エンジニアの採用基準について

Kohei Kataoka
SOELU Developers
Published in
Oct 31, 2020
https://www.soelu.com

SOELU株式会社というスタートアップでCTOをしているカタオカといいます。オンラインフィットネスサービス『SOELU』を開発しています。

この記事では、私がエンジニア採用において大事にしている採用基準について述べます。この記事を書く第一目的は、転職を検討されている方にSOELUの開発チームについて知っていただくことですが、読み物としても面白くなるよう頑張って書きます。

私たちはなるべく小さな開発チームで大きな仕事がしたいと思っており、新しく人を採用する目的は、以下のことに集約されます。

  • いまいるメンバーでは解決できない仕事を担ってもらうこと
  • 自分たちの仕事を楽にすること

この目的を果たすために、面接では以下のことを確認しています。

  • 特定の仕事に関して、いまいるどのメンバーより上手くやれること
  • 過度なマネジメントが必要な手間のかかる人格を持たないこと
  • 業務の中で内省を繰り返しながら自己研鑽ができること

面接では、いくつも具体的な技術質問をぶつけてみて、回答の成否や、答えられない質問に対する対応の仕方をチェックします。面白いのは、業務経験に関する回答の幅が広い質問を投げかけたときの印象と、超具体的な技術質問をぶつけたときで、候補者に対する印象が大きく異なる点です。回答の幅が広い質問は、よく答えられている印象を持ちやすく、話が上手な候補者が過剰によく見えてしまう問題があります。パーソナリティに関する評価も、ダラダラと対話するより、技術質問をぶつけたときの反応を見たほうがハッキリと分かるというのも、面接を通して得られた面白い発見でした。

また、より会社の特色が出る部分として、意見が別れるであろう採用基準をひとつ紹介します。

それは、「事業やビジョンへの共感があるかどうかは評価しない」というものです。SOELUでは、エンジニアに事業への深い共感は求めていません。このことについて、詳しく説明してみます。

社員の事業共感やビジョン共感を大事にする会社は、その前提に「事業に共感する人は、仕事を自分事として捉え、モチベーション高く働いてくれる」という考え方を持っているのではないでしょうか。

しかし、私の経験においては、サービス共感が高い無能な人もいれば、サービス共感の低い有能な人もいます。いままで見てきた人の特徴を上げてみます。

  • サービス共感は強いけれど、開発スケジュールに無頓着な人
  • サービス共感は低いけれど、仕事に対する責任感が強い人
  • サービス共感が強いあまり現実と理想の狭間で思い悩んでしまう人

共感の強さとパフォーマンスの高さに、強い相関は見られません。ちなみに「サービス共感が強いあまり現実と理想の狭間で思い悩んでしまう人」は私自身が過去にローパフォーマーだったときの特徴です。

思うに、ことエンジニアの働くモチベーションとしては、共感より以下のような要素のほうが強く作用するのではないでしょうか。

  • 開発プロセスそのものの改善に取り組めること
  • 優秀な同僚と働けること
  • HRT原則がチームに浸透していること
  • 事業に関するあらゆる決定に妥当性があること

「事業やビジョンへの共感があるかどうかは評価しない」と述べましたが、数ある会社からSOELUで働くことを選択してもらうために、多くの人に共感され価値を感じてもらえるサービスにしていくことは重要だと考えています。事業に共感してSOELUの採用を受けに来ていただくことは大歓迎です。

SOELUは、ウィズコロナ・アフターコロナの社会にぴったりな「日常の中に、無理なく自分の体と心を整える習慣を作る」ことができるサービスとなるべくサービス価値の向上に全力で取り組んでいます。

SOELUの採用活動で私が実践している、採用基準や評価方法について書いてみました。ここで書いたことは、まわりの方の意見やアドバイスに基づいており、私のオリジナルの考えばかりではないことを断っておきます。

これからSOELUの採用面接を受けるか検討している方や、採用基準について考えている方の参考になったら嬉しいです。

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