リサイクルシステム」による持続的な食糧・タンパク質の生産」として宇宙での動物細胞培養が言及されています。
http://www.ihub-tansa.jaxa.jp/RFP_announcement4_201809.html
過去にオランダで細胞培養肉の学術研究に200万ユーロの研究費がつけられたことがあります。対してJST未来創造事業は「国が明確に出口を意識して、学術だけでなく産業も入れた枠組みに予算を付けた」ということなので、性格が異なると言えます。
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1346/index.html
昨年、いつも通りにFabCafeTokyoで行われていたShojinmeat Projectの集まりに、政府の方が情報収集のために来ていました。細胞農業に関する話を持ち帰って検討し、最終的にJST未来社会創造事業の中に細胞肉・細胞農業が含められることになったのでしょう。
JAXA Tansa-Xについても、「宇宙で細胞農業」という可能性を政府系宇宙機関が正式に検討していることになります。宇宙細胞農業の研究は、1997年にNASAの研究者が一人でおこなった「金魚肉片を培養液中で培養してみるミニプロジェクト」以来なので、今回のJAXA Tansa-Xの意味合いもそれなりに大きいと言えます。
*【定期活動報告】はクラウドファンディングサイトcampfireのパトロン限定記事を2~3ヶ月遅れで転載しております。