【定期活動報告】New Harvest 2018に行ってきました報告

Shojinmeat Project
Shojinmeat Japan
Published in
4 min readMar 3, 2019

7月20日、21日にMITメディアラボで開催された、New Harvest 2018というカンファに招待されたので登壇・パネルをしてきました。 https://2018.new-harvest.org/

New Harvestは2004年の設立以来、Mark Post先生のデモンストレーションに至るまでの道を敷き、「細胞農業(cellular agriculture)」の言葉を作り、今もその概念普及の最前線にいる米国NPOです。

New Harvestは細胞農業の開かれたかたちでの概念普及を目指しており、オープンソース・ムーブメントを支援するShuttleworth Foundation( https://www.shuttleworthfoundation.org/ )のほか、さまざまなところからの寄付金で運営されています。

その中で「細胞農業の民主化」を目指してバイオ技術の公開や一般化を進めるShojinmeat ProjectはNew Harvestの目指すところと親和性が高く、招待されるに至りました。

登壇では、Shojinmeat Projectが進める「民主化」と、インテグリカルチャー(株)が進める「実用化」がどう組み合わさっているかについて紹介しました。

https://www.slideshare.net/2co/shojinmeat-project-and-integriculture-inc-at-new-harvest-2018

話の流れとしては、

・今の食糧生産は持続不可能で、細胞農業が注目されている。

・技術は来ているが、安全と安心の確保が問題になっている。

・この議論のためには、細胞農業に前向きな雰囲気が必要になる。

・日本にはShojinmeat Projectという市民団体が細胞農業の民主化を目指していて、インテグリカルチャーという会社が実用化を目指している。

・Shojinmeat Projectの活動により、DIYバイオの一環として細胞農業が一般人にも手が届く技術であることが認知され始め、政府省庁内にも応援する人が現れている。

・インテグリカルチャーでは“CulNet System”という、コスメ・サプリ・食品と幅広く作る汎用大規模細胞培養技術を開発し、政府ファンドを含む多方面より資金調達をした。

・市民科学が可能性を追求し、企業が規模と実用化を追求することで、一般農家も独自の牛肉ブランドを持てるなど、民主化された細胞農業が実現する。

・細胞農業工場もあるが、一般家庭用の「卓上純肉培養器」について、これを使えば肉以外にも臓器や自然界にはない食品が作れる可能性がある。

・そうした一つの可能性として、地球に遠足に行った中学生が、火星に帰ってから地球土産の和牛細胞から高級牛肉を作って友達に分けてあげる、という未来もあるかもしれない。

この発表の直後に登壇のCaleb先生からは、「火星の和牛細胞(wagyu cells on Mars)の次にオレは何を話せばいいんだよ!」とお褒めの言葉を頂きました。

Caleb先生はMITメディアラボでオープンソース植物工場ソフトウェア”OpenAg”を開発しています。

その他の発表についてはこちらにまとめました。

New Harvestのカンファレンスは毎年やっていますが、今年は特に法規制対応についての話題が大きく取り上げられていました。(特に米国での)法規制関連の動きは、別で報告しようと思います。

*【定期活動報告】はクラウドファンディングサイトcampfireのパトロン限定記事を2~3ヶ月遅れで転載しております。

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Shojinmeat Japan

Japan-based cultured meat and cellular agriculture citizen science project