UX Strategy & Strategic UX

アジャイル開発とUXデザインの統合について多くの実績を持つ、チャールズ・B・クライツバーグ(Charles B. Kreitzberg)氏に協力して「UX Strategy and Strategic UX」という資料を私を含め、3人で翻訳しました。監訳は若狭 修氏です。

【前編】顧客志向を昇華する:戦略的に考えるUXデザイン(ビジネスアジリティ編)

【後半】デザイン思考の浸透:戦略的に考えるUXデザイン(成熟度モデル編)

“UXデザインにおけるユーザ中心設計を実践すると、開発の流れも合理化されます。ユーザ中心設計プロセスでは、まず対象ユーザとそのニーズを明らかにします。その後、提案された製品をモデル化するためにワイヤーフレームとプロトタイプを構築します。これらのモックアップにより、高額な多くの開発が行われる前に、何を開発しているのかについて関係者が具体的に理解できるようになります。”(p.2)
“私は、UX戦略と戦略的UXという2つの異なる概念があると考えています。これら2つの意味は全く異なっていますが、それらについて書かれた記事の多くは、両者を混同しているように見えます。私がこの言葉を使うとき、UX戦略は、組織がビジネスにUXを組み込むための方針を示しています。戦略的UXは、組織がそのビジネス戦略を定義し推進するために、エクスペリエンスデザインを活用する方法を示しています。”(p.4)
“エクスペリエンスデザインが一般的な戦術アプローチの示唆よりも広範であり、価値を持っていることが分かるでしょう。エクスペリエンスデザイナーとして私たちはユニークな存在であり、顧客中心でその要求に素早く応答できるようにすることで、組織がアジャイル経営の利点に気づくための手助けができます。私たちがもたらすこの価値こそが、戦略的UXの意義を証明する核になっているのです。”(p.6)
“アジャイル開発の方法論はウォーターフォール型のアプローチと比べて多くの利点があり、21世紀の企業として理にかなっています。しかし、アジャイルプロセスはエクスペリエンスデザイナーによって概念化されたものではなく、コード開発に偏ったものです。アジャイル開発に移行する組織は多くなっていますが、それによってUXのリーダーシップを妨げてしまう可能性があるのです。”(p.8)
レベル1では、組織はUXやそれがもたらす価値を根本的に認識していません。このレベルでは、製品の機能性が最も重要視されます。ユーザエクスペリエンスについて何か考慮しているとしても、それはビジュアルデザインと混同されているでしょう。
レベル2は”特定の目的を持ったデザイン”であり、組織の中でUXが意識される兆しが見えます。このレベルでは、決まって経営層の誰かがカンファレンスに出席してUXを学びます。または、従業員がUXを意識しはじめ、その価値を訴えて組織的に支援してもらおうとします。
レベル3では、組織はUXに価値を感じ、プロジェクトの中にUXを一貫して取り入れようとします。何らかの形で公式の方法論が作られ、UXに関する求人やキャリアパスも生まれます。UXディレクターが雇われ、UX専門のチームが作られることもあります。このようなチームを動かす仕組みとしては、プロジェクトリーダーがサービスを発注する「委託モデル」や、UXデザイナーがいろいろな開発チームに割り振られる「分配モデル」などがあります。
レベル4では、プロジェクトに組織的なレベルで取り組むようになります。レベル3のように独立した業務に目を向けるだけではありません。プロジェクトが人や仕組みに影響を与えることや、途切れることのないつながりをデザインすることこそがUXデザインの方法論の一部となるということを認識しているのです。
レベル5の組織は、エクスペリエンスデザインを戦略的なビジョンや経営計画に組み込みます。組織的な戦略を立てるのは、未来に向けた実現可能なビジョンを作るためです。今自分たちがどこに向かっているのか理解しようとすることで、自社の経営を維持し今後成長していくためにどうするのが最も良いのか、決断を下すことができるのです。
UX成熟度モデルでレベル6にたどり着いた企業は、様々な価値を生む可能性を秘めています。これらの企業は、アジリティ、顧客中心主義、内部プロセスの効率性などで他社よりも強みがあります。そして、顧客視点に立った深い知識と関心によって、イノベーションを生み出す強い力を持っているのです。
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