Shunsuke Kawai
Shunsuke Kawai
Published in
5 min readMay 1, 2016

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UX Books / VALIDATING PRODUCT IDEAS

UX Book clubに参加し、” VALIDATING PRODUCT IDEAS Through Lean User Resseach”という本を読みました。

ユーザーリサーチャーである著者の経験を元に、Lean開発の手法を取り入れたユーザー中心のアプローチを実践的かつ分かりやすく解説しています。

サービスの各フェーズごとに様々なアプローチが目的に沿って、紹介されています。ここでは、Chapter 5: Do people want the product?を中心に紹介したいと思います。

ユーザーは本当にその製品が欲しいのか?

What people want is a question that can be asked and answered before a specific product or service even exists
リリースする前でも、”人々がその製品を欲しいか” 質問し、答えることができる。

この質問に答えるために代表的な2つのアプローチが紹介されています。

1.コンシェルジュMVP
2.フェイクドア(偽広告実験)

しかし、それぞれのアプローチを実践する前に、MVP(Minimum viable product)について正確に理解しなければなりません。
MVPは検証・学習を目的としたプロセスであり、最小機能を持った製品ではありません。それらは理解することで目的に応じたMVPを効果的に開発できるでしょう。

MVPと誤解されているMVP

それではコンシェルジュMVP・フェイクドアについて説明します。

  1. コンシェルジュMNP
    顧客に提供する機能をマニュアル(手動)で行うMVPのことです。顧客のコンシェルジュとして、プロダクトが提供するソリューションを開発し自動化するのではなく、手動で実現しプロトタイプを検証します。提供するサービスやプロダクトに対してデジタルソリューション(自動)とマニュアルソリューション(手動)の2つに分けて整理することがポイントです。また、マニュアルソリューション(手動)をHackし、効率的に検証・学習できるMVPを創造できるかが鍵になります。このアプローチは著書に紹介されているテンプレートが利用すると実践しやすいでしょう。
コンシェルジュMVPボード

2.フェイクドア(偽広告実験)
ウェブページやアプリの訪問者に提供する製品・機能・サービスを提供するふりをします。まだ何かを開発するのではありませんが、製品が存在していると訪問者に伝え、それに基づいて行動し、評価します。例えば以下のような検証をします。

・ランディングページやクラウドファンディングページを作成し、人々が興味を示すか調査する。
・ボタンをウェブページに追加して、CTR(クリックスルー率)を計測する
・Google Adwords や Facebook Adsにキャンペーン広告を出稿する。ランディングページを作るのではなく、“404”ページを表示する。

このようなアプローチを用いてサービスの価値を検証しながら、”決断し、行動する”ことができれば難しい課題に対してもユーザー視点で解決できると思います。

上記で述べた以外にもユーザー中心の設計・リサーチ方法は沢山あります。ただ全てを実践すれば良いのではなく、重要なことはプロダクトやフェーズさらにはチームのスキル・リソースに応じてを効果的な検証方法を組み立て、繰り替えすことではないでしょうか。

— — 追記

▼著者の動画による説明もYoutubeで観ることができます。各章ごとの解説もあります。

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