SkebのAIに対するスタンスとAI生成データを検出するAIの導入につきまして

Kazunari Kida
skeb_jp
Published in
Mar 1, 2023

いつもSkebをご利用いただきありがとうございます。

SkebのAIに対するスタンスと、AI生成データを検出するAIの導入についてお知らせさせていただきます。

  • AIはクリエイターを置換する技術ではなく、将来的にクリエイターの創作活動を加速させる技術になると考えています。
  • Skebでは2018年のサービス開始時より、一貫して「イラスト」ジャンルではクリエイターが直接描いたイラスト、漫画のみを納品物として認めており、3Dモデルやスクリーンショット、AIが生成したデータの一部または全部を納品することは規約とポリシーに違反します
    これは盗難クレジットカードの現金化(チャージバック詐欺)をはじめとするサービスの不正利用を防止する目的で設けられた制約です。
    Skebでは日々不正利用と戦っています。インターネット上にすでに存在する転載画像を使って盗難クレジットカードの現金化を試みる不正行為に対しては、転載画像の検出AI(Google Cloud Vision API)が有効でしたが、イラスト生成AIはユニークなデータを大量生成できることから、さらなる対策が必要になると考えています。
  • 日本の法令(著作権法第三十条の四)では、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし、著作権者の利益を不当に害することとならない場合は、情報解析のために他人の著作物を許諾なく利用することが認められています。
  • Skebでは2018年のサービス開始時より、NSFWコンテンツの検出(Microsoft Azure Cognitive Services)や転載画像の検出(Google Cloud Vision API)、リクエスト本文の翻訳(DeepL)をはじめとして、積極的にAIを採用しています。
    いずれも他人の著作物を許諾なく学習したAIと予想されますが、著作権者の利益を不当に害しておらず、適法であると考えています。
  • イラスト生成AIのうち「特定のイラストレーターの画風を模倣したイラストを生成する無許諾のAI」と「任意のイラストを読み込ませることで類似のイラストを生成するAI」については、該当著作権者の利益を不当に害する恐れがあり、問題があると考えています。

この度スケブ社はアメリカのAI企業であるHive社と契約を締結し、本日2023年3月1日よりAI生成データを検出するAIを導入しました。

Skebでは月間10万枚以上のイラストが納品されていますが、残念ながら月間数十枚のAI生成データを検出しており、これまではスタッフが目視で確認していました。

場合によっては、クリエイターの方に制作工程を問い合わせたり、作業中のデータを確認させていただき、該当取引が不正利用につながる可能性があるか否かの判断基準を基に、深刻度に応じて、警告、該当取引のキャンセル、新規リクエストの募集の永久停止(登録剥奪)を実施しています。

本AIの導入にあたり、クリエイターの方に新規に対応していただく作業等はございません。

今後ともSkebをよろしくお願いたします。

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